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それから、ミステリー研と演劇サークルのメンバーたちはそれぞれの場所へ移動し、活動を始めた。
嶋たちはダイニングで六人掛けのテーブルに向かい合うように座る。
「それじゃあ、今からミステリー研究会の合宿を始めよう」
早速、嶋が号令をかけるように言った。
「合宿を始めようって、もうここへ来る時から始まってるでしょ」と、中森がツッコむ。
「そうそう。しかしねえ……まさか泊まる場所が違うだなんて」
湯川が呆れて言う。
「ゴメンって」嶋が謝る。「だって、名前が似ていたんだもん。間違えるよ」
「『平成宿』と『平成壮』だっけ?」と、中森が訊く。
嶋が頷く。
「確かに紛らわしいな。それに、どっちも北海道じゃあなあ……」
中森は納得して言う。
「まあ、でもさ、まさかだよな」と、湯川が言う。
「何が?」と、嶋が訊き返す。
「ほら、ここに同じ大学の演劇サークルがいたなんて」
「ああ、そうだね」と、嶋は頷く。
「彼らがここで何をするのか?」
湯川はそう言って、リビングの方を見た。
「何をするかって、そりゃあ、映画でも撮るんだろう?」と、中森が言った。
「もちろんそうだけど、どんな映画を撮るのか気にならないか?」と、湯川は言う。
「別に」と、加賀谷が即答する。
「あたしも気にならないかな」と、桜庭も言った。
「どうだっていいだろう」
中森もあっさりと言う。
「あ、そう。じゃあ、これがもしミステリーだとしたら?」
それから、湯川が声色を変えて言った。
「ミステリー」という単語を聞いて、嶋はびくりとする。他の三人も目の色を変える。
嶋たちミステリー研は皆ミステリーが大好きなのだ。「ミステリー」という言葉一つですぐ反応してしまう。
「それなら話は代わって来るよなあ」
中森が食いつくように言った。他の皆が頷く。
「そうだろ? で、そのなんか、見てる感じどうやらその『ミステリー』映画らしいんだ!」
湯川がにやりと笑って言う。
気が付くと、全員がリビングの方を見ていた。
*
演劇サークルのメンバーらは、リビングで打ち合わせをすることとなった。それもこれも急な来客があったからだ。
「それじゃあ、予定通り、映画を撮ることにしよう」
早速、部長の伴が指揮を執るように言った。「まずはリハーサルをしよう」
「どのシーンから?」と、小山内が訊く。
「えーっと、シーン3の『リビングで集まるところ』を演ろう」と、伴が言う。
「オーケー」と、大門が返事する。「はーい」と、箕輪が言う。「了解!」と、鷲尾が言った。
「準備はいい?」
伴は三人に訊いた後、三人は頷いたので、「ヨーイ、アクション!!」と、大声を出す。
大門、箕輪、鷲尾、そして、伴の四人がそれぞれの役を演じる。しばらくして、「ハイ、オッケー!!」と、伴が再び声を出した。
「どうだった?」
それから、伴がそれを見ていた小山内に確認する。
「うん、いい感じだった!」と、小山内は笑顔で言った。
「うん。俺も良かったと思う」
その後、伴も今の演技を自己評価する。
「その調子で本番も行こう!」
伴が言うと、三人は頷いた。




