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リニューアルエドモント

(こんこんこん)

「エリーザです。お着替えを手伝いに参りました」

使用人のノックの音で目が覚める。


エリーザという若いメイドが、着替えを手伝う。

洋服のボタンを外し、服を着せ替えられる。


エドモント、こんな事をメイドにさせていたのか……。


少々恥ずかしいが、これは悪くない気がする。


自分でするから。

と言いそうになったが、これは、そのままにしておこう。


「旦那様、お加減は良くなられましたか?」

エリーザは言った。


「そうだな。だいぶ良くなった」

俺は言った。


「それは良かったです。

なにかございましたら、なんなりとお申し付けください」

エリーザは言った。


「じゃあ。回復を兼ねて、屋敷を案内してもらいたい」

俺は言った。


「承知いたしました」

エリーザは言った。


一晩寝て、気持ち悪さは、ずいぶん解消した。

俺はエリーザに連れられて、屋敷のあちこちを見て回る。


恐ろしく派手だ。

ここはもともと貴族の邸宅だったところを、俺が買い取ったみたいで、

邸宅の備品は、あちこちから買ってきた物のようだった。


「エリーザ。うちは飾りが多いが、掃除は大変ではないか?」

俺は尋ねた。


「お気遣いありがとうございます。大丈夫です」

エリーザは言った。


そうか……、

この聞き方だと、本音は出ないな。


「うちの備品は高価なものが多い。扱う時に緊張して、その緊張で疲れが来たりしないか?」

俺は言った。


「そうですね。やはり緊張はいたします。疲れは来ますが、お仕事ですので、大丈夫です」

エリーザは答えた。


そうか……、

やはり緊張はするか。


「仮にだが……。

このような備品がない部屋だと、スムーズに仕事ができたりするものか?

リラックスして仕事ができたりとかするものか?」

俺は言った。


「身分の高い方の家ですから、高級な物があるのは当然。私はそのような認識でおりますが、仮にこういった備品がない部屋だと、スムーズに仕事ができたりはするかとは、思います」

エリーザは言った。


やはり、掃除とかが、面倒そうだな。

これはボトルネックになっているに違いない。

俺はそう確信した。


俺は似たようなスタイルの客間をふたつ見つけ、

片方の備品などを別の部屋に移動させた。

そして、エリーザ達使用人一同を集め命じた。


「今から、この部屋の掃除をしろ」


「はい」

使用人は掃除を開始する。

俺はそれぞれ時間を計測する。


①備品が沢山ある部屋=30分

②備品が最低限の部屋=10分


という事がわかった。


俺は言った。

「①の部屋は30分かかる。②の部屋は10分で済む。

だから、

今後はどうしても必要な場合を除いては、②の部屋のスタイルで行う」


使用人から、動揺が伝わってくる。


「旦那様……、

ということは、この中の誰かがお暇を取らされるという事でしょうか」

エリーザは怯えながら言った。


使用人は、皆心配そうにしていた。


「いや……、

違う。

浮いた時間や、

浮いた人は、

他の職務をしてもらう」

と俺は言った。


使用人から、安堵の声が聞こえる。


「旦那、

どんな仕事なんですか?」

とロックは言った。


俺は考えた。

まったくのノープランだった。

しかし、

俺はこんな経験は何度もあった。


組長に仕事を任されていた頃。

職場を合理化するたびに、

人手は少なくて済むようになった。


通常は、解雇になるのだろうが、その度に、俺は組織を再編した。

理由としては、新規採用するためのコストが、バカにならないという事だった。


解雇せずに、人材を再編するならば、新規採用のコストはかからない。


そして、うちはどんどん強い組織に育っていった。

この世界でも、それは確実にできる。

俺は確信していた。


「浮いた時間でお前らがする事は、価値を作る仕事だ」

と俺は言った。


「価値を作る仕事というと……」

とロックは言った。

使用人たちもポカンとした顔をしている。


「それは、おいおいわかるようになる」

と俺は言った。


使用人たちは、よくはわからないが、仕事が素早くできて、解雇されないのであれば、それで良いかなという感じだった。


まぁそうだろう。解雇が一番怖いのだから。


……


俺は家の帳簿や、備品類、アクセサリーや調度品。

奴隷商での帳簿や、備品類。

使用人や手持ちの奴隷などを見て回った。


経営状態は悪くはないが、経費がかかり過ぎていた。

問題は、

大きく分けてエドモント本人と、

奴隷の売買にあった。


まずエドモントは、派手好きで、この経費がかなりかかっていた。

これは、以前に俺がやっていたように、シンプルにすれば解決する。

あとは、娼館の女に入れ込んで、貢いでいるようだった。

これも、俺が利用しなくなれば、話は解決する。


ややこしいのは、

奴隷の売買だ。


こういう場合のセオリーは、

まず簡単なことから片付けろだ。


俺は月に一度開かれるオークションに、屋敷の備品や宝石類など、俺の趣味に合わないものを全て出品した。


奴隷商人のエドモントが、多量に出品するということで、経営がやばくなったのか?

という噂が流れたが、放置しておいた。


この手の噂が流れた時は、

放置しておくに限る。

なにか手を打とうとすると、無駄にコストがかかるし、逆に疑われる。


1か月ほどで、屋敷はずいぶんシンプルになった。


100点以上あった絵画も花瓶類も、すべて売り払った。


並行して、

庭にあった草花は、収穫して、街に花屋を開き、そこで売るようにした。

時間の空いた使用人が交代で、店番をした。


奴隷商以外で定期収入源ができた。


食事の内容も見直した。

以前は高級食材で高カロリーのものばかり食っていたが、

簡単に作れ、

コスパがよく健康的な食材に変更した。


ただそれだとシェフの腕が活かせないので、

邸宅の別邸に予約制のレストランを作り、

そこで腕を振るってもらうことにした。


貴族でなくても、貴族のような食体験ができるということもあって、

特別な日の食事に使われるようになった。


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