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死んで転生したら自作最強メイドNPC達と共に異世界攻略やろうとしたらゲームと全く違う世界線でした。  作者: 山田孝彦/ダーヤマ・タカヒコ
第二章 今のあなたに必要な事は仕事をする事でもショタの貞操を守る事でもありません。目の前の仲間を信じなさい。
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第三十三話 ペットは可愛いものです……私はマリモを飼いたいな。

 ニュネイの母親を追い森のさらに奥深くへ……湖が存在し月の光に照らされると幻想的な印象を抱くと言うのは人類の美観的教養が関係するのだろうか。

 なんて事を言ってみたりして……湖がある以上ここから先は行き止まりだ。

「……いや、まだいる……。」

 周りに集中する。絶対いるはずなのだ……目の前の湖を渡った可能性はあるか?もし、そうなら泳いでいるのが分かるはず。

「バーバリティに匂いを追ってもらうか……ただ、匂いのついたアイテムなんて無いし……」

 背後に殺気を感じた……振り向き、右手で相手の腕を掴む。

「くそ……。」

 予想通り湖は渡っていない、ニュネイの母親は息を顰めていた。殺せると思ったのか、その掴んだ腕にはナイフを持っていた。

「大人しくしろ。お前の負けだ。」

「……と、取引よ。ニュネイは諦める……だから、私を見逃して。」

「そんなの信じると思うか?第一にお前はニュネイの血が目的だ。また性懲りも無く……」

「私は金の亡者よ……死んでしまっては元も子もない。ならば、それに変わる物を探して稼ぐまでよ。」

「汚い手でか?」

「さぁ……その時によるわ。」

 持ってたナイフを手放し地面へ落とした……諦めたか。

「俺も鬼じゃない……汚い手で金を搾取しないなら、お前を見逃してやる。」

「ほ……本当に……?」

「ああ。」

 ゆっくりと掴んでた腕を離す……そして、彼女に催眠をかける……。

「ああ……あー。」

 目が虚になっていき自我が保てなくなる。この催眠術はかなり強力で相手の行動を封じると共に全てが弱点になる……発動してる間MPが信じられないスピードで減るので使うタイミングを見極める必要がある。

「忘れてた……。」

 急いで道具袋に手を突っ込むとMPがしばらく消費しないポーションを取り出し口にする。

「さて……始めるか……。」

 よく考えてみて欲しい……ニュネイの母親は一体何者なのかという話だ……。明らかに不自然というか顔が広すぎる気がする。なぜ、俺の情報を知っているのか……屋敷までどうやって辿り着いた?

「まず、お前は何もんだ?仮の姿じゃなく本当の自分を話せ。」

「私は……聖王国の秘密治安維持局の一人です……。名は『ルイール』と言います。」

 お役人とは……ニュネイからは商人と聞いた……それは、世を欺くための仮の姿か。秘密裏に動くお役人とあらば僕たちの存在を知ってもおかしくは無いか。

「レイガー達も同じ治安維持局の人間か?」

「いいえ……彼らはただの冒険者……です。」

 秘密の組織であれば他所を雇う……その手法は理に適ってる……。

「本当にニュネイが目的なのか?」

 もしかしたら、危ない橋を渡っている可能性がある……本当の目的はニュネイじゃなく、ぽっと出のイレギュラーである俺達かもしれない。

「ニュネイもそうですが、あなた達にも……上からの命令はイレギュラー排除でした。ニュネイはついでに連れ帰るだけです。」

「連れ帰った後は?」

「我々の機関で研究します……その後はわかりません。」

「研究?」

「我々は悪魔や魔物の撲滅の為に研究しています……。清き聖王国に異種なる存在は入りません……なので彼らを研究し弱点を掴むという。」

「なるほど……なら、エントロとの婚約は悪魔と知っててか?」

「はい。」

 全く怖い国だ……ニュネイは人為的に作られた研究対象って事か?あいつの境遇が可哀想だと無理でも思うわ。

「ニュネイの血を売っていたと言ってるが……本当は研究の為なんだろ?」

「はい、ただボーナスは出ますので……お金になるって意味では嘘を見破る魔法の前では偽装になります。」

 この女も国に使われただけって事か……秘密治安維持局とは一体なんだ?

