第110話「近くなってる、というルルの声と、来ては行く、というカインの声と、動いた、というシアの声と、止まっていない声の朝」
朝が、来た。
野営地の朝は——静かだった。
でも——
昨日と、違った。
何かが——また、変わっていた。
昨日は、揃いが傍らにある、最初の夜だった。
今日は——
何かが、近かった。
揃いが感じていた——何かが、近かった。
それだけで、十分だった。
―――
ジンが、目を覚ました。
すぐに——地面の方角に、手を、向けた。
地面を——通して、聞いた。
何かが——あった。
昨日とは——また、違った。
昨日は——「揃いが何かを感じ始めている」という感触だった。
でも今日は——
「揃いが、向いている」という感触だった。
「……向いてる」とジンが、小さく、言った。「揃いが——前の方を、向いてる。傍らにある揃いが——向いてる。昨日より——はっきり、向いてる。昨日は感じ始めてた。今日は——向いてる。形はない。でも——向いてる。向こうに何かある——って向いてる。揃いが、先に——わかってる。そういう感触だ」
地面の奥から——返事は、なかった。
でも——揃いが、そこに、あった。
傍らに——前を向いて、あった。
軽くて、温かな——揃いが。
何かに向かって——穏やかに、あった。
―――
ルルが、目を覚ました。
すぐに——鼻を、向けた。
後ろ——場所の方角。遠くなった。
前——来た方向。
そして——もっと前。
ルルが、息を、止めた。
「……においが——した」とルルが言った。「昨日より——近くなってる。揃いが感じてたもの——近くなってる。でも、形じゃない。形になってない。揃いが感じてるのに——形がない。止まってない声って——そういうものなのかもしれない。来ては行く。でも——揃いが傍らにあるから、来た時に感じられる。そういうにおいだ」
ジンが——少し、間を置いた。
「……来ては行く——か」とジンが言った。
「……うん」とルルが言った。「来ては行く。昨日も——来てた。でも行った。今日の朝も——来てる。また行くかもしれない。でも——来た時は、ある。その時だけ——ある。揃いが傍らにあるから——来た時に感じられる。一人だったら——感じられなかったかもしれない。揃いが傍らにあるから——感じられる。そういうにおいだ」
「揃いが傍らにある——から、か」とジンが、低く、言った。
「……うん」とルルが言った。「から。揃いが仕事を終えたから——傍らにある。傍らにあるから——感じられる。揃いの仕事が終わったことと、傍らにあることは——繋がってる。そういうにおいだ」
―――
カインが、写しを、広げた。
「……記録には——こうあります」とカインが言った。「『止まっていない声は、形を持たない。形を持たないまま、来ては行く。揃いが傍らにある者は、来た瞬間だけ、それを感じる。感じた瞬間に——揃いが動く。揃いが動いた方向が、次に向かうべき方角になる。揃いを見るのではなく、揃いが動いた後の静けさを——感じる』とあります」
全員が——カインを、見た。
「……続きには——こうあります」とカインが言った。「『止まっていない声を聞くことは、止まっていた声を聞くこととは全く異なる。止まっていた声は——聞き手が留まることで届いた。止まっていない声は——聞き手が動くことで届く。動くとは、足を動かすことだけではない。揃いが動いた後の静けさを感じ、その静けさの向きに、体ごと向くことだ』とあります」
しばらく——誰も, 何も, 言わなかった。
「揃いが動いた後の——静けさ、か」とジンが、低く、繰り返した。
「……そうです」とカインが言った。「揃いが動いた瞬間ではなく——その後の静けさです。動いた後に——静けさが来る。その静けさが、向きを持っている。向きを持った静けさを——感じることが、次の一歩になる。そういう記録です」
「動きじゃなく——静けさを感じる、か」とノアが、静かに、言った。
