★登場人物紹介
登場人物紹介です。後書きにおまけがあります、宜しければそちらまで目を通していただけると嬉しいです。
〇クレオ・キンリー
22歳、女性、騎士
173センチ
赤茶色の髪、緑の瞳、背が高く美人
キンリー侯爵家次女
高位の騎士
祖母と確執あり
男女と陰口を言われている
冷静沈着に見えるが実は喧嘩っ早く好戦的
愛馬はルナリア
〇大音久遠/オオオト・クオン
28歳
175センチ
黒髪、黒瞳、細マッチョ
おまけの男と噂されている
バスケ好き、空手経験者
料理など家事全般は一通りのことができる
一人暮らしだった
童顔
姪のアリスを可愛がっている
〇井道ありす/アリス・イドウ
16歳
黒髪、黒瞳
聖女として呼ばれた
高校二年生
久遠の姪っ子、姉の子供
クオン同様童顔
少し怖がり、心配性
お菓子作りが得意
〇デーヴィッド・ウィズダム
20歳
金髪碧眼、美男子、クオンより背が高い
第一王子で王太子
アリスに想いがある
真面目、努力家
アリスにだけ「ディ」と呼ばれている
〇ヒューイット・ウィズダム
43歳
国王
体調不良で公務を休んでいる
自国に呼び寄せてしまった聖女とクオンに罪悪感がある
〇アイラ・ウィズダム
16歳
第一王女
王女としてのプライドがある
アリスとは親友
クオンと結婚の話が出た
〇ルージット・ウィズダム
14歳
第二王子、デーヴィッドに似ている
出番なしで作者がショック
〇リリアンナ・ウィズダム
40歳
王妃
出番なし
〇キーラン・ガルデン
30代
クオンとアリスの家庭教師
長い黒髪、紫の瞳
国一番の魔法使い
ガルデン公爵
聖女召喚の後は魔力が落ち着かず臥せっている時もあった
クオンに深い興味を示す
クレオとは親友のように見える
〇ホセ・ロドル
20歳
198センチぐらい
騎士、平民多い第六騎士団所属
クオンに弟のように可愛がられている
クオンの護衛騎士
絶賛彼女募集中
〇ジミー・ルイス
30歳
188センチぐらい
騎士、平民多い第六騎士団所属
クオンの兄役
クオンの護衛
結婚相手募集中
〇オーロラ・キンリー
23歳
金髪、緑の瞳、美女
キンリー侯爵家長女
前婚約者を病気で亡くし、今現在新しい婚約者がいる
婚約者アドルフ・ブラウン
〇アトラス・キンリー
キンリー侯爵
赤い髪、緑の瞳
クレオの父
仏頂面がマスト
クオンとクレオの仲を応援している
〇グレース・キンリー
クレオ母
金髪、美女
娘二人を愛している
騎士になったクレオが心配
クオンとクレオの仲を応援している
〇アドルフ・ブラウン
22歳
オーロラの婚約者
穏やかな性格
婿に入る予定
〇エラ
平民出身のメイド
子育てが済んだ40代
クレオとクオンの新居に通うメイド
〇アルマン
エラの夫
クレオとクオンの新居に通っている
外向きの仕事を担っている
〇カイル
23歳
エラとアルマンの息子
出番無し
〇ルナリア
クレオの愛馬、雌、栗毛、鼻のあたりは白
軍馬、クレオに性格が似ている
スピード狂
〇ドルチェ/ドル
クレオの子供の頃の馬、雄、白毛
大人しく賢い、クオンを守るべき子供だと認識している
教育馬
〇アンセル・ガルーラ
22歳
クレオの同級生で友人
クレオを好きだった
第三騎士団三隊隊長
子爵家四男
緑の髪、グレーの瞳
〇ユーリ・ラグラス
22歳
クレオの同級生で友人
アンセルの恋を応援していた
薄いピンク色の髪、薄いオレンジ色の瞳
第三騎士団四隊隊長
〇ジャックス・ロス
40代後半
第一騎士団団長
孫がいる
〇ジェームズ
第一騎士団第二部隊長
遠征に参加した
〇アーシャ
第五部隊副隊長
しっかり者
〇カーラ
第五部隊所属
足が速い
〇サブリナ
第五部隊所属
