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私のカタチ 2 彼女に関するすべてのことを  作者: tetsuya
第1章 彼女は確かに此処にいた
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18 UMAではない

 ヨン・レック・ヨハンセンはそのころ出現した。

 UMAではない。巨人のごときヴァイキング戦士の子孫、まじめくさった顔に子供のような目をしたスエーデン出身の若きダンサーである。

 私よりも、頭一つ半ほど背が高い。「誰かを見上げる」という経験をここ七、八年したことがなかった私は少なからぬ衝撃を受けた。

 なんだ、このでかい生き物は。そう思ってしまった。

 私でさえそんなふうだったのだから、他の人の唖然呆然ぶりは想像に難くない。

 この男の出現は、事件だった。

 事の起こりは山中である。

 春の山開きにむけた林道・登山道の整備作業を、コタン総出で行っていたところ、複数の大きな足跡が見つかった。

 水辺の泥地にいくつも刻まれていたそれらは、人間の足跡に似ていたがあまりに大きすぎ、そもそも靴を履いていなかった。熊の足跡にしては形がおかしかったが、人でも熊でもないとすると、思いあたる動物が他に存在しない。

「なんだかわからないが人間じゃない何かが山中にいる」ということになるとホラー映画の設定そのものである。

 山開きは延期、集落周辺の林道だけを開放し、野生動物に対する警戒を呼びかける標識を各所に取り付けることとなった。

 ところがこの作業中、私のとなりで動いていた山場という男が行方不明になるのである。

 さっき休憩した場所に煙草を忘れてきたからとりにいく、そう言って一人で林道を下っていって、三十分以上たつが帰ってこない。

 リーダー的な人に相談したら、

「じゃあ、月島さん見てきてよ」と言われた。

「マジですか」

「なんならこれ持ってく?」

 発炎筒である。そんなもの持たされたって、かえって恐くなってしまうのだが、「女の子一人で行くなんてムリですー」などとは口が裂けても言えないのが私である。

「じゃあ、ちょちょいっといって確認してきますよ」と、

なんでもない顔をして林道を戻った。

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