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第68話『振り返ってみましょうか・・・・・・目を塞ぎたいです』


 呆れ果てるセラさんから、耳も塞ぎたくなるような事を告げられる。

 まず、借金の増額に関してはドッキリでもなんでもないという事。

 全額、ライゼス負担という事。

 これは、オーク戦を監視用の魔法で、覗いていたものからの確かな情報らしい。

 その時の状況の映像も、残っているという。

 


 もちろん、俺はこのふざけたような金額を叩きつけられて、黙っている訳がない。


「証拠を見せるんだ!」

 異議あり! とばかりに、部屋の外に聞こえるくらい大きな声で、異を唱えた。

 それで、出てきたのがその映像を保存している水晶だった。


 エルミアちゃんが、怪我をして。

 リーエンと俺が怒って、隙をみてオーク集団の先頭に追いついた。

 うんうん。 ここまでは、何事もないよな。


 それで、エルミアちゃんが身を挺して守った、少女を俺が彼女の元まで一緒に運んで・・・・・・。

 はいはい。 覚えてますよ。 

 この時に、彼女の怪我の具合を見たんだよな。

 それで、リーエン同様に、仲間を傷つけられて怒った俺は、仕返しに行ったわけだ。

「な、なんだよ。 至って、仲間思いのいいライゼスという男が写ってるだけじゃねーか」

「・・・・・・問題は、ここからです」



 俺のキレた様子を確認したリーエンが、俺の後ろに下がる。

 ほぼ無意識で、発動させたドライアドの精霊術によって、逃げ散らばろうとするオークを足止めする。

 我ながら、破天荒で常人離れした技だな、とは思った。

 まるで、魔法でも使っているみたいだ。 殺気だった自分を、第3者の視点から見ているというのは、不思議とこそばゆい。


 俺は、横薙ぎにバスターソードを振り切る。

 横一閃だったの斬撃が、幾分にも分かれて、縛り上げられているオーク達をミンチに粉砕する。


「おぉ! さすが!――・・・・・・お・・・・・・れ・・・・・・俺ぇぇっ!? や、やめろぉぉぉライゼスこのやろぉぉぉ!」


 

 怒り狂った俺は、オークだけでなく比較的無事だった馬車から、まだ襲われてもいない食料、その他諸々までを、その一振りから派生した攻撃で、全て粉々にしてしまった。


「んなっ・・・・・・」


 こんなの。 こんなのって・・・・・・。


「目を伏せたくなるとは、こーゆう事よね」

 カノンは、見慣れた光景のように遠い目で窓の外に視線を仰ぐ。

 エルミアちゃんの、うな垂れようを見る限り、これはねつ造ではないと思い知らされる。

 

 どれでも、否定したいこの事実。


「誰か、この映像をいじってたりは・・・・・・」

「してないですね」

 スパンッと言い切るセラさん。

「でもでも、もしかしたら誰かが俺を窮地に追いやるためにハメる罠だったりも、あるわけでして」

「あんたを揺さぶっても、なにも出ないでしょうに・・・・・・」

 カノンの言葉は、ごもっともです。

「じゃあ、魔法の不具合とか・・・・・・とか・・・・・・さぁ」

「映像の魔法が不具合って、強いて言うなら途切れるとかしか、ないですよね」

 その通りである。


「なんで、こんな事したの・・・・・・」


「それは、ここにいる全員が聞きたいですが・・・・・・。 まあ、この映像とエルミアさんからの話、そして、あなたの性格を考えれば、分かりきってしまうんですけどね」

 今までも、散々迷惑をかけてきた俺を、長い間担当してくれている方が言うのだ。 言い返せる言葉も出ない。


「しばらく、禁酒してたっていうストレスも加わってるわよね。 このライゼスは」

 

 記憶が残らないって事はぁ~・・・・・・ないんだ。

 実は、やっちゃったかも、という記憶はあるんだ。

 でも、それを俺自身が認めちゃったら、誰が守ってくれるの?

 いないじゃん・・・・・・。


 ねぇ?




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