「……そうです」とカインが言った。「動きを追うのではなく、静けさを待つ。揃いが動いた後に来る静けさは——揃いが感じ終えた、ということです。感じ終えた揃いが——どちらを向いているか。その向きが、答えです。そういう記録です」
―――
セレクが、静かに、口を、開いた。
「……教会の記録に——こうあります」とセレクが言った。「『揃いが傍らにある者が止まっていない声に触れる時、揃いは一度だけ強く動く。この動きは長くない。短い。しかし——確かに動く。聞き手はその動きに慌ててはならない。慌てると、静けさが来る前に揃いを見失う。揃いが動いた後、一息だけ——待つ。一息の後に来る静けさが、向きを教える』とあります」
「一息——待つ、か」とジンが言った。
「……そうです」とセレクが言った。「一息だけ。揃いが動いた瞬間に体ごと動こうとすると——間に合わない。静けさより速く動いても、向きはわからない。一息待って——静けさが来てから、その向きに体を向ける。それだけです。そういう記録です」
「……わかった」とジンが、低く、言った。「来たら——感じる。感じたら——揃いを見る。揃いが向いた方に——歩く。それだけだ」
「……はい」とセレクが言った。「ただ——一つだけ、覚えておくことがあります」
「一つ——か」とジンが言った。
「……止まっていない声は」とセレクが言った。「一度感じただけでは、届かない。来ては行くから——また来る。何度も来る。何度も来るたびに——揃いが動く。揃いが動くたびに——方角が少しずつ定まっていく。急がなくていい。一度で全部わかろうとしなくていい。声が来るたびに、少しずつ——定まっていく。そういう記録です」
―――
一行は——野営地を、出発した。
揃いが——傍らに、静かに、前を向いて、あった。
ジンが——歩きながら、揃いを、感じた。
「……ある」とジンが、小さく、言った。「揃いが——ある。傍らにある。歩いてる——傍らにある。何かに——向いてる。形はない。でも——向いてる。昨日の朝より——はっきり向いてる。近くなってるから——はっきりしてきてる。揃いが先に——わかってる。俺は——揃いが向いた後の静けさを、感じればいい。それだけだ。そういう感触だ」
ルルが、鼻先を、前に向けた。
「……においが——した。揃いのにおいだ。傍らにある——揃いのにおいだ。歩いてる——においだ。何かを感じてる——においだ。昨日より——はっきりしてきてる。揃いが感じてるものが——近くなってるから、はっきりしてきてる。形じゃない。精度は高い。でも——近い。揃いが——何かを向いてる。そういうにおいだ」
―――
昼が——来た。
歩き続けた。
揃いが——傍らに、静かに、あった。
シアが、空間を、静かに、探った。
「……見える」とシアが言った。「揃いの糸が——ある。傍らにある——揃いの糸が。細い。でも——切れてない。それと——見えてるわけじゃない。でも、感じる。糸の先に——何かある。昨日も感じてた。今日は——もっとはっきり感じる。糸の先が、何かに、向かってる。そういう見え方だ」
「もっとはっきり——か」とジンが言った。
「……うん」とシアが言った。「はっきり。歩くたびに——はっきりしてきてる。近くなってるから——はっきりしてきてる。糸が向かってる先が——近い。遠くない。でも——まだ形じゃない。形になる前の——何かだ。揃いが感じてる——その何かが、近い。そういう見え方だ」
ジンが——揃いを、静かに、感じた。
「……待つ」とジンが、小さく、言った。「揃いが動いたら——一息待つ。静けさが来たら——その向きに向く。それだけだ。急がない。焦らない。揃いが先に——わかってくれる。揃いが傍らにあるから——わかってくれる。そういう感触だ」
―――
来た。
揃いが——動いた。
ジンが——一息、待った。
静けさが——来た。
「……動いた」とジンが、静かに、言った。「揃いが——動いた。来た——と思ったら、動いた. 短かった。でも——確かに動いた。一息——待った。静けさが——来た。静けさに——向きがある。向きがある静けさだ。そっちに——向いてる。揃いが動いた後の静けさが——そっちを向いてる。そういう感触だ」