「お前らのボスは誰だ?秘密治安部隊にはどうやって?」

「ボスは分かりません……秘密治安局には普通に商人として働いてた時に声をかけられました……隠密能力が高いと言うので、気に入ったそうです。」

 そんなんで入れるのか……。それじゃ、珍しいスキルを持っていたら誰でも入れるのでは?

「お前らの存在は聖王アルガニーテも知っているのか?」

「いいえ。」

「そうだよな……。」

 ゲームに限らず、このパターンは裏で何者かが裏で糸を引いてるってシチュエーションだ。影の支配者って奴だろう……だが、方針は同じで聖王国の異種族異文化に厳しいのはアルガニーテと同じ……それを支えてるだけなのかも。

「お前を逃せば今後も俺達を襲うか?」

「はい。」

「ニュネイの事はどう思っている?」

「今は何とも……最初産んだ時は愛おしく思ったのは間違いありません。」

「何?」

 予想外の回答だった、仕事だから何とも思わないと……。

「なので、体罰で……無理やり怯えさせれば……次第に子供に対する嫌悪が生まれました……それを私自身に植えただけです。」

 こいつも中々ハードな人生送ってるな……かける言葉も無いし。かけた所で失礼ってやつだ、こんな重いもん背負った上であんな振る舞いしてんのがすげーって思う。

 すると、知らない間にMPがゼロになった集中しすぎて気が付かなかった……ルイールの催眠が解ける……。

 

「あれ……私……。」

「それで?秘密治安維持局のルイールさん?正体がバレたらどうなるんだい?」

「な、何故それを!!」

「早く答えろ。もう、全部話してんだ。」

「……く……多分、殺されるわ……。終わりね……。」

「まぁ……色々話してくれたし……全然見逃すよ……。」

 ルイールの人生を考えれば、見逃したくもなる。やっぱり、ダメな人間だ……俺は。

「彼らを欺く事は出来ない!!私にはどうしよも無いのよ!!」

 膝が崩れ落ち四つん這いになる……絶望してるようだ。

「こっちで匿えば何とかなると思うけど……。」

「それは、ごめんよ……娘がいるし……。」

「……。」

「だけど……。」

「ん?」

「これを……ニュネイに……彼女に渡して……。」

 取り出したのは注射器……中には何か入ってる……。

「『悪魔暴走薬』……上の連中がくれたもの……万が一冒険者がやられた際、ニュネイに打てば悪魔本来の力が目覚めて敵味方見境なく襲う。打つ機会なんてこれっぽっちもなかったけど……上の連中に奪われる前にあんたが持ってなさい。その方が確実でしょ?」

「お前……今は何とも思ってないんじゃ……。」

「女は引きずる生き物……そして、切り替えも早いのよ!!死ぬぐらいなら、なんかしてやろうってだけ!あんの、バカ上司どもめ……目にもの見せてやるわ……。」

 驚いた……ニュネイに対して何か思う所はあるって事か?やっぱり自分の死が分かると気が変わるものなのかな?

「ニュネイにその気があったならエントロはどうなの?」

 疑問が出来たので質問した……今のルイールなら本心を話してくれるしな。

「アイツは少年に劣情を抱くから嫌いね……そもそも、アイツが本当に手を出すなんて思ってなかった……緊急とはいえ私達が動き易くなったのはデカい……。」

 ああ……そこは嫌いなんだ。

「……とりあえず、それ受け取っておくわ。」

 道具袋を取り出した瞬間、中から魔力を帯びた骨が落ちる……以前のクエストでミスカイルからもらった報酬だ……ちなみに『ドナクエ』では道具袋を整理しない派です。なので、色んなアイテムがパンパンに入ってます……。

 

「あ……落とした。」

 地面に落ちた骨を拾おうとした瞬間目の前のルイールが変な顔をしていた。

「あわわ……。」

 それは僕の背後を見ているようで注射器を手に握ったまま何かに怯えているようだった。

「ん?」

 振り向くと巨大で黒い毛並みが特徴的な……犬というか魔界の扉の番人というか……フェンリルというか……てか、これフェンリルじゃね?首の周りに鎖が繋がれており垂れておらず魔力で浮いている……てっことは、フェンリルじゃね?そもそもの要素がフェンリルじゃね?てか、これがフェンリルじゃね?もう、フェンリルじゃね?もう、フェンリルで良くね?

