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死んで転生したら自作最強メイドNPC達と共に異世界攻略やろうとしたらゲームと全く違う世界線でした。  作者: 山田孝彦/ダーヤマ・タカヒコ
第二章 今のあなたに必要な事は仕事をする事でもショタの貞操を守る事でもありません。目の前の仲間を信じなさい。
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第二十五話 あの手この手モブおじの手と手と手は魔の手手の手でショタの手はお手手手の手で貞操の手。

 宴会が無事……いや、無事ではないが終わり、各貴族達は各々の所有する馬車に乗りその場を後にした……僕達はというと……。

「お願いだ!!手を貸してくれ!!モブおじからショタを守らないといけないんだ!!」

「協力ぐらいするけど、まずさ……『ショタコン』って何?」

 と、エナが話す。

「もちろん協力するさ、ハルマの為にな。で、『ショタコン』って何なのだ?」

 と、アリスが話す。

 という事で、エントロを成敗すべく例の部屋で何が起こったのかエナとアリスそして、マリーダとセンシアに説明しモブおじとショタコンの組み合わせの恐ろしさと脅威度を話す。

「それが……ショタコンっていう生き物なのね……。」

 エナが驚愕し震える……無理も無い……あれはフィクションだから良いものの……実際いたらヤバイのだからな……。

 ショタコン……それは正太郎コンプレックスの略であり、年端のいかない少年を見て興奮する奴らを指す。主に女性を指すが、昨今では男性も含まれる。てか、なんで鉄人から取ったのか……半ズボンの似合う少年は沢山いるだろう……未だに分からんよな。当時のアニメや漫画でも候補が色々あっただろうに、あえてそこを選ぶのは何故か……。

「いや、ショタコン自体危険じゃない。行動に起こすか起こさないかだ。」

「ん?」

 エナがよく分からん顔をする。

「と、とにかく……宰相エントロはエルリードの命(貞操)を狙ってる……これはなんとしてでも阻止しなくてはいけない。」

「え、ええ……そうね。」

 エナは何かと事態を理解し首を縦に振る。

「だが、どうするのだ……相手は宰相だ。私達のような貴族もとい貴族の子供ではどうにも出来んぞ。」

「うん……。」

 確かにアリスの言う通りだ、相手は宰相。日本で言えば総理大臣だ。早々簡単に近づく事は出来ない。

「ならば、彼女達を呼んではどうでしょう?」

 センシアがとある提案をする。

「彼女達……ああ。」

 この深夜帯ならノクターンズが活発に動くだろう。幸い彼女達は遠くから見れば人間に見えなくないし、住民の数もこの時間なら少ない。異種族がいると騒がれる事もないだろう。一応、ヘイムス・ヴィティズの連中も考えたが……彼女達の行き過ぎた奉仕によって取り返しのつかない事が起きてしまう事を懸念した。宰相の娘のような二の舞は御免だお。

「よし……ミトラス。」

 すると、上空からミトラスのワープホールが現れる。

 中から三人出てきた……三人?

「ぎゃ!!」

 落ちてきたのはサマニアとヤミコとロンガであり、ロンガは綺麗に着地しサマニアが尻に物理ダメージを喰らったようだ。ヤミコは実体がない為、着地……いや、そのまま夜の闇に溶け込んだ。

「おい……大丈夫か?てか、他の奴らは?」

「そ、それが……ソワレは最近元気が無くて……。」

 サマニアの説明を聞くにあの元気なソワレに限ってそんな事があるのか……主人として話を聞いてあげなくては。

「それで、フォスノーラは?」

「なんか、エロ本にハマったようでして……昼夜逆転して、健康的な生活をしています。」

「何してんだああああああああああ!!」

 実際問題、アダルトコンテンツというのは沼ると危険だ……僕も一時期仕事が手に付かなかった時があったし、3食チョコレートで過ごした事もあった。みんなも程々に楽しもう。


