↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
吾輩は召喚魔(ねこ)である  作者: 画猫点睛
第一章 ズッカ編
50/126

50話 ジャコモの「…………」

「おお! ルーナにクロム。待っていたぞ」


 ギルドに入るや否や、レギンが待ちわびていたように駆け寄ってきた。

 髭親父に駆け寄られてもな……


「すでに解体は済んでいる。解体場へ行くぞ」


 無事にすべてのエイプの解体が終了したようだな。



 解体場には、灰色大猿グレイエイプ大猩猩グレートコングの毛皮が積み重ねられ、毒吐猿ポイズンエイプの毒袋が袋に入れられていた。

 そして、床には三人の解体職人が……


「毛皮と毒袋はいるが、こいつらはいらんぞ」


「済まんな、多少無理させたもんでな。そのうち目が覚めるだろうから、そのままにしてやってくれ」


 どうやら職人たちは疲れて眠っているようだ。

 職人たちを起こさないように、そっと素材をしまい、またギルドの事務所へと向かう。



「素材は受け取ったか?」


 ギルド長のジェイクが声を掛けてきた。


「数の確認はしたのか? 約束通り、魔臓を全てと大猩猩グレートコングの毛皮一枚をギルドで貰ったぞ。これでウチの解体料とチャラでいいんだな」


「ああ、それで構わん。」


「それで、成功報酬の方なんだが……」


 なんだか申し訳なさそうにしているな。

 元々期待などしてないから、気にせずともいいのだがな。


「5人で15000レオネ、一人3000レオネなのだが、いいだろうか?」


 まあ、そんなところだろう。

 急激な出費にギルドの金も底を突き始めているようだ。

 その原因は俺たちなのだから、文句も言えん。


「ああ、それでいい。他の奴らが良ければだがな」


「それなら問題ないな。ザンバたちは、お前たちに任せると言っていたぞ」


 どこかで合流したのだろう。

 ザンバたちは、三人でギルドに立ち寄ったようだ。


「それに、金もお前たちがまとめて貰っておいてくれと言っていたな」


 丸投げだな。


「あともう一つ。今回の件でルーナはBランク、シルバー登録証タグに昇格だ」


 今回はまたまた早い昇格だな。

 どうしたんだ?


「ザンバたちも全員Cランク、ブロンズ登録証タグに昇格だ。もちろんヴィオレッタもな!」


 ザンバたちはともかく、ヴィオは昇格なんて興味ないだろ。

 そもそもが魔道士であって、冒険者なんてお遊びに過ぎんからな。


「調査の結果、金色大猩猩ゴールドグレートコングは、相当厄介な魔物だと判明した」


 知っている。

 金色大猩猩ゴールドグレートコングに進化させたのは、俺だけどな。


「あれを放っておくと、あの森全てのエイプを配下にして、周辺の村に大損害を与える可能性があったからな」


 なるほどな。

 周辺の村の損害を未然に防いだのが、昇格の理由か。


「ではエフィルから、報酬金とシルバー登録証タグを貰ってくれ。どうせここに来る気はないだろうから、ヴィオのブロンズ登録証タグもな。」


 お前も丸投げだな。



 エフィルから金と登録証タグを受け取って、ギルドを後にする。


 時間も頃合いだ。

 ジャコモの所に行ってみるか。






 ジャコモは今回もまた、カウンターに足を乗せていびきをかいていた。


 どいつもこいつも寝てばかりだな。

 この世界は食うか飲むか寝る以外に楽しみはないのか?


 ないか……。


「おいジャコモ、起きろ!」


「なんなんだ! 人が気持ちよく……あ、ああ……クロムさんとルーナさんでしたか」


 毎度毎度、態度急変だな。


「最近よくご活躍の噂を耳にしますぜ! “黒猫使いのルーナ”なんて素敵な二つ名もついたようですし……」


「おべんちゃらはいらん。それよりお前、バックはルグーザの大商人らしいな」


「えっ!? はあ……よく御存じで……」


「別に、お前のバックが誰だろうと俺には関係ないが……いや、関係なくはないな」


「えーっと、何を仰って――」


「いや、お前のバックの大商人とやらに買って貰いたい物があってな」


「もしかして、柘榴猿カーバンクルの魔石ですかい? それならここでも買い取りますぜ!」


「いや、それもあるんだが、それだけじゃないんだ」


「え? と言いますと?」



 見せた方が納得するだろう。

 俺はジャコモの前に、エイプの素材を一つずつ出してみせた。


柘榴猿カーバンクルの魔石が7つ、そして毒吐猿ポイズンエイプの毒袋が55個、この灰色大猿グレイエイプの毛皮が5枚、こっちの大猩猩グレートコングの毛皮は86枚ある」


「え……あ……」


「あとはジュエルドラゴンの鱗が9枚だな」


「ジュ……ジュエルドラゴンですか?」


「あとな、二つほど大きなものがあるんだ」


「大きな……もの…ですか?」


 そう、大きな獲物が二つ。


獅子王蟻アントライオン金色大猩猩ゴールドグレートコングの、傷一つない死骸だ」


「へっ?! な……何の死骸ですって?」


 何度も言わせるなよ。


獅子王蟻アントライオンと、金色大猩猩ゴールドグレートコングだ!」


「…………」


 どうした、ジャコモ? 止まっているぞ。


「……すいません、クロムの旦那。流石にここでは無理です」


 だから言っただろ。


「素材ですら全部買い取るには金が足りません。それに……」


 それに?


「その二つは、俺には値段の付けようがないですぜ」 


 相場も何もないだろう。

 あえて言うならその二つは“時価”だ。


「だろうな……そこでだ!」


「へ? ……へい」


「お前、その大商人とやらのところに俺たちを連れて行け!」


「ええっ! ルグーザ、に……ですか?」


「そうだ。何か問題でもあるのか?」


「え、いや、あの……い、いつ頃で?」


「そうだな、明日でどうだ?」


「はいぃぃぃ? 明日???」


「なんだ、明日だと何か問題でもあるのか?」


「え、いや、あの、だから……」


「では明日の朝で決定だな。あと一人二人は連れてくるかもしれん。馬車を用意しておけよ」 


「…………はい」



 せっかくの馬車での旅だ、ルーナ一人よりは誰かも連れて行こう。

 そうだな……

 出番の少ないラエルと、存在感の薄いグラシアがいいな。

 いろんな意味で。


「ああそうだ、護衛はいらんぞ。俺たちが無料で・・・してやるからな」


「…………はぃ」







タイトルは、うしろゆびさされ組の“渚の「・・・・・」”より拝借


おかげさまで、何とか無事50話を迎えることが出来ました。

ありがとうございます!

記念の感想などなどをお待ちしております♪

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。