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賢者の力を手に入れた少女の新生活  作者: 至田真一
魔法とスクールライフ
8/13

皆でショッピング

 今日は、昨日新しく入所したラーニアの私物を買うために、空良とルナと一緒にショッピングモールにやって来た。

 ラーニアは私物が少ないし、しかも服なんて昨日と今日着てるのと、寝巻用の三つしかない。

 家具は元々部屋にあるので大丈夫だから、流石に大荷物にはならないはず。


「私の物を買うのに共に来てもらって申し訳ない」

「そんなに気にしなくて大丈夫よ」

「そうですよ。一緒に住むんですから」

「それにこのショッピングモール初めてでしょ? 何処に何が売ってるか大体分かるから一緒の方が良いでしょ」

「うう……かたじけない」


 泣きそうな顔でラーニアがお礼を言う。

 まだ入所したばかりなんだから、遠慮なんてしなくて良いと思う。


「まずは服を買おっか」

「ふ、服はあまり詳しく無いから、よろしく頼む」


 ショッピングモールの中を歩いて、服屋に着いた私達は、ラーニアに合いそうな服を探してみた。

 ラーニアって私達の中で一番背が高いんだよね。私が一五〇半ばぐらいだから、ラーニアは一六〇ぐらいかな。

 背が高いと似合う服が限られそうだし、どれにしよう。


「あ。出来ればスカートは無しにしてほしい」

「じゃあズボン?」

「ああ。あと、あまり可愛いような服は苦手だ」


 可愛い系は駄目となると、カッコイイ系? ボーイッシュな方が良いのかな?

 空良やルナと相談して、ラーニアに似合いそうな服を何着か取り揃えて、ラーニアに選んでもらって会計を済ませた。

 これから暑くなるから、冬物は秋頃に買えば良いかな。


「なんか、結構値段がする物もあったが、大丈夫なのか?」

「まだ謝礼金も残ってるから、大丈夫よ」

「謝礼金? 何のだ?」

「実は以前、明里さんがファミリアに張った結界のお陰で、泥棒を捕まえられたんです。その謝礼金です」


 ルナが凄い自慢げに言うけど、ちょっと恥ずかしい。


「凄いじゃないか明里! 賢者の帽子を継いだだけはあるな!」

「いや、継いだ訳じゃ無いから。偶然被っちゃっただけ」


 ラーニアは眼差しを輝かせてるけど、別にこうなりたくてなった訳じゃ無いのに。


「まぁ、その話は置いといてさ。次は何買うの?」

「そうだなぁ。実はペンとかも持ってないから、それも買いたいんだ。あと、学校に行くのならノートとか必要だよな。そう言えば、ノートが入る様な鞄も無いな」

「え? 筆記用具とか無いの?」

「あ、ああ……」


 申し訳なさそうにラーニアが返事をする。

 初めて会った時、やけに荷物が少ないとは思ったけど。


「本当に申し訳ない。実は、間違って売ってしまって」

「え? 売った?」


 話を聞くために、丁度お昼だからフードコートに移動して、昼食を食べながらラーニアから話を聞いた。


「これは……私がファミリアに入所するキッカケになった事なんだが……」

「うん……」


 真剣な表情のラーニアの話を私、空良、ルナは耳を傾ける。


「ギルドで働いてた父が大事な書類を誤って捨ててしまってクビになり、母は怪しげな壺を買って借金をしてしまい、返済の為に売れる物は売ったものの全く返せず、私の学費も払えなくなり、援助を受けられるファミリアに入る事になったんだ」

「「「……」」」


 どう返せば良いんだろ?

 両親がドジすぎるせいでこうなったのは分かるんだけど、ラーニアも間違って学生に必要な筆記用具を売っちゃってるし。

 やっぱそこは親子なのかな。


「でもそんなに高い壺なの? 全然返済出来てないなんて」

「いや。壺の分は返済出来ているんだが、父がギルドで沢山やらかしてしまった事の分の借金や、金の管理が下手な母がよく金を盗まれたりするせいで全然返せないんだ」


 ……もう、そんな両親と分かれちゃった方が良いんじゃないかと思って来た。


「まぁ……大変だったのは分かったから。今は私達もいるから、安心して」

「うう……すまない」


 というか、私達がしっかりしないと駄目な気がしてきた。

 下手したら、ラーニアが借金しそう。


「では、食べ終えましたら、ラーニアさんの物を買いに行きましょう」

「そうね。連休明けの学校には間に合うと思うけど、早いに越した事は無いし」

「皆……本当にすまない!」


 半泣きのラーニアを落ち着かせた後、シャーペン等の文房具にノート数冊と鞄。

 更に、将来剣士希望と言うラーニアの為に、竹刀まで買った。


「竹刀って意外と重いね」

「想定より多くなりましたけど、これで全……あっ!」


 急にルナが大きな声を出して思わずビックリする。


「どうしたの?」

「忘れてました! 施設長さんから食料の買い出しを頼まれていたんでした!」

「え、そうなの?」

「はい。しかも、ラーニアさんの歓迎会をするからと、結構多めに」

「何!? そうなのか!?」


 そう言えば、新しく入所する子が入ったら、よく歓迎会開いてたなぁ。

 その後食品売り場で食べ物は買ったけど、結構大荷物になった。

 歓迎会の時は大荷物になるから、一緒に買いに行ってたっけ。


「お、重い……」

「竜人族の方はよく食べますから、これぐらいが妥当なんです」

「でもコレ、絶対帰るまで時間掛かるよ」


 食べ物が痛んだりする可能性があるから、少しでも早めに帰っておきたいんだけど。


「……そうだ。明里さん、強化魔法です」

「え? 強化魔法?」

「はい。強化魔法で力を上げれば、荷物も軽く感じるはずです」

「成程。どうやるの?」

「こう……自分の腕、と言うか、腕の筋肉に魔力を流すイメージで」


 ルナの説明を聞いた後、一旦荷物を地面に置いて、今言われた通りにやってみた。

 腕が少し暖かくなった気がして、置いた荷物を手に持つと、さっきより全然軽くなった。


「へぇー。これは便利だね」


 私が荷物を多めに持って、あまり時間が掛かることなくファミリアに帰れた。

 そして夜に行われたラーニアの歓迎会は大いに楽しんだ。

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