連休明け
「じゃあ、行くよ」
ルナが教えてくれた通りに、体に魔力を通す。
すると、足が少しづつ地面から離れて、体が宙に浮いた。
「おぉっ。意外と安定する」
ルナから魔法の事を色々聞いて、庭で空を飛べる魔法を試してみた。
興味があるからってファミリアの皆が見に来ている。流石に皆がいるから、今日はズボンを穿いてる。飛んでたら下から見えそうだし。
「どうですか明里さん?」
「飛べたのは凄いんだけど、足が地面に付かないから、ちょっと変な感じ」
それにちょっと怖い。やっぱ飛べなくても良いかな。
地面に降りると、飛ぶところを見ていた小学生以下の子達が集まってきた。
「明里お姉ちゃん、僕も空飛びたい!」
「俺も!」
「私も!」
「ちょ、ええっ!?」
飛びたい子達に囲まれて、もうどうしよう。
この子達を一人づつ抱きかかえて飛ぶことは出来ると思うけど、その度にあの感じになるのはちょっと嫌だなぁ。
困っていると、頬に何か冷たいのが当たって上を見上げると、雨が降り出した。
「そう言えば今日、昼過ぎから雨降るって天気予報で言ってたわね」
「まだ昼前なのに。とにかく、皆中に入るよ」
『はーい』
皆ちょっといじけた顔になっちゃったけど、濡れて風邪ひいたら駄目だからね。
中に入ると、雨も大分降ってきたから、戻ってきて正解だったね。
「ひゃー。結構降って来ましたね」
壁をすり抜けて、雨に濡れた木霊が中に入ってきた。
「木の精霊でも濡れるのは嫌なんだ」
「そうですね。これまでは玄関で乾かしていたんですけど、これで堂々と中で乾かせます」
施設長さんからタオルを受け取った木霊は、自分の頭を拭いた。
あ~あ。折角の連休最終日なのに。こんな天気なんてついて無いな。
「ねぇルナ。流石に天気を変える魔法って無いよね?」
「流石にありませんよ。でも全力の魔法で、雨雲を吹き飛ばした事はあるらしいですよ」
「それはそれで凄いね」
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ゴールデンウィークが明けて、今日から学校が始まった。あっという間だった。
更に今日からラーニアが編入してきた。クラスは私と空良と一緒。
「一緒のクラスで良かったよ。知らない人だけのクラスは不安だからな」
「まぁ、気持ちは分かる」
それにこの学校、人間以外の種族は全校生徒の半分もいないからね。知り合いが一人はいた方が良いかもね。
ちなみに席は空良と反対の私の隣。
「教科書とかはもう貰ったんだよね? 忘れてない?」
「大丈夫だ。きちんと確認してきたからな」
ラーニアは鞄の中に手を入れて一限目の教科書を出そうとすると、ピクッと肩を動かす。
「……ラーニア?」
「……昨日。持っていく教材を確認するために、机の上に出しておいて、鞄に入れるのを忘れてた」
(言った傍から)
結局、私の教科書をラーニアに貸して、私は空良のを一緒に使った。
一限目が終わると、次は体育の為更衣室に移動した。
ラーニアは体操服は忘れて無かったみたいだから安心した。
更衣室に着いて体操服に着替えると、私は服の裾をズボンの中に入れて、服の中に賢者の帽子を入れた。
「なぁ明里。何故賢者の帽子を持ってきていて被らないんだ?」
「被ったら変に目立つじゃん。それに近くに無いと何処にでも現れるからね」
最初はそれですっごい驚いたもん。驚いたって言うか、怖かった。
ルナから帽子の事を聞いてからは、なるべく肌身離さず持っている様にしてる。
これまで誰にも指摘とかされてないし、きっとバレて無いね。
今日の体育は外でテニス。昨日の雨が嘘の様に今日は快晴だから、十分外で出来る。
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「せやぁ!」
ラーニアの強烈なスマッシュに、相手の子は反応出来ずに、ラーニアのペアに一点が入った。
「やっぱラーニアって運動神経は良いね」
「うん。……でも」
相手の子がボールを打ってラーニアは返すと、相手の子も返してラーニアはボールの着地地点に走る。
……けど、足を滑らせて転んで打ち返せず、相手ペアに一点入った。
「ドジな所が無ければ良いんだけどね」
「う~ん」
ラーニアのドジも相まって、両ペアの得点は全く広がらない。
ラーニアとペア組んでる子も、何か呆れた様な顔してるし。
その後結果は、ギリギリ一点差でラーニアのペアが勝った。
「うう……もっと点差を広げたかった」
「まぁ……ラーニア、よく転んでたからね」
ラーニアが転ぶと、必ず点を入れられてたからね。
転ばなければ間違いなく点差は開いてたね。
「明里。次、私達」
「あ、分かった」
ペアを組んでる空良と一緒にコートに入ると、相手ペアと試合を始めた。




