表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
30/35

第三十章:罠の中の戦場

エイリアンは、素早く方向転換した。


そして――


近くの廃工場に向かって走り出した。


「逃がすか!」


桃源が叫んだ。1号機が、エイリアンを追う。2号機も、後に続いた。


エイリアンが、廃工場の壁を破壊して中に入っていく。


「追うぞ!」


桃源の1号機も、壁を破壊して突入した。2号機も続く。


廃工場の内部。


広い空間が広がっている。


古い機械や鉄骨が、あちこちに放置されている。


薄暗い照明。


エイリアンが、工場の奥へと走っていく。


「巽、左右から挟むぞ!」


「了解!」


1号機が右から、2号機が左から、エイリアンを追い詰める。エイリアンが、立ち止まった。周囲を、p2hm二機に囲まれている。


「今だ!」


桃源が叫んだ。


1号機が、エイリアンに向かって拳を振るった。エイリアンが、素早く回避する。


だが――


2号機が、反対側から攻撃していた。


「捕まえた!」


巽の声。2号機の腕が、エイリアンの胴体を掴んだ。


「よし!」


桃源が、1号機を前進させた。


そして――


全力で、拳を振るった。


ドゴォン!


エイリアンの頭部に、直撃。エイリアンが、苦しそうに唸る。


「もう一発!」


1号機が、再び拳を振るう。


連続した打撃。


エイリアンの装甲が、歪む。


「ショットガン!」


桃源が叫んだ。


1号機の肩部ショットガンが、展開される。銃口が、エイリアンの頭部に向けられる。


「撃て!」


ドォン!


大口径散弾が、エイリアンに命中した。装甲が割れ、内部が露出する。


「やった!」


だが――


エイリアンは、まだ動いた。その腕が、2号機の腕を掴み返した。


そして――


力任せに引っ張った。


「うわっ!」


巽の悲鳴。


2号機のバランスが崩れる。


エイリアンが、2号機を投げ飛ばそうとする。


その時――


エイリアンの腕が、1号機に向かってきた。


桃源が、防御姿勢を取る。エイリアンの拳が、1号機の胸部装甲に叩きつけられた。


ドォン!


だが――


爆発反応装甲が作動した。


バン!


装甲内部の爆薬が爆発する。


その衝撃で、エイリアンの攻撃が相殺される。


「効いてる!」


桃源が叫んだ。


エイリアンの腕が、爆発の衝撃で弾かれた。装甲の一部が、損傷している。


「爆発反応装甲、有効です!」


巽も叫んだ。


エイリアンが、再び攻撃を仕掛けてくる。


だが――


攻撃するたびに、爆発反応装甲が作動する。


バン!バン!バン!


連続した爆発。エイリアンの腕が、徐々に損傷していく。


「このまま押し切るぞ!」


桃源が叫んだ。


1号機と2号機が、同時にエイリアンに向かった。挟み撃ちにする。


エイリアンが、暴れる。だが、二機の連携に押されている。


「今度こそ、捕まえる!」


桃源の声。


1号機の腕が、エイリアンの頭部に伸びた。


あと少し――


あと少しで、捕らえられる。


その時。


ガコン!


2号機の足元が、崩れた。


「え?」


巽の驚きの声。


2号機の脚部が、穴に落ちた。床に開いていた、大きな穴。


「巽!」


桃源が叫んだ。


2号機が、穴の中に落下していく。


ガシャン!ガシャン!


衝撃音が響く。


穴の底には――


大量の鉄パイプや廃部品が敷き詰められていた。


2号機が、その中に埋もれる。鉄パイプが、2号機の関節部に絡みつく。


「くそっ、動けない!」


巽が叫んだ。


2号機が動こうとするが、鉄パイプや部品が絡まって動けない。


「巽、脱出しろ!」


桃源が叫んだ。


だが――


その瞬間。


エイリアンが、1号機に飛びかかってきた。桃源の注意が、巽に向いていた隙を突いた。


「くそっ!」


桃源が、防御姿勢を取る。だが、遅かった。エイリアンの両腕が、1号機の両腕を掴んだ。


そして――


力任せに押し込んできた。


1号機が、後退する。


「くそっ、一機だと押される……!」


桃源が歯を食いしばった。エイリアンのパワーが、凄まじい。1号機だけでは、抗えない。


爆発反応装甲も、エイリアンが学習したのか、直接攻撃を避けるようになっている。関節部など、装甲の薄い部分を狙ってくる。


「このままじゃ……」


桃源が焦り始めた。


機動隊バスの中。


真秀は、モニターで戦闘を見ていた。


「桃源、危ない……」


真秀が呟いた。花山と夢見も、固唾を呑んで見守っている。


「係長、何か手は……」


花山が尋ねた。


「分からない……」


真秀が唇を噛んだ。


その時。


廃工場の入口から、何かが入ってきた。人型のシルエット。だが、p2hmほど大きくはない。三メートルほどの機体。


PASだ。


「何っ!」


桃源が驚いた。


「もう一機のPAS……!」


真秀も、モニターを凝視した。PASが、工場の中に入ってくる。その動きは、流れるように滑らかだった。


「お前、誰だ!」


桃源が、外部マイクで叫んだ。PASが、立ち止まった。


そして――


背部のハッチが開いた。


中から、顔が見えた。


小太りの体格。


額に汗を浮かべた、頼りなさそうな顔。


「甲本……!」


真秀が叫んだ。


甲本隆。芹沢の友人。行方不明になっていた男。彼が、PASに乗っていた。


「甲本さん……」


桃源が呟いた。


「あなたは、敵なのか……?」


甲本は、何も答えなかった。


ただ――


PASのハッチを閉じた。


そして――


PASが、動き出した。


その向かう先は――


エイリアンか。


それとも、p2hmか。


真秀たちは、固唾を呑んで見守った。


甲本隆の選択が――


この戦いの行方を決める。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