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「え?」

 鷲尾が困惑して言う。「どうしてそうだと思うの?」

 それから、彼女が伴にそう訊いた。

「ほら、その方が辻褄(つじつま)が合う」と、伴は言った。

「辻褄って……。もし仮にそうだとして、私たち二人が殺す理由は?」

 鷲尾がイラだって伴に訊き返す。

「本当は恨んでいたんじゃないのか? 箕輪は大門のことを。それと、鷲尾は小山内のことを」

 伴がにやりと笑って言う。

「私たちがそれぞれを恨んでいたと……」

 鷲尾がそう言った後、箕輪と顔を合わせた。それから、「そんな訳ないから」と、鷲尾は言った。

「私は充くんのこと嫌いになってないよ」と、鷲尾は言う。

「ウチだって、亮くんのこと大好きだった……」と、箕輪も打ち明ける。

「そう言う伴くんはどうなの?」

 それから、鷲尾が伴にそう訊いた。

「俺? 俺はさっき話した通り、アリバイだってある。小山内や大門と接触することすらなかった。それに別にあいつらを憎むようなこともないよ」

 伴はそう話した後、そのまま黙った。

「そう……」

 鷲尾はそう呟いて黙る。箕輪も口を閉じた。

「もう結構です。三人のアリバイは分かりました。後は僕たちで考えますから……」

 それから、嶋がそう言った。

 伴が電子タバコを吸い始めた。箕輪もタバコを吸おうと、玄関の外へ出て行く。

「はあ、なんだかお腹空いたな……」

 それから、鷲尾がそう呟いた。時刻は十二時を回っていた。

「あ、お昼にします?」

 加賀谷が思い出して言う。

「うん、そうしよう」と、鷲尾は笑顔で言った。

 加賀谷と桜庭と鷲尾の三人はお昼ご飯に焼きそばを作った。

 ソースの匂いがダイニングやリビングに広がる。

 嶋、中森、湯川、伴の男子四人はダイニングで食べることにした。箕輪と鷲尾、加賀谷、桜庭の女子四人はリビングで食べる。

 いただきますと皆が手を合わせて、焼きそばを食べる。特に会話もなく、全員が終始無言で食べていた。

「ねえ、由姫」

 ふと、箕輪が鷲尾を呼ぶ。

「何?」と、鷲尾は箕輪の方を見る。

「今夜、ウチら別々で寝ない?」

 唐突に、箕輪がそう提案した。

「え? どうして?」

 鷲尾は箸を止めて箕輪に訊き返す。

「だってほら、()()()()()()()()()()()みたいじゃない? だから……」

「え? 私を疑ってる?」

「いや、別に疑ってる訳じゃないよ。でも、心配だからさ……。それにもしウチが犯人だったとしたら、由姫も怖いと思わない?」

「うん……そうだね」と、鷲尾は頷く。「あ、でも、そうしたら一人はどこで寝るの?」

 それから、鷲尾はそう訊いた。

「ほら、()()()()()()()()()()()が空いてたでしょ? ちょっと血まみれだけど……」と、箕輪は言った。

「ああ、そっか」と、鷲尾は納得する。「それじゃあ……」

「ウチは今夜からそこで寝るよ」と、箕輪は言った。

「いいけど、そこで寝ても平気なのかな?」と、鷲尾は心配そうに皆を見る。

「ダメなの?」と、箕輪が瞬きして言う。

 少しして、湯川が口を開く。

「まあ、本来は殺人現場であるから、そこはそのままにしてもらいたい……というのは本音だけど」

「あー、そっか」と、箕輪は思い出して言う。

「どうする? 部長?」

 それから、湯川は嶋に確認して訊く。

 嶋は考える。少しして、彼は口を開いた。

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()、あの部屋を使用するのは構わないよ」

 嶋がそう言うと、「だそうだ」と、湯川は箕輪を見て言った。

「分かった」と、箕輪は頷く。

「それと、伴さん」と、嶋が伴を呼ぶ。「()()()()()()()()()()()

「心外だな……。()()()()だと思われているなんて……」と、伴は嫌な顔をして言う。

「いえ。あくまで自分の身を守るためです」と、嶋は言った。

「まあ、いいさ。そんで、嶋くんはどこで寝るんだい?」

 伴にそう訊かれ、嶋は答える。

()()()()()()()です」

「え?」

 中森が驚いた。「俺らの所に来るの?」

「さすがに女子の部屋には入れないよ……」と、嶋は苦笑する。

「そうだな」と、中森も笑う。

「三人じゃ狭くなるな……」と、湯川が文句を垂らす。

「そこを頼むよ」

 嶋が手を合わせて懇願すると、「まあ、しょうがないね」と、湯川が了承した。

「ありがとう」と、嶋はお礼を言う。

「ただ、オレたちのどっちかが犯人だとしても知らねえぞ!」

 そう言って、湯川はフフフと笑う。嶋と中森も笑い合った。

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