第7話『借金を一緒に返してください』
だが、正直に言うとキツい。
最初の攻撃を食らって分かったんだが、泥の厄介さも相まってキングドロカラスの相手を1人でするのは無理かもしれないと思っていた。
でもぉ、報酬金が減るのも困る。
「しゃ、借金ですか?」
「そうだ。 借金だ。 飲んだ酒代と荒れた酒場の修繕費。 ぶっちゃけ崖っぷちなんだ」
自分で言っていて情けなくなる。
もっとぶっちゃけてしまうと、。そもそも仲間を募集するのも恥ずかしかったのだ。
あれだけ大口を叩いておいて、返済を手伝ってくださいなんて口が裂けても頼めまい。
「いいですよ。 手伝いますよ、その借金の返済」
「な、なんだと?」
「報酬金なんていりません。 そもそも助けてもらった身ですから。 正直、難しいですよね?
あのモンスター倒すの。 私、獣人なんで人間よりそうゆう感知能力高いですから分かります。 あれは、フロアボス級かそれよりちょこっと強いです」
獣人は本能とも言える『第6感』で、相手の力量を察知できると聞いた事がある。
エルミアもその例外ではないらしい。
「いや、だが・・・・・・そんな」
無償でこの強敵を手伝ってくれるというエルミア。
ピンチの俺には都合の良い話じゃないか。
だけど、そんな・・・・・・今更やっぱり手伝ってなんてすがるような――。
そんな――。
「それとも、やっぱりいらないですか? 少しはラクになると思うんですけど」
「お願いします手伝ってください。 エルミアちゃんの力を貸してください」
俺はすがった。
懇願の極地と言えるほどの綺麗な土下座をした。
泥にまみれた額を泥だらけの地面に貼り付け、それは見事な土下座。
まさにドロ下座だった。
「いいですって。 そんな大袈裟ですよ。 ほら、これで顔を拭いてください。 私がさっき少し使ったのでよければですけど」
そう言ってエルミアがタオルを渡す。
それを受け取り、顔にへばり付いた泥を拭う。
あ、良い匂いする。
タオルの泥で汚れていない部分は、まだほんわかした優しい香りが残っていた。
おおっと、そんな事で癒やされている場合ではない。
「タオルありがとう。 って事で、借金を一緒に返してください。 くるぞ!」
「はい!」
「ゴォォッガァァ!」
なんとも情けない始まりだったが、エルミアと共闘して対象を討伐する事になった。




