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 リハーサルを終えると、それぞれが衣装に着替えをしに二階へ上がっていく。着替えが終わると、一同は再びリビングへ集まった。

 小山内が役者たちにカメラを向ける。

「ヨーイ、アクション!」

 彼の掛け声で本番が始まった。

 伴、大門、箕輪、鷲尾の四人が自分のキャラクターを演じる。

「はい、OK!」

 そのシーンが終わり、小山内が掛け声と同時にカメラを止めた。

「はい、お疲れ様」と、伴が全員にねぎらいの声を掛ける。それぞれが「お疲れ様です」と言って、ソファに腰掛けた。

 すると、奥のダイニングから拍手が聞こえた。全員がそちらを向く。拍手をしていたのは、ミステリー研の全員だった。

「いやはや、すごいな~」

 そう言ったのは、湯川だった。

 伴はソファから立ち上がる。「それはどうも」と、彼はお礼を言った。

「うん、面白かったです」と、加賀谷も言った。

「続きが気になるな」と、中森も笑顔で話す。

「ミステリー研の皆さんにそう言ってもらえて何だか光栄だなあ」

 伴は照れ臭そうに言った。

「この脚本は誰が書いたんですか?」

 それから、湯川が伴に訊いた。

「えーっと、これは俺だけど……」と、伴は答える。

「はあ、そうですか。……正直なこと言ってもいいですか?」

 そう言って湯川は伴を見る。

「はい」と、伴が湯川を見て頷く。

「個人的に、ちょっと()()()()()()()です」

 湯川は伴の顔をまじまじと見て言った。

「え……」

 いきなり湯川にそう言われて、伴は面食らう。まさかそんなことを言われるとは思わなかった。

「ねえ、湯川くん。やめなよ!」

 桜庭が咄嗟に言った。

「そうだよ、湯川! お前、何言いだすと思ったら批判かよ! しかも、今日初めて会ったやつに向かって……」

 中森も助け船を出すように言う。

「ゴメン……。悪いとは思ってる」

 湯川は少し反省したらしくそう謝った。「でも……」

「でも、じゃないよ」と、桜庭が制止する。

「いや、いいよ。別に……」

 それから、伴がそう口を開いた。皆が伴を見る。

「湯川くん……だっけ? 君の言う通りかもしれない……」

「いや、こいつの言うこと真に受ける必要ないですよ!」と、中森が口を挟む。

「そうそう」と、桜庭も同調する。

 湯川は黙っていた。

「はあ~」

 ため息を吐いたのは、大門だった。「この際だから言うけど、オレもこの作品は嫌だと思ってた」と、彼は正直にそう話す。

「ウチも~」と、箕輪が手を挙げて言う。「ウチの書く脚本と全然違うんだも~ん」と、彼女が言う。

「由姫ちゃんもそうだろ?」と、大門が鷲尾に訊く。

「私は……」

 鷲尾はそう言いかけて黙ってしまう。

「嫌なら嫌と言ったほうがいいぜ。小山内、お前はどうなんだ?」

 大門は今度、カメラマンに訊ねた。

「僕は別に……。部長が()りたい作品を撮るだけに過ぎないよ」と、小山内は言う。

「そうか。部長のためね」

 そう言って、大門は再びため息を吐く。

「オレはそういうの御免だね。演るなら、演りたい作品がいい」

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