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吾輩は召喚魔(ねこ)である  作者: 画猫点睛
第一章 ズッカ編
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40話 あー昼休み

 平和だ。


 魔物の住む森のど真ん中で、のんびりと昼食を取る俺たち冒険者御一行様。

 まるでキャンプかピクニックだ。 

 とても魔物退治に来ているとは思えないな。


「美味しかったのです♪」


「そうか、それはよかったな」


 鍋に限らず大鍋亭の飯は美味い。

 鍋の召喚魔のおかげだけでなく、おかみさんの腕が良いのだろう。

 ルーナは何でも美味そうに食うけどな。


「ヴィオ。午後はどうする? 少し休むか?」


「そうだな。あそこまで行ったなら、最深部まではあと少しじゃないかな。少し休んでも問題ないと思うぜ」


 あそこから先は、何が起こるかは分からない。

 その為にも、少しは休憩が必要だろう。


「ルーナ、少し休もう」


「りょーかい! じゃあクロム、大きくなって!」


 何事だ?

 よく分からないが、契約者かいぬしの命令なら仕方あるまい。


 俺は、ルーナに言われるままに大きくなった。


 考えてみると、契約してから一度も命令されたことがないぞ。


 いや……あるな。

 罰だとか言って、バッグの中に入らされたな。

 猫にとっては罰というよりご褒美なのに。



「そしたらここに寝て!」


 ルーナは何がしたいんだ?

 これまたよくわからないが、契約者かいぬしの命令なら仕方あるまい。


 俺は、ルーナに言われるままに横になった。



「モフモフなのです♪」


 ……俺を枕に寝やがった。


 スーパー攻撃魔法付き高位召喚魔ハイスペック抱き枕、今だけ9,800円!

 いや……ここは98レオネと言うべきだったか。


 しかし、ほぼ最初とも言える命令が「枕になれ」とはな…… 

 大しただ。




 



 平和だ。


 魔物の住む森のど真ん中で、のんびりと休息を取る俺たち冒険者御一行様。

 まるでキャンプかピクニックだ。 

 とても魔物退治に来ているとは思えないな。



「ムニャムニャ……とりゃー! “オサール・ダヨッス”」


 きっと“荒れ狂う雷エチャール・ラヨス”の事だな。

 おさーるだよッスって何だよ。

 お前が猿なのか?


 それより、なんで本気で昼寝してんだ? しかも寝言付きで。



「おい、クロム」


 枕と化している俺の横に、ヴィオがやって来た。


「何だ? 俺は今、ご主人様の絶賛抱き枕中だぞ」


「そのままでいい。お前の意見を聞かせてくれ」


 ノーリアクションかよ。

 そこは突っ込むところだぞ! と思ったが、真面目モードっぽいな。


「今回の森の異変。どう思う?」


 どう思う、とは曖昧な聞き方だが……


「実はな、さっき“脳内図書”で検索したんだが、ある事例が見つかってな」


 ある事例?

 その前に“脳内図書”って……何だそれ?

 いやまて、それは後だ。


「その事例ってのは、大猩猩グレートコングの突然変異体、白銀大猩猩シルバーグレートコングについてだ」


「興味深いな、続けろ」


白銀大猩猩シルバーグレートコングは通常の大猩猩グレートコングよりも数段知能も魔力も高く、周辺の大猩猩グレートコングをまとめて、群れを作るそうだ」


「群れだと?」 


 大猩猩グレートコングは単体行動が基本だ。

 それが群れを成すというのか?

 

「そうだ。白銀大猩猩シルバーグレートコングをボスとした集団になる」


「つまり、それが異変の正体だと言いたいのか?」


 分からなくはない。

 現に、この森で一度も大猩猩グレートコングには出会っていない。

 森の大猩猩グレートコングが一か所で群れているのなら、見当たらないのは当たり前だ。


「オレはそう思っている。そしてクロム、お前にも心当たりがあるんじゃないのか?」


「どういう意味だ?」


 まあ、言いたい事は分かるがな。


「お前の倒したクイーンスライム、獅子王蟻アントライオン。どれもある意味突然変異だろ?」


 やはり……か。


 実際のところ、話を聞いた時から“そういう類いのもの”が森の異変の正体ではないかと、想定はしていた。

 今のヴィオの話からしても、その可能性は高いと言えるだろう。

 

「その正体が白銀大猩猩シルバーグレートコングかどうかは別として、この森でも突然変異体がいるという事か」


 もしかして、その突然変異体を倒せば、また魔素の塊りあれがあるのか?

 もしそうなら魔素の塊りあれは、誰かが作為的に埋め込んでいることになる。


「ああ。しかし、所詮想像でしかないぜ」


 そういう事だ。

 所詮はどれもこれも、何もかも想像でしかない。


「結局は、確認しなければ分からないという事だな」


「まあ、そういうことだ」



「では、確認しに行けばいいだけだ。ルーナ、起きろ!」


 昼寝と言うより爆睡中のルーナを叩き起こす。


「昼休みは終わりだ。そろそろ行くぞ!」


「ふぇ? ふぇーい」



ルーナの間抜けな返事が、午後の活動開始の合図となった。


タイトルは、TUBEの「あー夏休み」より拝借

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