「まぁまぁ、良いじゃないですか。私達は山崎ファミリアですよ。宰相ぐらいワンパンです。」

 センシアが『パシッパシッ』と右手拳を左手の平に打ち付けている……いや、二回なんよ。


「てか、親父さん達大丈夫なの?」

 そういえば、アリスの父親であるダン伯爵が帰って来ない……エナもいるのだからレナード男爵もいるだろう。

「んーもうすぐ帰ってくると思うけど……。」

 エナが顔を顰める……。


 ——一方でダン伯爵がいる王宮では……。

「さて……その地域をレナード、お前が領主になる事は認める。ただな……。」

 円卓にレナードとダン、そしてアルガニーテ本人が座っていた。

「ただ?」

「お前らの地域に謎の建物が建っているが……あれは何なのだ?」

「さぁ……。」

「詐欺師の貴様に言っても無駄か……ダン、お前は口を割る賢い部類か?」

「申し訳ございませんが、私も分かりかねます。」

「良い加減にしろ……何時間黙秘するつもりだ?」

 彼らが呼ばれた経緯はマルクレイブ領の引き継ぎをして新たにレナード領への手続きだったのだが、アルガニーテ本人はそのついでとして山崎ファミリアの建物を気にしていた。

「申し訳ありませんが、娘が待ってますので……これ以上長居は出来ません。」

 ダンが席を立とうとする。

「あくまでもシラを切るか。」

 アルガニーテは右手をゆっくり上げると、出口に居た衛兵二人が槍で扉を塞ぐ。

「……。」

「良いか?あれは、未知の存在だ。危険なのだよ……ダイナモウス神の掟に反する。異なる種族、文化、教養、そして宗教……持ち込む訳にはいかん。」

 その時、扉が勢い良く開く。槍で塞いでた兵士は咄嗟に槍を引っ込めた……そして、出てきたのは伝達兵。

「申し上げます!!エルリード様の屋敷内に大量のスケルトンが!!」

「何?!」

 アルガニーテが驚き立ち上がる。

「何故か、エルリード様のいる屋敷から召喚門が……それが原因かと……。」

「な、何だと……。」

 アルガニーテの膝が落ちる。

「陛下……。」

 ダンは心配する。

「このままでは……このままでは……エルリードが……。まさか本当にエントロが……。」

 そして、意を決して目を開く。

「エルリードを守れえええええええええ!!傷一つ付けんじゃねぇええええええええええ!!純白な体を死守せよおおおおおおおおおおおおおおおお!!青少年のエロい体を狙いやがってコンチキショおおおおおおおおおおお!!」

「「え?」」

 間違ってないはずだが……なんかこう……違和感がある。

 

 ——と、このように王宮ではイベントが発生していたが……。

『た、助けてくれええええええええ!!』

 エルリードの屋敷内で私兵の声が響くと同時に戦闘をしている音が響き渡る。

「一体なんだ?」

 魔力感知のスキルで屋敷内に召喚門が現れた事に気づく……このままではエルリードが……。

「許さん……許さんぞ……。」

「ど、どうしましたか?」

 マリーダが心配する。

「許さんぞおおおおおおおおおお!!このショタコンがああああああ!!青少年の純白な体に傷を付けようってか?!ふざけんじゃねぇえええええええええ!!こんのクソボケがあああアアアアアアア!!」

「わ、びっくりした。」

 ヤミコが驚いたのと何を言ってるのか分からなかったらしい。

「おまえらあああああああああ!!突撃じゃああああああ!!」

「いや、なんの為に私ら呼んだんだよ。」

 ヤミコのツッコミは聞こえない……とりあえず青少年の貞操が危ないと俺の第六感が反応している!!

 早速、閉じられた扉を蹴破り中へ突撃した……単身で。

「「ええ……。」」

 それを見て皆んな困惑した。

「と、とにかく……私達も行きましょう。」

 サマニアが空気を読もうとしたのか、後に続いて中へ……。

「私達も行こうか……ロンガ……。」

「あ、ああ……。」

 そして、ヤミコとロンガも後に続いて行った。

「私達はどうする?」

 エナも急な出来事で困惑……。

「いや、まぁ……エルリード様が危機ならば助ける他ないだろう。」

「そ、そうね……。」

 そして残ったメンバーも中へ入っていった。


 ——中へ入ると宴会のような華やかさは皆無で周りに多くの私兵が倒れていた。

 その中を突っ切るように走りさっきまで居たホールへ入る。

 中は既に数多くのスケルトンで溢れており、発生源である召喚門が出現していた。

「おかしい……。」

 それもそのはず、以前試験の時の説明を思い出したが、メルトケーレ近くの森が発生源ではないのか……突然の出現は不自然という見方も出来る、それならば……やはりエントロは……。

「そこの平凡!早く逃げんるんだ!!ここは時期に大量の上位スケルトンで溢れかえる!!ぐば!!」

 そのスケルトンと攻防していた兵士が斬られる……スケルトンは甲冑により身を守っており、サビ一つすら見られない綺麗な剣を携えていた……他にも盾やら槍……弓を持っているスケルトンも見受けられる。