「世の中には超常現象ってものがあるからなー。」

 急な出現で意味が分からず独り言だけして再びルイールの方を見ると……。

「うおおおおおおおおおおおお!!ありえない……ありえないわ!!帝国の森にいるはずでしょ……死んでたまるもんですか!!うおおおおおおおおおお!!」

 湖がバシャバシャと音を立てている……いや、泳いでるし……。

「フィジカルどうなってるねん。『ゲセスダ』か?」

 オープンワールドゲームにいそうなNPCの動きだった。

 その方向を見てると後ろ襟を咥えられる……へ?

「うわあああああああああああ!!」

 急に走り出す……森の中であるため小枝がバシバシ当たる……。


 ——一方でレイガーを倒したノクターンズは他寮と合流した。

「ご主人帰ってこないねー。」

「ね。」

 バーバリティとポンテ・モーレが近くの岩に腰を下ろし月を眺めていた……。

「スンスン……ん?」

 バーバリティが四つん這いになる……。

「ど、どうしたの?」

「これは……ホネ……間違いない……。」

「ホネ?」

「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」

 四足歩行で信じられない速さで森の奥へ走って行った……。

「か、カストディーア……バーバリティが……。」

「んえ?」

 ポンテ・モーレが指を刺す……足跡というか地面が削れている……力が天元突破していた。

「すごい足強いんですねー。」

 グルージャは感心してみている……。

「いや、感心してる場合か!!」

 プロファンダーレがツッコミを入れる。

「まぁ……帰ってくるでしょ……。」

 マリブルはあまり気にしてる様子では無かった。

「と、とにかく……追うぞお前ら!!」

 カストディーアが事の重大さに気づく……仲間である以上離れてはいけない。特に自制心を失ったバーバリティは危険極まりない……。アレはもう狂犬なのだ……。

 バーバリティの足跡を頼りにヴァリアンズが全力疾走で続いて行った……。


「なんか、ヴァリアンズが……。」

 ロンガが慌ただしいヴァリアンズを指差す。

「ほっときなさい……もう、疲れた。」

 フォスノーラが疲れた顔で話す……。


「おい……シックス・アイズ……ヴァリアンズが……。」

 メラニアも同時に指を刺した……。

「え……どうゆうこと?」

 意味が分からずその方向を見ていた……。因みにシックス・アイズは変身が解けており全裸の状態になっている。

「とにかく、行ってくるわ……皆んなは待ってて。」

 シックス・アイズだけがとりあえず追う形になった。


 ——メイド達が向かってる事も知らずにフェンリルに咥えられ変な所へ投げられる。

「うわあああああああ!!」

 そこは洞穴でフェンリルの巣であると一瞬で分かった……周りには人骨が……やばい……。

「お、落ち着け!!ホネならくれてやる!!」

 骨を持ち巣穴の外目掛けて投げようとした瞬間だった。

「わんわん!!」

 巣穴の外からでなく後ろの岩の方をぶち破ってバーバリティが出てくる……どうなってんだ!!岩が厚すぎるだろ!!何がヤバイって壊す動作を一切してない……殴るとか体当たりとかそういうモーションをしてないのだ……ただ犬みたいに四足歩行で走り抜けただけ……マジでコイツはおかしい。

「ぎゃアアアアアアアアあああ!!」

 走ってきたバーバリティが背中に当たる……骨を変な所へ落としてしまった。

「うわ……すげ……。」

 その大きく空いた穴をカストディーアが感心して見ていた。

「と、とにかく助けてくれ!!」

 すると、今いる洞穴が振動し始める……まさか、砕けた所が悪かったか?

 天井から岩片が落ちてくる……まずいぞ……。

「バーバリティ!!出るぞ!!」

「わんわん!!」

『ガウガウ!!』

 お互いが睨み合っており、落ちてる骨を取り合ってる……。

「良いから逃げろおおおおおおお!!骨の取り合いしてんじゃねぇえええええええ!!」

 

「おおおおおおおおおおおお!!」

 彼女を無理やり抱き抱え外へ出ると……案の定岩が崩れ落ち、フェンリルと骨が下敷きになった……。

「あー!!なんて事するんですか!!」

「言ってる場合か!!」

 レベルがある程度高くとも岩の下敷きになれば大ダメージだ……焦るに決まってる。

「ゼェ……ゼェ……一体、どうしたって言うのよ……!急に走り出すんだから……。」

 奥から一人……出てきたのはシックス・アイズだった……。てか、何で裸?