ルルが、息を、止めた。
「……においが——した。揃いが動いた——においだ。短かった。でも——動いた。動いてから——静けさになった。静けさのにおいだ。向きのある——静けさのにおいだ。あっちの方——においが、する。来ては行った。でも——向きは残ってる。静けさの中に——向きが残ってる。そういうにおいだ」
「向きが——残ってる、か」とジンが、低く、言った。
「……うん」とルルが言った。「残ってる。声は行った。でも——向きは残ってる。揃いが感じ、動いて、静けさになった。その静けさに——向きが残ってる。その向きが——次に歩く方角だ。声が来た方角じゃない。揃いが動いた後の静けさの——向きだ。そういうにおいだ」
―――
シアが、空間を、急いで、探った。
「……動いた」とシアが言った。「揃いの糸が——動いた。短かった。でも——確かに動いた。動いた後——静かになった。でも、静かになった後も——向きがある。糸の向きが——定まった。少し——定まった。昨日の糸の向きより、少し——定まった。一度だけでは全部じゃない。でも——少し定まった。そういう見え方だ」
「少し——定まった、か」とジンが言った。
「……うん」とシアが言った。「少し。一度で全部じゃない。セレクが言ってた通りだ。何度も来るたびに——少しずつ定まっていく。今日は一度来た。少し定まった。また来たら——もう少し定まる。揃いが傍らにある限り——定まっていく。そういう見え方だ」
ジンが——揃いを、感じながら、歩いた。
「……また来るのを——待つ」とジンが、小さく、言った。「揃いが動いたら——一息待つ。静けさに——向く。それだけだ。急がない。また来る。また少し定まる。そういう感触だ」
―――
また——来た。
揃いが——また、動いた。
ジンが——一息、待った。
静けさが——来た。
向きが——あった。
さっきと——同じ向きだった。
「……また来た」とジンが、静かに、言った。「また——揃いが動いた。一息待った。静けさが来た。さっきと——同じ向きだ。定まってきてる。少しずつ——定まってきてる。向こうだ。あっちの方——向こうに何かある。揃いが——向こうを向いてる。止まっていない声が——向こうから来てる。そういう感触だ」
ルルが、鼻先を、その方角に向けた。
「……においが——した。また来た——においだ。さっきと——同じ方角だ。揃いが動いて、静けさになって、向きが残った。さっきの向きと——同じ向きが残った。定まってきてる。形じゃない。でも——向きは定まってきてる。向こうに——何かある。止まっていない声が——向こうにある。そういうにおいだ」
「向こうに——ある、か」とジンが、低く、言った。
「……うん」とルルが言った。「ある。でも、止まってないから——来ては行く。ずっとあるわけじゃない。来た時だけ——ある。でも、来る方角は——向こうだ。向こうから——来てる。向こうへ歩けば——近くなる。来た時に感じられる回数が——増える。揃いが傍らにあるから——感じられる。そういうにおいだ」
―――
五本目の糸が——大きく、温かく、穏やかに、揺れた。
ルルが、息を、止めた。
「……アルトが——揺れてる」とルルが言った。「台地から——大きく、温かく、揺れてる。揃いが動いたのを——感じてる。止まっていない声が来たのを——感じてる。揃いが傍らにあるまま何かを感じたことを——感じてる。自分の時を——思い出してる。自分も——ずっと、誰かが来てくれるのを待ってた。止まってた。でも——向こうの声は止まってない。来ては行く。その違いを——感じてる。新しい——って揺れてる。これまでと違う——って揺れてる。でも嬉しい——って揺れてる。揃いが傍らにあって、止まっていない声に触れた。それが——嬉しい。そういうにおいだ」