「ん……。」

 凝視する……レベルはどれも30程……敵では無いが数が多すぎる……。

 すると、後ろから外に居たメンバーが合流する。

「さて……私達の出番だな。」

「一応恩はあるし……返してあげる。」

 アリスとエナが前に出る。

 

 アリスは兵士から拾った剣を使いスケルトンを倒しまくる、エナは大魔導士の血を引いてるとだけあって巨大な炎で攻撃する。敵は倒れていくけど、召喚門がある限り増えていく……やはり元を断つに限るな。

「プリセット4に変更。」

 魔法系の装備に変わる。

「レストオブチェーン。」

 召喚門に鎖が巻き付く。だが、封印した訳じゃない。敵の出現を抑える役割でしかない。

「ノクターンズはエントロを探せ、見つけ次第エルリードを救出するんだ。」

「つっても……エントロとかエルリードってどんな姿なんだ?」

 ヤミコは難色を示す。分からなくて当然か。

「……おっさんとショタ。」

「ショタ?」

「あれですよ、前に見た。」

 サマニアが説明する。

「ああ、岩場で裸になってたヤツか。」

 サマニアの説明を理解したようで直ぐに行動を移した……やっぱり見たんだ……。

「上の階は敵がいるかもしれない、戦っている兵士を見つけたら助けろ。」

「おいっす。」

 ノクターンズの面々は直ぐに行動を開始した。直ぐにエントロは見つかるはずだ。

「私達は如何なさいますか、ご主人様?」

「センシアは前に出てスケルトンを殲滅しろ、マリーダは後ろで待機だ。」

「承知しました。」

 

 センシアが前に出るとスケルトンが襲ってくる。

「さて、久しぶりの戦闘です。」

 スケルトンが剣で切り掛かってくると指でつまむ。剣を動かそうとしてもびくともしない。

「全く……レベルが30ではこの程度でしょう……。」

 剣を指で折ると蹴りを打ち込む……吹っ飛んだスケルトンは周りの敵も巻き込み壁へ大きな音をたてて衝突した。

「退屈しのぎにもなりませんね……。」

 続いて槍を持った敵が接近する。

 突いてきた槍を華麗に避けると棒の部分を手に持って顎を蹴り上げる……頭部は天井まで吹っ飛び、めり込んだ。

「次は5体で来ます?」

 回り込んでセンシアを囲むが本人の表情は変わらない……一斉に襲い掛かると奪った槍を使いスケルトンを一掃する。

「私の場合、武器レベルは全てカンストしてます。何を扱ってもそれ相応の力を引き出せますよ?」

 センシアは全ての武器レベルがカンスト……職業に『オールウェポンユーザー(上級職)』が存在するが、センシアには付けなかった。これがあると武器を装備した際カンストした武器レベルはダメージ二倍になるが、同時に魔力の低下やスピードが半減したりと渋かった。それも考慮しセンシアには付けなかった。

 アリスとエナを相手にしていたスケルトンはセンシアという脅威を確認しターゲットを変更した。

「……何体来ようと変わりませんがね……。」

 奪った槍を床に捨てる。

「重力魔法レベル2……オーバーグラビティ。」

 すると、接近してきたスケルトン達が急に膝まつく、次第に体が床へとめり込んでいく……。

「ハル様、まだ時間がかかりそうですか?」

「今やってる!」

「とにかく、私達の敵ではありません。レベル3まで引き上げます。」

 そして、周辺の敵は重い重力によって押し潰されて死んだ。

「おっと……レベルが上がりましたね……。どうやら、レベル上限なんて関係ないようで……。」

 センシアは2番目に作られたメイド……このファミリアにおいて山崎春馬の次に偉いポジションにいる、そのため強さも比較にならない程だ……ヘイムス・ヴィティズのメラニア・ピュティスと同格あるいはそれ以上の実力を秘めている。


「クリアーオブジェクト!」

 召喚門の下に魔法陣を生成する、その中に扉が沈んでいく……いわゆる除去魔法の一つであり敵にも使えるが、FOOでは建物やオブジェを用いて対戦することもある、それらを除去する事も出来る魔法だが、習得にはそれ相応のレベルが必要でありMPもたくさん食う。おまけに発動までに時間もかかる為『タンク』要員に守られながら発動するのが鉄則だ。

