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九条芹奈の決意

前回の続き、芹奈目線です。


「はぁ……。」


私はため息をつきました。


……権力のある奴は、何もかもがくだらねぇ、です。

これも龍司様のセリフ、でしたね。

しかし、その言葉はまさに今、私の気持ちを表していました。


私は、葛木茂さんを見ました。

今日、私が告白をする人です。

とても、綺麗な顔をした人でした。


でも、私は彼になんの興味もありません。

ただの、母様の命令です。


私は、母様には逆らえません。

それは、力が、権力が、財力が、あまりにもかけ離れすぎていたからです。

龍司様だったら、勝てない相手には挑みません。

だから、私は母に逆らえません。

言うなれば、私は母のための操り人形なのです。


放課後、私は裏門に彼を呼び出すことにしましたが、その前に

彼を尾行してみることにしました。


すると、驚きの話を聞いたのです。



「葛木、お前最近調子が落ちているな。怪我だが何だか知らないが、お前は今、

相当危ないぞ。」


「はい、監督。わかっています。しかし…」


「何の理由があろうが知ったことはない。次だ。次の大会で負けたら、お前は1軍を

落ちてもらう。」


「しかし!監督!」


「これは決定事項だ。何を言っても変わらん。」


「そんな…!」


監督さんは、無慈悲に去っていきます。

葛木さんは「失望した」といった様子で、トボトボと廊下を歩いて行きました。


「クソっ、なんでだよ…。オレは、オレは結果を出してきたじゃねぇか……」


とブツクサ言っていました。

同情します。

でも、−10点です。

監督さんへ不満を漏らすのには、感心しません。

龍司様は、どんな事があっても相手に文句は言いません。


さらにその途中、彼の肩が女子生徒の肩にぶつかりました。

その生徒は、おどおどとしていましたが、葛木は軽く睨み、わざと大きな音を立てて、「チッ」と、舌を打ちました。


女子生徒に向かって八つ当たりなんて、−40点です。龍司様は、何があっても冷静で、他人に当たったりなんてしません。




彼は、ようやく待ち合わせの場所に到着しました。

裏門の近くの大きな木です。

しかし、ここでも彼は悪態をつきました。


「……葛木茂さん。」


「あ?何だよ。オレに何の用だ?

オレは今、忙しいんだ。一分以内に話せ。

一分超えたら、お前のことを殴る。

つまらない話でも、ぶん殴る。

あと、もしここで今言った事を話したら、…お前はどうなっても知らねぇ。

……オレの家、葛木財閥は知っているだろ?」


彼は威圧的な言葉をかけています。

言葉遣いも普段とは別人のようです。

やはり、普段は猫を被っていたのでしょうか?


しかし、それは私にとって問題ではありません。

大事なのはとある一点。


あぁ、彼はついに言ってしまったのです。


彼は、私に対して権力、


龍司様は、権力を使って、相手を脅すような奴が大嫌いなのです。

-100点、いや、+−500点です。


彼は、もうダメですね。

私の中で、彼の評価が急降下していきます。

さながら、墜落している飛行機の様です。


私は、龍司様ならこう言うだろう、こうであって欲しいと想像しながら、

自然と言葉を紡ぎます。


「私は、芹奈・ティウス・グランツと申します。今日、貴方に告白するつもりでした。

が、辞めました。貴方とは、仲良くはなりません。龍司様でも、そうします。」


「……えっ?……はっ? ん?……龍司? お前は何を言っている?」


何故か、彼はとても驚いています。

何か変なことを言ったでしょうか。ありのままの真実を話しただけですが。

取り敢えず、彼が困惑している間に素早く撤収します。



しばらく経ったあと、私は使われていない部室の一つで、休んでいました。


そして、冷えた頭で考えます。


……。


はぁ……ついにヤッてしまいました。 

私は、母様に、逆らってしまいました。


いつかはヤッちゃう気がする……とは思っていましたが、

カッとなってやってしまいました。


母様は恐ろしい人です。必要とあれば、殺人をも厭わない。

目的のためなら、他人を蹴落とす自己中です。

それは娘の私にも適用されます。


もし、バレたら、どうしましょう。


いえ、母様は、必ず気づきます。

学校内には彼を監視するための関係者が、たくさんいるでしょう。


結局、私は最後まで龍司様にはなれなかったのでしょうか。


母様に逆らうこともできず、 言われた通り告白することもできず。

中途半端な反抗しかできませんでした。




しかしその時でした。


ふと、一つの考えが脳裏をよぎります。


——いっそのこと、ぶっ倒してしまおう。


私の頭の中で、龍司様が不敵に笑います。


あぁ、そうでした。


龍司様は、諦めません。

途中で投げ出したり、諦めたりしません。


ならば私も、そうします。


ですがその前に、です。私は旧校舎に行きました。

そして、信頼できる女子生徒にお願いして、噂好きの情報屋に


「葛木は前回の地区大会でかなり大きな故障を起こしたらしい。だが次の紅白戦で星を出せねば、2軍落ちが決まってしまい精神的に追い詰められている」


という情報を伝えさせることにしました。


情報屋、ちょっとかっこいいですよね。憧れます。


……。


……そして、ふと、冷静になります。


いえ、先程から冷静でしたが、現実的な思考が動き始めたと言うべきでしょうか。


………私、相当やばいことをしてしまいました?



「はぁ……。このあと、本当に、どうしましょう。」


家に帰るわけにはいきませんし……何処かに泊まるにしても手持ちの現金では3〜4泊ほどが限界です


本当に、権力のある奴は、何もかもがくだらねぇ、です。


芹奈(九条・芹奈・ティウス・グランツ)の名前の元ネタは、セリヌンティウス(走れメロスの友人)です。

九条は気づいたら出てきました。グランツはドイツ語のGlanz(栄光とか)。


ちなみに芹奈は自分のことは棚に上げています。


芹奈編はまだ続くよ。


★このエピソードのタイトル募集中★

九条芹奈の〇〇

の形でお願いします。その後に〜〇〇〇〜みたいなのもおk。


明日も更新します。

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― 新着の感想 ―
芹奈はだいぶ過激な思考なんですね〜。 (・∀・) こうして情報屋にリークされたのか。なるほど。 _φ(・_・ 母親に逆らって生きていけるのかな? (´・ω・`)
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