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新たな大地に花束を  作者: 高速左フック
第十章 ハヤタ、解体新書
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第九十六話

 「シンプルな話だよ、天井が高いからだ」


 ハヤタの答えが、あまりにも単純すぎて、全然、意味のわからないモノだったらしいのが、彼にもわかったので、


 「もう少し進めた先にわかる、映像を進めた方がいいな」


 そう言って、廊下を歩く昔のハヤタの映像は、あまりにもキョロキョロしすぎて…


 「落着きないな、コイツ…」


 自分でも呆れてしまう。


 「わからんでもないけど…」


 そして、ハヤタは映像にある、心拍数や脈拍を指さし、ハヤタは答えた。


 「コレが答えだよ」


 映像のハヤタが『ある人物』を見た途端、その数値が爆発的に跳ね上がると、ヒルデはまだわからないようだった。


 「ていうか、これ、貴方の持病じゃない?」


 「持病って、そんな大げさな」


 「ベア恐怖症じゃない、あなた、この持病だけは克服出来なかったわよね?」


 「あんた等には、わかってほしいけど…。


 わからんか…」


 ハヤタは医療関係者の席をながめ、『ベア』を発見した。


 「あ、いた。


 ベアさんだ」


 ハヤタは『ちょっと、立って』と、その医師に起立を促す。


 すると、そのベアという医師の、


 大柄な体格が起き上がる。


 「ええと、さっきの疑問の回答に戻るけどさ。


 この人くらいの体格が廊下を歩くんだから、その廊下って、天井が高いわけだ。


 その高さに慣れなくてな、天井を見たりするんだよ」


 ハヤタは悪気はないと、ベアに謝るのをみて答えた。


 「そして、見慣れない異星人をみると、まあ、映像のハヤタくんは、当然、脈拍は上がるわけだな。


 レッドコードですよ」


 「レッドコードだすと何がダメなんだよ?」


 「このヒルデって医師から、我慢してねって、注意される」


 「あのベア医師を見るたびに、レッドだすのは貴方が説明からわかるけど、前から思ってたんだけど、貴方、時折、失礼なトコロがあるわよね。


 アンタの近所にも、クオウってオオカミ男がいるじゃない?


 何を緊張する事があるのよ?」


 ヒルデは肩をすくめるが、ハヤタは一生慣れない緊張感が身体を強ばらせる。


 このベアという人物、白衣を着てる分、医療関係者であるのは間違いないのだが…。


 先ほど、大柄な体格というのは、身長はおそらく、リッカよりでかいので、体重300を軽く超すであろう。


 クマ男。


 文字通り『クマ』なのだ。


 緊張しない訳がない。


 「いいか、オオカミ男は現実味がない分、まだ着ぐるみ感覚で見れる。


 『おっ』ってな。


 でもな、ベアさんはな。


 クマなんだよ、クマ、そのものなんだよ。


 俺らの住む惑星で、クマはダメなんだ…


 『うわっ』ってなる」


 「そういえば、アンタの惑星の人たち全員、ベアさん見るたびにレッドコードだしてたわね」


 異星人相手に、失礼なのは承知なのだが、ハヤタは謝るしかない。


 そして、このベアという医師もノリが良いのか、両手を広げて、威嚇のポーズを見せる。


 「惑星が違っても、威嚇のポーズは変わらないんだな?」

 

 「ちなみにほぼ毎日、ベアさんと、あえて鉢合わせるように仕向けてたけど、毎日、レッドコードだしてるわね」


 「やっぱり、仕向けてたんだ…」


 「それはそうよ、この視界教育の意味は、これから始まる、生活環境の慣れてもらう事でもあるのよ。


 見てる分、面白かったけど…」


 映像ではハヤタがベアに対して、平常心を保とうとしていたのだが…。


 日付が変わるたびに、


 鉢合わせて『ピー』


 挨拶してても『ピー』


 黄昏てても『ピー』


 『ピー』というレッドコードの音の度に、ベアは格好を変える芸達者ぶりを見せる。


 「せめて、会話くらい出来るようになった、俺の努力は認めてほしい」


 「私たちが、ここでわかったのは、被害を及ぼす動物は、一生、慣れないのだけね」


 『きゅるーん』と可愛くベアは鼻を鳴らしハヤタを見つめるが、おそらく何度やっても、突然、現れたら、レッドコードが高鳴ってる事だろう。


 「ベアさん、ごめんなさい。


 ホント、ごめんなさい」


 生徒一同にハヤタは、盛大にブーイングを浴びせられるので、ハヤタは反論する。


 「この惑星は害獣対策が充実してるから、お前らにはわからんだろうがな。


 クマはあかんのよ」


 ハヤタはベアを見て答えるが、ベアがからかうように変顔をしてみせるが、


 クマなのである。


 「害獣だからな」


 「もう少し言い方をオブラートにつつみなさい。


 でも、次の教育はクリアしてるはよね」


 「え、そんなのあったのか?」



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