 ホールは全て片付いた……あと残すのは上の階か。

「私達……。」

「うん……。」

 圧倒的力を前にエナとアリスは顔を合わせた……。


 ——一方でエントロの秘密の部屋では……。

 ベッドの上ではエルリードと少年の獣人が仲良く寝ていた。それを舐めるようにパンツ一丁の姿でエントロは見ている。

「はぁ……はぁ……クンクン……うアアアアアアアあ!!素晴らしいぃ……この匂い……青臭さという表現が一番合っているな……このどことなく甘い匂いにガサツで無頓着な野生な匂い……子供の汗というか何というか……ちんこに響く……こんのショタガキの匂いが堪らん……さて……ズボンの方はどうかな……やはり、ここはちと大人っぽいな……ぐふふふふふっふふ……」

 いやらしい手つきでショタの体を触るエントロ……陰茎が陰茎するようなもはや陰茎という何かが陰茎してもおかしくなく、このまま陰茎が陰茎した場合陰茎という行動起こせば陰茎だ。

「ンッン-!!ケモショタはヤバイな……これは、もう……うぐ……ああ……サイベリアンの胸元というべきか……サイベリアンがサイベリアンしてサイベリアンを吸っても結局はサイベリアンはサイベリアンだったという……とにかく……サイベリアンを擬人化したような……サイベリアンなのだ……。」

 そして、自分なりの前戯が終わったのか……戦闘体制に入り始める……。

「これ以上は時間をかけられん……今しかないのだ……ワシのチンコが叫んでおる……魂がそこに移るような……ガチガチに締まった穴を求めるのは本能そのもの……知恵の輪ズリで鍛えたこの……く……我慢できん……うおおおおおおおおお!!」

『パシャリ』

 という音がした瞬間、エントロは振り向いた。

「ハッ!?」

 ノクターンズのメンバーが3人……。そして、ヤミコは口を開く。

「えっと……24時34分……不同意わいせつ罪に児童ポルノ法違反によって現行犯逮捕っすね。」

 ヤミコはドッペルゲンガーなため姿を変えられる。それっぽい雰囲気になりたかったようで……婦警の格好をして手にはFOOのスクリーンショットのカメラを手に持っていた。

「き、貴様ら……どうやって入ってきた?!どうしてここが分かったのだ!!」

 というのも、エントロの秘密の部屋は上階に位置こそするが。扉は存在せず柱を動かして初めて部屋が出現する……いわゆる隠し部屋だったのだ。

「いや、まぁ壁が薄いし……。他の通路もあるし……。」

 ヤミコはやれやれと話す。

 皆んな隠密に特化してる事もあり、ヤミコは隙間に入って侵入できるしロンガは他に隠された通路を発見できる、サマニアはその後を付いて行けばという感じだ。

「くそ……上位スケルトン!!ゴーストもだ!!敵を倒せ!!」

「味方はもう来ない……。」

 ロンガが前に出て短刀を構える。

「なんだと?」

「上の階にある召喚門は破壊した……残った敵も私達にかかれば些細な問題にもならない。」

「くそ……くそ……今しかなかったのだ……エルリードを……くそ……。」

 エントロが悔しがる、意図こそ分からないが怪しい。

「だがな……チャンスまた作れば良い!!」

 エントロがパンツの中に手を突っ込むと謎のアイテムを取り出す。

「「「うわ……。」」」

 お三方はその光景に引く。

「デモンズゲート!!オープン!!」

 手に持っていたのは魔界結晶石と呼ばれるもの……あれで召喚門を召喚していたのだ。

 その秘密の部屋は吹き飛ぶ……直ぐに察知したノクターンズは崩壊した壁へ直ぐに逃げた……姿を表したのは一回り大きい召喚門だった。

 エントロの身体能力は不思議と高く、屋根の上に立って笑っている。

「グハハハハハ!!」

 両脇にはショタを抱えており、そのまま逃げ出す気だろうか。

 

 ——大きな音がしたので、外へ……。

「なんだあの変態……。」

 屋根にはエントロが……両脇にショタを抱えている……。マジでどういう……ヤバすぎるという感想しか出てこない。

「貴様か……私の計画を邪魔しておってからに……。」

 エントロが僕を見るなり嫌な顔をしてくる……。

「いや、そんな事よか話が全然入ってこねぇけど……。」

 パンツ一丁で両脇にショタ抱えて屋根に立ってるとか……思考停止するわ。

「私はな!!ショタに愛情を注ぎ心を許した時が来るのを待っていたのだ!!それを利用し、裸の付き合いという神聖な……」

「ああ……全部言っちゃたよ……しかも内容が犯罪レベルなんよ……変態以前の問題だろそれ。」

「目を覚ました時……私というモブおじが受け入れてくれる瞬間を待っていたのだ……にも関わらず……なんなのだ!!朝まで待ってろよ!!バカくそウンこがよおおおおおおおおおおおおお!!」