「アルト——」とノアが、空に向かって、静かに、言った。「見えてるか。止まっていない声が——来た。揃いが動いた。一息待って、静けさを感じた。向きがわかった。少しずつ——定まってきてる。お前が台地で待ち続けてくれたみたいに——向こうの声も、ずっと、来ては行くのかもしれない。でも——揃いが傍らにあるから、感じられる。それだけで——十分だ」
五本目の糸が——穏やかに、温かく、一行の傍らを、しっかりと、包んでいた。
―――
カインが——写しを、静かに、折り畳んだ。
「……記録には——こうあります」とカインが言った。「『止まっていない声を複数回感じた者は、方角だけでなく、声の「質」を知り始める。質とは——重さか速さか古さか、そのどれでもないものか、だ。止まっていた声は、留まることで質を知った。止まっていない声の質を知るには——揃いが動いた回数の分だけ、待つ。来るたびに、少しずつ——質が、わかってくる』とあります」
「声の——質、か」とジンが、静かに、言った。
「……そうです」とカインが言った。「方角だけではない。質も——わかってくる。止まっていた声は、方角も質も——留まることで、時間をかけて知った。止まっていない声は、揃いが傍らにある分だけ——より速く、少しずつ、知っていける。揃いが傍らにある者だけが持てる——知り方です。そういう記録です」
「揃いが傍らにある者だけが——持てる、か」とノアが、静かに、繰り返した。
「……そうです」とカインが言った。「揃いの仕事が終わったから——傍らにある。傍らにあるから——止まっていない声を感じられる。感じるたびに——少しずつ、質もわかっていく。これが、揃いが傍らにある旅の——仕事です。そういう記録です」
―――
夕暮れが——近かった。
野営の場所を——選んだ。
火が——穏やかに、揺れた。
揃いが——傍らに、静かに、あった。
ジンが——地面に、手を、当てた。
「……ある」とジンが、小さく、言った。「揃いが——ある。傍らにある。今日——揃いが動いた。二度——動いた。一息待った。静けさが来た。向きがわかった。同じ向きだった。定まってきてる。形はない。でも——向きは、ある。向こうに——何かある。止まっていない声が——向こうにある。質はまだわからない。でも——向きはある。そういう感触だ」
ルルが、鼻先を、前に向けた。
「……においが——した。今日のにおいだ。揃いが動いたにおいだ。一息待ったにおいだ。静けさに向きがあったにおいだ。定まってきてる——においだ。向こうに何かある——においだ。全部が——今日の、においだ。明日も——歩けば近くなる。また来る。また揃いが動く。また少し定まる。揃いが傍らにあるから——また感じられる。そういうにおいだ」
「また——感じられる、か」とジンが、静かに、言った。
「……うん」とルルが言った。「また感じられる。一度じゃない。何度も——感じられる。揃いが傍らにある限り——何度も感じられる。来るたびに——少しずつ、わかっていく。急がない。精度は高くない。でも——わかっていく。揃いと一緒に——わかっていく。そういうにおいだ」
―――
エリナが、手帳を、開いた。
ペンを、走らせた。
今日のこと——朝、ジンが「揃いが昨日よりはっきり向いてる」と言ったこと、ルルが「近くなってる、来ては行く、でも揃いが傍らにあるから感じられる」と言ったこと、カインが「形を持たないまま来ては行く、揃いが動いた後の静けさの向きに体を向ける」という記録を読み上げたこと、セレクが「一息待つ、一度で全部わかろうとしない、来るたびに少しずつ定まっていく」という記録を示したこと、歩いている途中で揃いが二度動いたこと、一息待ったこと、静けさに向きがあったこと、二度とも同じ向きだったこと、アルトが「新しい、でも嬉しい」という揺れを見せたこと、カインが「声の質も、来るたびに少しずつわかっていく、それが揃いが傍らにある者だけが持てる知り方だ」という記録を示したこと。すべてを、書いた。
書き終えて、ペンを止めた。
それから——もう一行、追加した。