クレオとクオンを見て恋に憧れている
〇ダナ
第五部隊所属
一番の若手
〇ナンシー
第五部隊所属
部隊内一食いしん坊
〇サラサ
空気読めない伯爵家の娘
クオンにアプローチ
〇ケーワイ伯爵
娘と息子をクオンに紹介する
祝賀会の後評判を落とす
〇ガルーラ子爵
アンセルの父親
アンセルは四番目の息子
親孝行の息子が自慢
〇ラグラス伯爵
ユーリの父
子供は十人いる、ユーリは六番目
ちゃらんぽらんに見える息子がちゃんと騎士をしているか心配
〇アダム伯爵
リヌス教皇と繋がっている
ルキウスの父
〇エドモンド
陛下付きの使用人
老執事
瘴気に蝕まれる陛下を見守っている
★教会側
〇ルキウス
大司祭の一人
キーランのはとこ、伯爵家の庶子、平凡な容姿、平凡な茶色の髪
キーランへのコンプレックス有り
実は瘴気魔獣にされた人物
〇イリス
大司祭の一人
教会には少ない女性司祭
前教皇の娘で聖女のように崇められていた
〇ユリシス
大司祭の一人
〇エリシウス
大司祭の一人
〇マルクス
デーヴィッド並みに顔が良い司祭
教皇によってクオンに紹介される
〇シリキ
清楚な雰囲気の司祭
顔が良い、髪が短い女性
教皇によってクオンに紹介される
〇レオ
13歳
顔が良い修道士
元孤児
教皇によってクオンに紹介されるが怖がっている
〇リヌス教皇
教会のトップ
クオンを手中に収め王族に復讐したい
前聖女を王家に奪われたこと恨んでいる
王家運営の孤児院を使い国王に瘴気を与えた
瘴気魔獣を作った人物
〇新教皇
ガルデン公爵家の縁者
聖神力がキーランの次に多い
キーランの叔父にあたる
★登場人物全員載せたはず……です。
もしいない人がいましたらご連絡いただけると助かります。
【事件のその後】
教会での騒動を終えたクレオとクオンは、新しい家族となったレオを連れ、住み慣れた屋敷へと戻ってきた。
夜遅い時間だというのに屋敷には灯りがついていて、クオンの帰宅を心待ちにしてくれている家族がいるのだと分かる。
「クーオン様!」
玄関へ向かえば、涙目になったエラが待ち構えていた。
その隣にはアルマンもいて、クオンに傷も怪我もないと分かると、ホッとした笑顔を浮かべた。
クオンは心配をかけた二人に「ごめんね」と声を掛けながら、居心地が悪そうな様子のレオを二人に紹介した。
「この子、レオだよ。今日からウチの使用人になるの」
「あらあら、まあまあ。クーオン様、この子はどうされたのですか?」
「教会で僕を助けてくれたいい子。とっても優しい子なんだよ」
「まあ、それはそれは……。レオ君、クーオン様を守ってくれて有難うね。これから一緒にお仕事を頑張りましょうね。私はエラよ。それと、こっちは夫のアルマンよ」
「は、はい。あの、レオです。どうぞよろしくお願いします」
レオが深く頭を下げると、エラとアルマンは優しげな笑顔を浮かべた。
教会の修道士の衣装は着ているが、痩せていて、少し人を恐れる様子がレオにはある。
そんなレオの姿から、二人は色々と察してくれたのだろう。
レオを見つめる瞳には親のような慈愛があり、声色も優しいものだ。
クオンを攫った教会出身者であるレオだけれど、二人はそんなことは気にもせず温かくレオを迎え入れてくれた。
「クーオン様、お食事は?」
「うん、教会でレオと食べたけど、ちょっとお茶飲みたいかな」
「畏まりました。軽食とお茶を準備しますね。その間に、レオはアルマンにお風呂に入れてもらいましょうか。温まって疲れを取りましょうね、レオ」
「えっ……でも僕も仕事を……」
「レオ、君は今夜は十分に働いてくれた。私の大切な夫を守ってくれたんだ。だから今日は温まって体を休めなければならない。騎士だって仕事の後は体を休めるんだ。君はまだ子供だ。大人以上に体を大事にしなければいけないんだよ」