「えぇ……。」

 最後は自暴自棄というか幼稚な……てか、うんこって二回言ってるしな……。

「だが、貴様らもここまでだ!!エルリードの純潔を生贄とし我が娘を生き返らせる!!」

「ん?ちょっと待って?なんて言った?!」

 結構衝撃的な事言ったぞ……重要な何かを……。一瞬過ぎて話が聞こえなかった。

「やってしまえ!!ジャイアントゴーレム!!」

 門からどデカいゴーレムが出てくる……あれはFOOのゴーレムだ、エルリードの屋敷は振動し崩壊していく……。

「う……うお……マズイ……。」

 エントロが体勢を崩す……このままではショタに怪我を……。

「サマニア!!二人を回収しろ!!」

「はい!」

 サマニアが飛び立ちエントロの前に立ちはだかる……。

「うわ!!」

 びっくりしたのか、両脇に抱えたショタが落ちると素早くサマニアが回収する。

「おのれ……うわああああああああああああ!!」

 エントロは無惨にも屋根から転落する……助かるだろうか?


「とにかく、二回戦だ!!いくぞ!!」

 出てきたジャイアントゴーレムのレベルは74と類を見ない程強い……メイドに怪我をさせない采配をしなければ。

「サマニアは二人をそのまま安全な所へ移動させろ!!」

「はーい!!ふへへへ……」

 サマニアが遠くへ飛んでいく……なんか嬉しそうだったが……まぁ、勝手に戻ってくるだろう。

「ロンガ!!陽動せよ!!」

「御意。」

 ロンガが屋根に登りゴーレムと同じ目線に立つ。

「影分身……」

 すると、10体以上の分身を出現させる……。

 ゴーレムは標的を目で追おうとするが数が多くおまけに速いため付いて行けない……。

「食らえ。」

 分身したロンガが鉤縄を投げてゴーレムの体を絡めるとしばらく身動きができなくなってうつ伏せに倒れる。

 本体のロンガは煙玉を撒いてゴーレムの視界を低下させた。

「よし……ヤミコ。お前は中心のコアを叩け。俺が道を作る。」

「はいよ。」

 ヤミコが服の中へ入る。

「プリセット2に変更。」

 ゴーレムに近づきながら格闘系の装備に変更する。

「発勁レベル5!」

 ゴーレムの左胸の辺りに手を翳し衝撃を加えるが、防御力が信じられない程高かった……。

「クソが!!」

 さらに少しひび割れたところに拳を打ち込むも中々伝わらない。

「センシア!!」

「仰せのままに。」

 センシアが高く飛び上がりゴーレムの背中目掛けて巨大な戦鎚を振り下げる。

 すると、ヒビが徐々に広がる。

「ハルマ!!」

 エナがパワー系バフを掛けてくれる、この状況では有り難い。

「スタミナを回復します!」

 次にマリーダがスタミナの回復を施してくれる……これならばもう一発大きいのをお見舞いできそうだ。

「食らえ!!」

「喰らいなさい!!」

 センシアの戦鎚と己の拳が同時に攻撃するとヒビが胸のコアまで入る……そこを叩けばゴーレムは消失する。

「いけ!!ヤミコ!」

 そのヒビの隙間を縫って中心のコアまで辿り着く。

「即死魔法レベル5……ハートオブデス。」

 その瞬間、ゴーレムはチリになり砂埃が舞った。

 

「結構骨が折れたかな……。」

 強敵だった……相手がFOOのゴーレムなのが不幸中の幸。そもそも何でFOOのゴーレムが?