 岩の瓦礫からフェンリルが姿を現す……口には骨が咥えられていた。

「あ!!それ、私のです!!」

「いや、俺のだし。」

「黙って下さい!あれは私の骨です!!」

「その前に俺の骨だ!!」

 よく分からないが、今度は僕と彼女とで骨の取り合いが始まる。

 

『グルルル……。』

 フェンリルが威嚇を開始した……戦う気か?

「え……なるほど……うーん。」

 バーバリティが会話をしている……犬だからね……てか、話せるんかい。

『バウバウ……』

「それは……ですが……。」

「おい、俺にも何て言ってるか教えてくれ。」

「何でも、本来守るべき召喚門を見失ったそうです……突如空から舞い降りた伝説の骨が地面に突き刺さり召喚門をうっかり開いてしまったようです。」

「あの骨やば過ぎだろ……特級呪物じゃねぇか。」

「一本だけだと思ったら、もう一本の存在に気付いたようでして……それを追い求め伝説のフェンリルになるために……」

「絶対最後の嘘だろ……言い当ててやろうか?コイツは単に骨が欲しかっただけで、帰り方を忘れただけだ。」

「そんな中、ご主人に出会い、例の骨を見つけたそうです……。餌も見つけたのでラッキーだったと。」

「え?俺を食う予定だったの?」

 すると、フェンリルがコクンと頷く……認めるのか……。

「あと、巣も壊れたので暫く泊めて欲しいと言ってます。」

「無理だ。」

「良いじゃないですか……私たちギルドメンバー枠は帝国に……」

「言うな言うな。無駄に言語理解してるからなコイツ……それに、うちはペット禁止だから。」

 飼うスペースが無い……もし仮に飼えたとしても外になる。

「良いってさ、ヘルカイザーカスタム3世。」

「おい、許可すんじゃねぇ!!てか、何だその名前!!」

『ガウガウ。』

「暫く世話になるって言ってます。」

「おい!!何勝手に飼おうとしてんだ?!そんなキャパありません!!」

 恐らくだが、以前バーバリティはギルドの仕事で犬の散歩をした……それが原因でペットを飼いたいという欲が出てきたのかもしれない。

「可哀想だと思いませんか?!お家壊されたんですよ?!」

「お前が壊したんだろ?!」

「私はデスパレードシュゲーテルをお家で飼いたい!!愛情持って育てるから!!良いでしょ……ご主人?だめ……?」

「自分で付けた名前忘れてんじゃねぇか!!何が愛情だ!!」

 子供が犬飼いたいみたいな顔でせがんで来る……それでもダメなものはダメだし名前忘れてる時点で命に責任持ててねぇよ……フェンリルだし、アイツ一匹でも何とかなるだろ?なので飼う必要は無い!!

 

「いけませんよ……ご主人……。」

 すると背後からシックス・アイズが抱きしめてくる……何だってんだ?

「私もMなので……飼われたい気持ちが分かるんです……。」

「あのさ……飼いたいのはあっちなんだよ。飼われたい訳じゃねぇんだよ。Mとペットを紐付けるな。」

 すると、手綱を渡される……何これ?

「はぁ……はぁ……私は人懐っこいドMなので……今日は一緒にお散歩しませんか?」

 シックス・アイズには首輪が……紐はそれと繋がっている……。

「私と一緒に野外プレイすれば……犬を飼いたい気持ちが分かるはずです……どうか、バーバリティの我儘を聞いてあげてください……。」

 ずっと息が乱れている……お前の欲求を満たす口実はやめろ。

「ありがとうシックス・アイズ!!私頑張ってお世話するね!!」

 すると、フェンリルの元へ……は?適当言って逃げやがって……。

「ま……って……。うぐ……。」

 体にシックス・アイズの毒が回る……まずい……。

 そのまま地面に倒れシックス・アイズの下敷きになる……。

「助けろ……お前ら……。」

 ヴァリアンズに助けを求めるしか……お願いだ……。

「どうせ……いいよ……私なんか……。」

 落胆したカストディーアがそっぽを向いて屋敷の方へ帰って行った。

「最低。」

 マリブルがカストディーアの肩を持ち始める……。

「私も節操の無い男は嫌いです。」

 と、グルージャが……おい?おかしいな……味方がいない?

「恋する乙女の前で浮気とか……おかしいと思わないの?」

 今度はプロファンダーレが……いや、おかしいのはお前らなんだよ。

「……浮気は私だけして欲しい。」

 ポンテ・モーレが意味わからん事を話す……どうゆう事?