「は、はい、奥様。あの、ありがとうございます。僕、お風呂に入らせていただきます」
「うっ……うん、ゆっくり入っておいで」
「はい、奥様」
恐縮するレオを連れて、アルマンが風呂場へ向かう。
クレオが「奥様」と呼ばれたことに感動する中、クオンはクレオの手を繋ぎ、食堂へと向かう。
「クレオ、行こ。今日はずっと一緒ね、もう離れない」
「は、はい、ずっと一緒で……って、え? クオン、それはどこまでですか?」
「ん? お風呂も一緒に入る?」
「えっ? それは、その……」
イチャイチャする二人に温かい視線を送りながら、「本当に良かったですわ」とエラが目尻を拭う。
エラの淹れたお茶を飲むと、家に戻ってきたのだと実感して、クオンの体から力が抜ける。
軽食を口に運び、自宅の味を堪能する。
ここが自分の家。
クレオの傍が自分の居場所。
そのことをクオンは強く感じていた。
「うーん! エラのごはん、美味しー!」
「フフ、そうですね。エラとクオンが作る料理が、もうすっかり【我が家の味】になっていますね」
美味しい、幸せだねとクオンとクレオが笑い合っていると、エラまでも幸せそうな顔をする。
「本当に良かったですわ。クーオン様が無事で……」
エラの呟きに、クオンもクレオも頷いた。
生きていて良かった。
また会えて良かった。
それが二人の心からの答えだった。
「クーオン様、クレオ様、レオですが、痩せていて、体にはもう治すことのできない傷もあって、教会で酷い扱いを受けていたことが分かる状態でした」
「「……」」
レオをお風呂に入れ、軽食を与え、空き部屋に連れていって休ませたアルマンが、皆がくつろぐリビングへやって来て報告をする。
クオンの予想通り、レオは教会で十分な扱いを受けてこなかったらしい。
もちろん傷は孤児院時代にできたものかもしれない。
だが、そもそもレオのいた孤児院は教会が運営するもの。
そこでできた傷となれば、彼らの責任だ。
そう思うと、怒りしか湧かなかった。
「そんな子、たくさんいるの?」
「そうですね……。ですが、今回のことで教会の運営する孤児院には王家からの手が入ります。裕福な生活は無理でしょうが、一般家庭とさほど変わらない生活が送れるようになると思いますよ」
「なら安心。陛下のこと、僕信頼してる」
「ええ。陛下はこれまで多くの孤児院を巡って様子を見ていましたから。今後もその姿勢は変わらないでしょうし、教会の改革が決まったいま、より良くなっていくと思いますよ」
「うん、そうだね。それにデーヴィッドもいるしね」
「ええ、デーヴィッド様もきっとご尽力されるでしょう、お二人に任せれば何の不安もありません」
「うん」
もう、レオのように傷つく子供がいなくなればいい。
クオンとクレオはそう願う。
きっと、すべての子供を幸せにするだなんて、そんなことは無理なのだろう。
それでも、この国の王家に任せておけば大丈夫。
王族をよく知る二人には、そんな安心感があった。
クオンもこれから伯爵としての仕事を学び、領地の仕事も覚えなければならない。
難題にぶつかることもあるだろうし、迷うことも出てくるはずだ。
けれど、王家をお手本にし仕事をこなしていけば、異世界人の自分でも何とかなるのではないか。
そう思えた。
「あの、クーオン様、クレオ様」
「ん? アルマン、何?」
「アルマン、どうかしましたか?」
「レオを……あの子を、我が家の養子として迎えても良いでしょうか?」
「「えっ?」」
