↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
吾輩は召喚魔(ねこ)である  作者: 画猫点睛
第一章 ズッカ編
70/126

70話 コロロモドル

 もうすぐコロロに着くらしい。

 さっきからオレの背中からルーナの声が聞こえるが……


「うふ……うふふふ♪」


 コロロに着くのを楽しみにしているのだろうか?

 それとも黒毛野牛の肉を楽しみしているのだろうか?

 後者の気がしてならない。



 遠くに集落のようなものが見えてきた。

 見張り用のやぐらもあるようだ。


「おい、ルーナ。あれがコロロか?」


「見えないけど、そうなのです」


 さすがにルーナには見えないのか。

 だがこの辺にある村は、コロロしかないようだ。

 間違いあるまい。


「ところで、この大きさのままでいいのか?」


 今の俺は、ルーナを乗せるために、虎ほどの大きさだ。

 このまま村まで行ったら、不味い事になるかの知れんな。


「大丈夫、なのです……たぶん」


 たぶん……か。

 微妙な返事だな。

 まあ、幾らなんでもいきなりは攻撃してこんだろう。

 攻撃して来ても何の問題もないけどな。


 とりあえずこのまま向かうとするか。


 やぐらの見張りは、主に魔物対策だろうが、一応不審人物はチェックもしているはずだ。

 デカい猫に乗った少女なんて、不審人物以外の何物でもないからな。

 誰かは対応に出てくるだろう。

 その時に乗っているのがルーナと分かれば、特に問題はないだろう。




 村に近づくと、案の定大型のククリナイフを携えた若者が二人やってきた。


「おい、貴様……ってお前、ルーナじゃないか?」


「久しぶりなのです、ムック。ただいまなのです!」


 どうやら話しかけてきた赤毛の男はムックというらしい。

 もしかしてもう一人は……


「イヴァンもただいまなのです」


 普通だったな。

 ちょっとは期待したが、髪も金髪だしな。

 緑だったらいろいろと良かったんだが……


「ただいまって、お前……娼婦になったんじゃないのか? それに何だそのデカい猫は!」


 ガチャ……いや、イヴァンがそう言って、俺をじろじろと眺めている。

 せめて黒豹くらい言ってもらいたかったな。


「娼婦じゃなくて冒険者なのです。これはクロム、私の召喚魔なのです♪」


「冒険者? 召喚魔?? もしかしてこのデカいの……高位召喚魔なのか?」


「もしかしなくても高位召喚魔なのです!」


「マジかよ……」


「マジなのです」


 イヴァンは信用してないようだが、残念ながらルーナは冒険者で、この俺デカいのは高位召喚魔だ。

 ちなみに都会では“ハイスペック”と呼ぶのだよ、イヴァン君とやら。


 ズッカは言うほど都会じゃないがな。


 さて……

 いくらルーナが冒険者だと言ってもイヴァンは信用しないようだから、ここは俺が――


「これを見るのです!」


 ちらりん!


 ああ、その手があったな。

 ルーナは首にぶら下げている高位召喚の護符チャームと、Bランク冒険者の登録証タグを見せつけた。


「マジか! マジで高位召喚の護符チャームじゃねえか! もう一つは……見たことないな。何だこれ?」


「ビ、Bランクの冒険者登録証タグ、なのです」


「確かに冒険者の登録証タグみたいだが、シルバーの登録証タグなんて見たことないぜ?」


 だからさっきからBランクだと言ってるだろう。

 なかなか疑い深い奴だな。



「冒険者の登録証タグは、ランクで素材が違うと聞いたことがある。確かBランクはシルバーなはずだな」

 

「そうなのか? ムック」


「そうなのです。ムックの言う通りなのです」


「ルーナ、お前に聞いてねぇよ!」


 どうやらイヴァンは、ルーナが冒険者だと認めたくないようだな。

 ルーナに負けるのが嫌なのか?

 若干ルーナより年が上のようだが、話しぶりからして幼馴染のようだし…… 


 しかし、護符チャーム登録証タグを見せても、まったく埒が明かないな。

 ここはやはり俺が――


「とにかく高位召喚の護符チャームは本物のようだし、何よりルーナなのだから、村に入れるのには何の問題もないだろう」


 ……必要なかったな。


 イヴァンはまだ何か言いたそうだったが、ムックの方が年上のようで、しぶしぶ納得したようだ。

 というより、ムックの言う通り、ルーナはコロロの人間なのだから、入れて当たり前なのだがな。


「しかしムック、このデカ猫を村に入れるのはどうなんだ?」 


「ふむ……確かにそうだな」


 またイヴァンが文句を言って来た。

 大きさが問題なら、元の大きさになるだけだ。


「では小さくなればいいのだな?」



「「しゃ、喋ったー?」」



 久々に驚かれると新鮮だな。

 実はさっきから喋って驚かしたかったんだが、タイミングをことごとく外されたからな。


「クロムは話せるし、小さくもなれるのです。というよりは元々小さいのです。ねぇ、クロム♪」


 そうルーナに言われたので、元の大きさに戻ってみた。


「話せる召喚魔なんて初めて見たな」

「しかも元がこんなチビ猫だなんて……」


 デカ猫から一転してチビ猫かよ。



「ま、話せるのはともかく、この大きさなら普通の子猫と変わらん。村に入っても問題ないな」

「あ、ああ……そうだな」


「やっと村に戻れるのです」


 足止めを食ったが、ようやくルーナの育った村、コロロに入れそうだ。

 ルーナも久しぶりに両親に会えるな。



 いや……よく考えたら半月も経ってないんじゃないのか?

タイトルは、nobodyknows+「ココロオドル」より拝借

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。