「てか、エントロは?」

 肝心の奴を追わなければ……。彼が最後あたりに言った言葉がなんなのか……もとい何の為にエルリード達を利用しようとしたのか聞かなければいけない。


 ——ハルマ達の戦いが決まると小さい路地に一人の人影が慎重に足を進めていた……。

「くそ……これでは……私の目的が……。」

 エントロはボロボロになった体で歩みを進める。

「待て。」

 目の前に現れたのはアリスであり、エントロが落ちた場所をくまなく探していた。

「お前は……マネット家の……くそ……許さんぞ……貴様だけのうのうと生きている……それは何故だ?」

「何を言って……。」

「お前は分かってないようだな!私の娘であるニュネイは行方不明……そう扱ってるが……メルトケーレの惨状を見れば死んだと私は確信した!!中には人の形が残ってない遺体もあったのだ……きっとそれに……」

 エントロは徐々に弱々しくなっていった。

「私は貴様が……いや、貴様らが憎い。聖王国め……私らは代々悪魔の家系なのだ……それが何を意味してるか分かっているか?」

「『悪魔家系』……。」

「……私の血には悪魔の……母方だがな、私の父親が何を思ったのか……悪魔と子を成した……運命かどうか分からなかったが貴族だった……恐らく後継がいなかったのだろう……私の母を殺し、あたかも普通の人間のように私を扱った……だが、周りと違う事ぐらい私は分かっていたよ。」

「なんて勝手な……」

「そうだ!だからこそ私はこの国を恨んだ!王国の内部崩壊を目指してな!!悪魔界に赴きマルクレイブの王国離反を促したのも私だ!!だがな……所詮私は人間なのだ。娘が生まれれば私の野望に巻き込みたくないという情が出てしまった……この子だけでも真っ当に人間として、尚且つ悪魔の血を引いていると一生気付かぬようにな……だが……。」

 エントロの目が活き、想いが宿る。

「娘は消えた!!それは何故か!!私には分からない!!彼女は騎士になりたいと言った!だからこそ応援した!!だが、待っていた結果は何だ?!配属先はマルクレイブ近衛騎士団……そうだ!お前が率いていながら私の娘は死んだのだ!!」

 それはまるで自分のした事が帰ってきた結末だったと頭では分かっているが、エントロ自身も納得は出来なかった。

 

「私だって……思う所はある……。」

 アリスが目線を下にやる。

「お前さんは洗脳されていた……仕方が無い……だがな、殺された事に変わりは無い。恨んださ……貴様を……。そんな時とある古文書を悪魔界から引っ張り出したのだ……。」

「古文書?」

 エントロはパンツの中からナイフと瓶を取り出す。

「それは……聖者の血をこの瓶に詰めて儀式を施す……さすれば、対象を生き返らせる……たとえ、肉片が無くとも蘇生が可能なのだ……私の目的は鼻から娘を生き返らせる……それしか頭にない……。」

「そうか……だから、エルリード様を!」

「そうだ……彼は聖王の甥っ子……そして貴様は……。」

「くっ……!」

 アリスは急いで剣を抜くが話に引き込まれていた為にエントロより遅かった。

「貴様は聖女の娘だ!!」

 ナイフがアリスに刺しかかる瞬間だった。

 

「そこまでだ!!」

 エントロの背後からダン伯爵が現れ、剣で背中を斬る。

「がアアアアアアア!!」

 エントロはうつ伏せで倒れ込む……背中はパックリといかれており血が止まらない。

「父さん!」

「すまない、盗み聞くつもりはなかったんだが……言質は取らせてもらった。」

 そして、聖王本人と兵士がゾロゾロと大軍でやって来る、狭い路地にぎゅうぎゅうになってエントロを囲んだ。

「まさか……エントロ。お前が……エルリードに近づいたのもそれか?」

 アルガニーテが怖い顔をしながら話す。

「ああ……そうだ……私にとっては娘が全てだ。出来ることなら何でもする。この命に変えてもだ!」

「……連れて行け。」

 アルガニーテが兵士に指示を出す。

「ま、待て。宰相……いやエントロ。」

 アリスが連れて行こうとする兵士を一旦止めエントロに質問を投げかける。

「エルリード様以外にももう一人男児を連れて行こうとしたが……あれは?」

「何……意味なんて無い。ただの趣味だよ。」

 それだけ言い残し今度こそ行ってしまった。


 ——とある廃屋。

 安っぽいベッドにエルリードと獣人の少年を横たわらせる。

「ぐへへへへへへへへへ……リアルショタ……ふへへへへへへへ……ここは異世界……何したって良いに決まってる……さて、精通してるかなー、なんつって……じぇじぇじぇ〜!ダハハハハハハハハハハハ!!」

『パシャリ』

「ハッ?!」

「サマニア、それ犯罪だからな?」

 やけに帰りが遅いと思って来てみれば……臆病な奴が無敵になる前に阻止して良かったと思う。

 

 二十六話へ続く……。

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