第59話『斧使いのリーエンです』
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地上に無事に降り立つ事ができた。
オーク達は、目の前の食料に夢中で、俺達を認識すらしていないみたいだ。
そして、その内の1体の豚モンスターを叩き潰しているのが、飲み仲間であり、冒険者のリーエンという男だ。
「おーい。 リーエン、手伝いにきたぞぉ」
「おぉ、ライゼスか。 ちょうど、今3体目を仕留めたところだ。 仲間がやられてんのに、こっちが攻撃をしかけないと反撃すらしてこねぇ」
リーエンの足下には、あと数秒で四散してしまうモンスターの亡骸がある。
それなのに、荷馬車をひたすらに漁るオークの集団。
「まだ、無事な馬車もありますね。 御者の方や馬は、非難済みみたいで良かったです」
現在、オークの塊になってしまっているのは、セラさんが行っていた馬車だろう。
あれは、もうだめだな。 食い尽くされるのも、時間の問題だ。
「お? なんだお前。 女連れか」
リーエンが、エルミアちゃんの姿をみて茶化すように聞いてくる。
「ちょっとした縁でな。 色々助けてもらってる」
本当に、このコがいて何度救われた事か・・・・・・。
カノンの暴言に耐える事ができたのも、このキュートな子猫ちゃんが側にいてくれたおかげだ。
「いえいえ、こちらこそライゼスさんには、大変良くしてもらっていて・・・・・・。 エルミアっていいます」
丁寧に挨拶に、リーエンも「こちらこそ」と頭を下げる。
リーエンは、大の女好きだ。
といっても、レディーファーストの意味でだ。
何よりも『女性を大切にする』をモットーにしている。
当然、エルミアちゃんにも優しく接する。
「あわわ。 見た目より、すごく丁寧な人でした!」
「わっはっは! そりゃひでーぜ、エルミアの嬢ちゃん」
「まぁ、確かに図体は俺よりデカいし、武器も斧だからな。 最初は、怖がる奴もいるくらいだし」
リーエンは、生粋の斧使いで、見た目通りの脳筋スタイルだ。
カノンと3人で、冒険にも出かけたことがある。
その旅先で、俺とリーエンは完全に近接特化なので、遠距離や支援はカノンに任せっきりになってしまう。
その度に、2人であの性悪魔法使いに説教をくらっている。
まぁ、カノンからしたら俺達は、同じ穴の狢。
「まぁ、とりあえず状況は見たの通り。 無事な馬車も標的にされるのは時間の問題だろうな」
「その前に、なんとかしないと・・・・・・ですね」
他にも飲食物を運んでいたものもあるだろう。
オークは、鼻がよく利く。
どこに何が積まれているかは、嗅ぐだけでも判断できてしまうわけだ。
被害を最低限に抑えるために、一刻も早く討伐もしくは追い払わないと。
「つっても、これだけ数がいるとなぁ。 1体倒すだけでも、一苦労だろ」
「そうだな。 なんせ体力はあるし、攻撃してくりゃそこそこの怪力だしで、1体倒すのにも骨が折れるぜ」
「更に言えば、あの脂肪が厄介だよな。 あれだけあると、防御力もあるから面倒だ」
エルミアちゃんも合わせて、3人で片付けていけば、時間はかかるがなんとかなるだろう。
「やるしかないですね。 もう少ししたら、他の人も増援に来てくれるかもしれないし」
「んだな。 でも、気をつけてかかれよ? エルミアちゃんの足なら、よっぽど奴らが優勢になる事はないだろうけど」
「嬢ちゃんに手ぇ出した奴がいたら、姿形が残らないまで消し飛ばすからな。 3人で頑張ろうぜ」
俺達は、それぞれで攻撃を与え、1対1で順番に片付けていく事にする。
エルミアちゃんは、攻撃モードの鋭い爪で、その分厚い脂肪に斬撃を。
リーエンは、俺のバスターソードと同じくらいデカい斧で、横っ腹に重い一撃。
俺も負けてはいられない。
心なしか、バスターソードもウズウズと戦いたがっている、そんな気がした。




