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賢者の力を手に入れた少女の新生活  作者: 至田真一
魔法とスクールライフ
9/13

連休明け

「じゃあ、行くよ」


 ルナが教えてくれた通りに、体に魔力を通す。

 すると、足が少しづつ地面から離れて、体が宙に浮いた。


「おぉっ。意外と安定する」


 ルナから魔法の事を色々聞いて、庭で空を飛べる魔法を試してみた。

 興味があるからってファミリアの皆が見に来ている。流石に皆がいるから、今日はズボンを穿いてる。飛んでたら下から見えそうだし。


「どうですか明里さん?」

「飛べたのは凄いんだけど、足が地面に付かないから、ちょっと変な感じ」


 それにちょっと怖い。やっぱ飛べなくても良いかな。

 地面に降りると、飛ぶところを見ていた小学生以下の子達が集まってきた。


「明里お姉ちゃん、僕も空飛びたい!」

「俺も!」

「私も!」

「ちょ、ええっ!?」


 飛びたい子達に囲まれて、もうどうしよう。

 この子達を一人づつ抱きかかえて飛ぶことは出来ると思うけど、その度にあの感じになるのはちょっと嫌だなぁ。

 困っていると、頬に何か冷たいのが当たって上を見上げると、雨が降り出した。


「そう言えば今日、昼過ぎから雨降るって天気予報で言ってたわね」

「まだ昼前なのに。とにかく、皆中に入るよ」

『はーい』


 皆ちょっといじけた顔になっちゃったけど、濡れて風邪ひいたら駄目だからね。

 中に入ると、雨も大分降ってきたから、戻ってきて正解だったね。


「ひゃー。結構降って来ましたね」


 壁をすり抜けて、雨に濡れた木霊が中に入ってきた。


「木の精霊でも濡れるのは嫌なんだ」

「そうですね。これまでは玄関で乾かしていたんですけど、これで堂々と中で乾かせます」


 施設長さんからタオルを受け取った木霊は、自分の頭を拭いた。

 あ~あ。折角の連休最終日なのに。こんな天気なんてついて無いな。


「ねぇルナ。流石に天気を変える魔法って無いよね?」

「流石にありませんよ。でも全力の魔法で、雨雲を吹き飛ばした事はあるらしいですよ」

「それはそれで凄いね」


――――――――――――――――――――


 ゴールデンウィークが明けて、今日から学校が始まった。あっという間だった。

 更に今日からラーニアが編入してきた。クラスは私と空良と一緒。


「一緒のクラスで良かったよ。知らない人だけのクラスは不安だからな」

「まぁ、気持ちは分かる」


 それにこの学校、人間以外の種族は全校生徒の半分もいないからね。知り合いが一人はいた方が良いかもね。

 ちなみに席は空良と反対の私の隣。


「教科書とかはもう貰ったんだよね? 忘れてない?」

「大丈夫だ。きちんと確認してきたからな」


 ラーニアは鞄の中に手を入れて一限目の教科書を出そうとすると、ピクッと肩を動かす。


「……ラーニア?」

「……昨日。持っていく教材を確認するために、机の上に出しておいて、鞄に入れるのを忘れてた」

(言った傍から)


 結局、私の教科書をラーニアに貸して、私は空良のを一緒に使った。

 一限目が終わると、次は体育の為更衣室に移動した。

 ラーニアは体操服は忘れて無かったみたいだから安心した。

 更衣室に着いて体操服に着替えると、私は服の裾をズボンの中に入れて、服の中に賢者の帽子を入れた。


「なぁ明里。何故賢者の帽子を持ってきていて被らないんだ?」

「被ったら変に目立つじゃん。それに近くに無いと何処にでも現れるからね」


 最初はそれですっごい驚いたもん。驚いたって言うか、怖かった。

 ルナから帽子の事を聞いてからは、なるべく肌身離さず持っている様にしてる。

 これまで誰にも指摘とかされてないし、きっとバレて無いね。

 今日の体育は外でテニス。昨日の雨が嘘の様に今日は快晴だから、十分外で出来る。


――――――――――――――――――――


「せやぁ!」


 ラーニアの強烈なスマッシュに、相手の子は反応出来ずに、ラーニアのペアに一点が入った。


「やっぱラーニアって運動神経は良いね」

「うん。……でも」


 相手の子がボールを打ってラーニアは返すと、相手の子も返してラーニアはボールの着地地点に走る。

 ……けど、足を滑らせて転んで打ち返せず、相手ペアに一点入った。


「ドジな所が無ければ良いんだけどね」

「う~ん」


 ラーニアのドジも相まって、両ペアの得点は全く広がらない。

 ラーニアとペア組んでる子も、何か呆れた様な顔してるし。

 その後結果は、ギリギリ一点差でラーニアのペアが勝った。


「うう……もっと点差を広げたかった」

「まぁ……ラーニア、よく転んでたからね」


 ラーニアが転ぶと、必ず点を入れられてたからね。

 転ばなければ間違いなく点差は開いてたね。


「明里。次、私達」

「あ、分かった」


 ペアを組んでる空良と一緒にコートに入ると、相手ペアと試合を始めた。

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