「あの子は親の愛情を知らないそうです。私にはそれが不憫でならない。もちろん、世間にはそんな子供は多くいます。ですが、クーオン様がこの屋敷に連れてきたことも何かの縁だと思います。うちはもう息子も成人して一人前になっております。それに、この先クーオン様が伯爵家としての屋敷を受け取れば、多くの使用人を雇うことになるでしょう。その時、身元の分からないレオがクーオン様と仲良くしていれば、いらぬ嫉妬も受けることになる。だったら我が家の息子として屋敷に勤めれば、そんな問題も起きないと思います」
普段は無口なアルマンが、レオのために熱心に言葉を紡ぐ。
今日会ったばかりのレオに深い愛情が湧いたわけではないのだろう。
もしかしたら、同情なのかもしれない。
傷だらけの体を見て、不憫に感じたのかもしれない。
だけど、真摯なアルマンの言葉に頷く以外の選択肢はなかった。
アルマンならきっとレオの良い父親になってくれる。
それは疑いようがない真実だと、クオンもクレオも知っていた。
「あの、エラは? エラは大丈夫?」
「フフフ、ええ、クーオン様。大丈夫ですわ。それに、あーんなに可愛い子が私の息子になってくれるだなんて、そんな嬉しいことはありませんもの。夫と協力をして、オット伯爵家の使用人に相応しい息子に育ててみせますわ」
「エラ、凄い。レオ、きっと喜ぶ」
「エラ、アルマン、有難う。レオのことを宜しくお願いしますね」
そんな大人たちの話し合いがあった翌日。
アルマンとエラが、直接レオに養子の話をすることになった。
良かったらうちの子にならないか?
そう声を掛けられたレオは驚き、言葉を失っていた。
「あ、あの、でも、僕……」
戸惑うレオは、言葉がうまく出ないようだ。
クオンを攫った教会の出身者だという後ろめたさもあるのかもしれない。
それに、そこまで甘えても良いのかと不安なのだろう。
教会でも孤児院出身ということで、レオは下に見られていた。
だからこそ、成人もしていない年齢でクオンに身を売るよう強要されたのだろう。
動揺するレオに、エラは笑顔で近づいた。
「レオ、すぐに決めなくていいのよ。ここで一緒に働いて、家族になっても良いと思ったら決めればいいの」
「ぼ、僕が決めていいんですか?」
「ええ。貴方の人生だもの。あなたが決めていいのよ。それに、私たちの気持ちは決まっているの。貴方と家族になりたいって、私たちは思っているのだから」
「ーーっ!」
レオは嬉しかったのか、顔を真っ赤にして泣き出しそうだった。
誰かに優しくされたり意見を聞かれるなんて経験はこれまでなかったのだろう、胸が一杯な様子に見えこちらまで泣きそうになる。
その後、レオはアルマンやエラの仕事を手伝ったりと、毎日二人と過ごし、楽しそうな笑顔が増えていった。
また、ルナリアやドルチェとの触れ合いも、レオの心を癒す一つになったようだ。
特に教育馬のドルチェはレオを可愛がり、庭にいると常に寄り添って傍にいた。
そして一か月後。
レオがアルマンとエラの子供になることが決まった。
「お父さん」「お母さん」と二人をそう呼ぶレオの顔には、もう教会にいた頃の怯えた様子はない。
そこには子供らしい笑顔を浮かべたレオがいて、とても幸せそうな様子だった。
「クレオのお陰でレオも幸せ」
「フフフ、そこはクオンのお陰じゃないですか? レオをウチに連れてくると決めたのはクオンなのですから」
「僕も子供欲しくなったな、クレオはどう思う?」
「えっ? 子供ですか、それは勿論欲しいですが……その……」
「フフフ、クレオ可愛い、何想像したの?」
「もう、クオン、揶揄わないでください、酷いです!」
いつも通りの掛け合いをしながら、クオンとクレオは寄り添い仲のいい使用人家族を見つめる。
そこには温かな愛が溢れていて、幸福が目に見えるようだった。
おしまい