 そしてシックス・アイズと僕だけに……は?

「ご主人様……いえ、将来の旦那様……今日は私……頑張ったんです……一人も殺さず倒したんですよ?」

 耳元でずっと囁いてくる……。

「え……ああ……うん……すごいと思う。」

「なので……今日はいっぱい私を愛してください……さぁ、立って……。仲直り野外露出ハードSMプレイしよ?」


 森の中を二人で歩く……リードをつけてデカいムカデを散歩させる。

「ふん……ふんぬ……熱い。」

「えぇ……(恐怖)」

「はぁ……はぁ……最近……妊活始めようと思いまして……どうでしょうか?」

「えぇ……(恐怖)」

「二人の時間を……いっぱい作りましょう……何でも、性的に興奮すれば……妊娠率が上がるそうですよ……。」

「えぇ……(恐怖)」

 そして、日が出るまで森の中を散歩した……『視姦されて気持ちいい』とか言ってるけど、誰もいねぇから……俺しか見てねぇしな……どさくさに紛れてガン見しただけだしな……。こんな事に意味は無いと思ったが一つだけ収穫が……シックス・アイズに女性器が二つ……意味が分からなかったが……当然下半身のムカデの基側板突起に一つ、それは分かるとして……人間部分の上半身の下腹部に……え?何これ……。

 深い意味は無いがどうやって……どこから……とか……いや、まぁ考えたんですけど……うーん……やっぱり考えるのをやめました……。


 ——屋敷に帰還すると……どっと疲れた……。

「あのさぁ……マジで飼うの?」

「はい、皆んなでお世話する事に決めました。」

 センシアと話しているのだが……。

「お散歩楽しいね!ドメスティックアサルト!」

「ガウガウ!」

 早速朝の散歩に興じるバーバリティとフェンリル……。

「ちゃんと世話するんだぞ?」

「はい、私達でガブ太郎をキチンとお世話致します。」

「ああ、まずは名前を統一させようか?」


 その後、ニュネイの母親についてセンシアからどうなったか聞かれる……。

「ニュネイから脅威は守られましたか?」

「多分一時的に退けられた……だが、俺たちはこの国に狙われている。」

「狙われている?」

「今回、ニュネイの母親であるルイールは鼻からニュネイが目的じゃなかった……狙いは俺達を排除する事にあったのさ。ルイールは王国の秘密治安維持局の人間だった。間違いなくここの場所が割れている。」

「……また脅威がやってきますね?」

「本当だよ。いつになったらスローライフを送れるんだろう?」

 もう一つ気掛かりな事が……悪魔暴走薬という存在だ。アレは危険極まりない。あの時受け取っておけば脅威への予防になっていたはずだが……まぁ、大丈夫だろう。

 

 ——その頃ルイールは向こう岸までたどり着いた……。

「ゼェ……ゼェ……やりましたわ……逃げ切る事に……。」

「だが、我々からは逃げられない。」

「な?!」

 周りには黒いマントを羽織った人間が複数人立っていた。

「あれだけの資金を渡しておいてこの様とはな……。局長がどんな顔をするか……。」

「仕方ないでしょ?!アイツらがおかしいのよ!!あと、私は局長の存在を知らない……身内ネタはやめて下さらない?!」

「挙句、我々の情報をベラベラと……減らず口もいい加減にしろ。」

「あれは、魔法か何かで……」

「これより然るべき刑を処す……我々の存在を知られた以上、表に出ずらくなった……貴様には死を持って償ってもらおう。」

 話してた男が後ろの人間にハンドサインを出す。

 前に出ると持っていたのは大きな斬首刀だった。

「待ちなさい!!これを割るわよ!!」

 ルイールが取り出したのは悪魔暴走薬……これを破壊すると主張する。

「ふん。」

 ただ余裕そうに振る舞うばかりだ、隣に一人来て耳打ちを行う……何を話してるのかルイールはさっぱりだ。

「……そうか。気が変わった……貴様は長年我々に使えてきた……命だけは助けてやる。」

「ほ……。」

「ただし、元旦那の隣でだ。拘束しろ。」

「ちょ……え?自由にはしてくれないの?!」

「当たり前だ。」

 悪魔暴走薬は取り返され、あたふたしてるウチに拘束される……行き先は王都アトロニクスの監獄……エントロのいる収監棟だ。


 三十四話へ続く……。

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