『今日、止まっていない声が来ました。二度、来ました。揃いが二度動いて、ジンが二度、一息待って、二度、同じ向きの静けさを感じました。私はその「一息待つ」という動作を書きながら、待つことの種類について考えました。止まっていた声を聞いていた時も、ジンは待っていました。でも、あの時の待つは——留まることでした。その場から動かず、声が届くまで留まる待つ。今日の待つは——違いました。揃いが動いた後の、一息だけの待つ。短い。ベッドから起き上がるような、でも確かな待つ。留まる待つと、一息の待つは、形が全然違う。でも——どちらも、「受け取る」ための待つだ、と思いました。今日一番、深く残っているのは、ジンが「向きがわかった」と言った時のことです。形がない。声はもう行ってしまった。それでも——向きがわかった。向きは、残った。揃いが動いた後の静けさの中に、向きが残っていた。私はそれを書きながら、何かが通り過ぎても、向きは残るのだと思いました。声は来ては行く。でも——向きは、残る。その残った向きを感じるために、揃いが傍らにある。揃いが傍らにあることの意味が、今日、少し、わかった気がしました。エリナ・フォルス談。自分で書いておく』
火が——穏やかに、揺れた。
揃いが——傍らに、静かに、あった。
向きが——静けさの中に、残っていた。
止まっていない声の——向きが、残っていた。
遠い何かが——向向に、あった。
ルルは、それを確かめて、眠った。
―――
ジンは——地面に、もう一度、手を、当てた。
地面を——通して。
「……今日——揃いが動いた。二度。一息待った。静けさが来た。向きがわかった。定まってきてる。形はない。でも——向きはある。向こうに何かある。止まっていない声が——向こうにある。来ては行く。でも——来た時は感じられる。揃いが傍らにあるから——感じられる。明日も——歩く。揃いと——一緒に歩く。また来たら——また一息待つ。また静けさを感じる。また少し定まる。それだけだ。急がない。でも——わかっていく。揃いと一緒に——わかっていく。ありがとう。揃いに——ありがとう。傍らにいてくれて——ありがとう。動いてくれて——ありがとう。静けさを教えてくれて——ありがとう」
地面から——返事は、なかった。
でも——揃いが、そこに、あった。
傍らに——あった。
軽くて、温かな——揃いが。
仕事を終えて。
傍らに——前を向いて、あった。
向きが、あった。
静けさが、あった。
止まっていない声の気配が、あった。
揃いが感じ始めた、その先が——穏やかに、あった。
暖炉の火が——穏やかに、揺れた。
野営地の風が——静かに、あった。
アルトが——見ていた。
一緒に行く——という顔で、見ていた。
台地の風として——一緒に歩いていた。
夜が——深くなった。
揃いが傍らにある、二度目の夜が。
穏やかに——深くなった。
―――
― 第110話・了 ―
―――
次話予告:
三日目の朝、揃いが昨日より大きく動く。ルルが鼻先を向ける。「……においが——した。形になってきてる——においだ。昨日は形じゃなかった。でも今日は——形になってきてる。揃いが感じてるものが——形になってきてる。来ては行くけど——形になってきてる。止まっていない声が——形を持ち始めてる。そういうにおいだ」。カインが写しを開く。「記録には——『止まっていない声が形を持ち始める時、揃いを持つ者の前に最初の「兆し」が現れる。兆しとは声でも姿でもない。揃いが動いた後の静けさが——方角だけでなく、距離を教え始めることだ。距離がわかった者は、声が来た瞬間に、もう一歩だけ、その方角へ踏み出せる』とあります」。ジンが揃いを感じながら、前を向く。「……距離——か。形になってきてるなら——もう少しだ。揃いが動いたら——一息待って、距離を感じる。もう一歩——踏み出す。それだけだ」。五本目の糸が——穏やかに、温かく、確かに、一行の傍らを、しっかりと、包んでいる。




