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吾輩は召喚魔(ねこ)である  作者: 画猫点睛
第一章 ズッカ編
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34話 ヴィオハザード2 アホカコイツ

 ヴィオは魔法陣を前に呪文を唱え始めた。


 魔法陣の四方には、ヴィオの守護石である紫蘇輝石ハイパーシーンを施した標柱が埋め込まれている。

 こういった場合でも、守護石の効力が発揮するようだ。

 “守護”というよりは、自分の能力を最大限に引き出す効果なのだろう。


「さてと……トリヴィアには念話で伝えたし、準備は万端だ。呼ぶぞ!」


 ヴィオは仕上げの呪文を唱える。


門よ、開けアペリーレ・ポルタ!」


 俺のなんちゃってな攻撃魔法の呪文よりかっこいいな。


 呪文とともに魔法陣が妖しく光り始め、魔法陣の周辺を包みだす。

 その瞬間、光は爆発したかのように輝き、そして収縮していくと、そこにはザンバたち三人が存在していた。


 魔法のようだな……魔法だけど。


「あ、あれ? もう着いたのか?」

「一瞬で森の中ね」

「……成功か」


 三人とも魔法陣の上で辺りを見回している。

 さすがに一瞬でヴィオの店から移動したら、こんな反応なのだろう。


「何で森の中にぽっかり空き地があるんだ? さてはクロム、お前の仕業か?」


 何でも俺の仕業にするなよ……出来るけど。


「俺じゃないぞ。ここはドラゴンの巣跡らしい」


「ドラゴンの巣跡だと? 見たことも聞いたこともねぇぞ、そんなの!」


 ヴィオでさえ見たこともないのに、ザンバが見たことある訳ないだろ。

 見たことある奴がいたらお目にかかりたい。


「俺は……あるぞ」


 だろ、普通はないんだよ。

 ……って、えっ? ドーリは見たことあんのかよ!


「小さいころ、里の近くの森にドラゴンが巣を作ったことがある」


「まあ、ドーリはドワーフだしな」


 ザンバよ、意味不明だぞ。

 別にドワーフは関係ないだろ。

 


「そんな事より、これからどうすんだ?」


 ヴィオの言う通りだ。

 辺りの探索もしたいし、日暮れまでに準備もしなくてはならない。


「そうだな、ザンバたち三人は野営の準備をしてくれ。テントはこれを使うといい」


 俺はワルフランの店で買ったテントをザンバに渡した。


「おおっ! 俺らのボロテントと違って真新しいじゃねぇか」


「買ったばかりだからな」


 あとはヴィオにひとつ確認だな。


「ヴィオ! さっきの瞬間移動は、俺とヴィオでもルーナの所に移動できるのか?」


「ん? さっきの念話を伝った移動か? 問題ないぜ」


 それならここにルーナを置いておいた方が、何かと便利だ。


「では、俺とヴィオとで辺りを探索しよう。ルーナはここで竜鱗でも探していろ」


「それでいいぜ」

「了解! なのです」


「ルーナをここに置いていく。グラシア、ドーリ、よろしく頼むぞ!」


「お任せください」

「……了解だ」


「おい! なんだよ、俺にも頼めよ!」


 いや、ザンバに頼んでもな……なんか頼りなさそうなんだよ。




 ザンバたちは早速野営の準備に取り掛かる。

 さすがに野営は手馴れているようで、てきぱきと準備を進めている。



「で、柘榴猿カーバンクルと森の異変、どっちを探すんだ?」


「今日の所は、柘榴猿カーバンクルだろう」


「そうか……まあ、そうだな」


 異変の原因を見つけるには、もっと奥深くに入り込まなければないだだろう。

 さすがに今日はそこまでしたくはない。


「んじゃ、クロム。さっきみたいに大きくなって、オレを乗せてくれ」


「はぁ? 森の中じゃ逆に動きづらいだろ」


「いいから、いいから、オレに任せとけって!」


 何を考えているのか分からんが、無理やり押し切られてしまった。

 仕方ないので、虎ほどの大きさへと変化した。


「これでいいのか」


「そう、それでいいのだ!」


 お前は誰かのパパか。


「では行くぞ!」


 ヴィオが背中に乗ったのを確認して、そう言った。


 言ったはいいが、空き地の先は鬱蒼と生い茂った森だ。

 飛ばすわけにも行かないので、とことこと歩き出す。


 すると、背中でヴィオが呪文を唱えた。


木よ、避けろフィガ・アルボス!」


 ヴィオの魔法で、木々が道を開けるように避けていく。

 まるでどこかのアニメさながらの、木のトンネルの完成だ。

 

 ヴィオこいつは爆乳に魔力でも詰まっているのか?

 なにか桁外れの魔法を使っているような気がするぞ。


 しかしヴィオの魔法のおかげで、森の中を楽に移動できる。


 と言うより、はじめからこうすればよかったのではないのか?



「おいクロム。向こうに数匹、柘榴猿カーバンクルの気配があるぞ」


 俺の疑問をよそにヴィオが声を掛けてきた。

 俺より気配察知が上のようだ。


 やはりこの爆乳に魔力が詰まっているのだろうか?


柘榴猿カーバンクルは素早いからお前でも大変だろう。オレが動きを止めるから、お前が仕留めろ」


 なんか簡単に言うよね、この人。


「どういうことだよ、説明しろよ」


「説明がいるのか? ……面倒だな」


 いや、長年のパートナーじゃないんだから、面倒臭がらずに説明しろよ!


「オレは広範囲に動きを止める魔法を掛ける。お前は広範囲に適当に攻撃を仕掛ける。以上だ」


 アホかこいつは! 出鱈目もいいとこだ。

 それはいわゆる無差別攻撃とかいう奴だろう。


 まあ、人の事をとやかく言える立場じゃないがな!


 

「じゃ、準備はいいか?」 


「……はいはい」


 しかも問答無用だな……何だか先が思いやられるな。

タイトルは、映画|バイオハザード2 アポカリプス」より拝借

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