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「え!? なんだって!!」
嶋は驚いて言う。他の三人も驚く。
マイクの所を見ると、確かにそれが二本とも抜かれていた。それに、その部屋にマイクが二本とも落ちていることもなかった。
「消えてる……ということは、多分、犯人が持ち去ったってところだろう」
それから、湯川が冷静にそう説明する。
「なるほど」と、嶋は頷く。
「それじゃあ、この二人を殺したその凶器はマイクで間違いないんだな」
中森が腕を組んで言った。
「そうなるね」と、湯川が言う。
「そしたら、今度はその凶器を探さないとな……」
中森が呟くように言った。
湯川が頷く。嶋、加賀谷、桜庭の三人も頷いた。
それから、嶋たち五人は二本のマイクを探すべくそのペンション内を一階、二階と手分けして調べることにした。
嶋と湯川は一階を調べ、加賀谷、桜庭、中森の三人は二階を調べることにした。
嶋たちはキッチンやダイニング、洗面所やお風呂場を探す。しかし、どこにもマイクはなかった。
その後、二人はリビングへ行った。リビングには伴たち三人がいる。彼らはテレビを観たり、漫画を読んだりしていた。嶋たちはリビングを調べる。
「何か探してるの?」
二人の様子が気になったらしい伴がそう訊いた。
「マイクを探してるんです」と、嶋が答える。
「マイク? マイクってカラオケ用の?」
「そうです」
「そりゃあ、こんなところにあるはずは……」と、伴が笑う。
「いや、それがカラオケ室にないんですよ……。二本とも……」
嶋がそう話すと、「え?」と、伴は驚いた。
それから、嶋は三人の方を見る。
「あ、皆さんの中でそのマイクをどこかで見た方いませんか?」
嶋がそう訊くと、伴ら三人は嶋を見る。
「いや、見てないけど」と、伴は答える。
「私も見てないです」と、鷲尾が言う。
「ウチも」と、箕輪も言った。
「そうですか」と、湯川は呟く。
「分かりました。ありがとうございます」
嶋はそう言って、再びリビングを探した。けれど、この部屋にもマイクは無さそうだった。
嶋たちはそこを探すのをやめて、ダイニングへ戻った。少しして、中森、加賀谷、桜庭の三人もダイニングへ戻って来た。
「どうだった?」と、湯川が三人に訊く。
「自分たちの部屋を見たけど、どこにもマイクなんかなかったよ」
加賀谷が言った。
「小山内さんたちがいた部屋は?」と、嶋が中森たちに訊く。
「見たけど、マイクなんてなかったよ……」と、中森が答える。
「そっか……」
嶋は残念そうに言う。
「リビングも、ダイニング・キッチンもなかったし、トイレや洗面所とかにもなかったよ」
それから、湯川がそう話した。
あとで伴たち三人にも部屋を見せてもらったが、特にマイクらしいものはなかった。
「それじゃあ、本当に消えたってこと!?」
桜庭がビックリしたように言う。
「そんな馬鹿な……」
中森が呟く。
「いや、そうじゃない。多分、このペンションにはもうないんだよ!」
それから、湯川が大声で言った。
「このペンションにない? じゃあ、どこにあるっていうんだ?」
中森が湯川を見て訊く。
「ここにないなら、このペンションの外とか……」
湯川は今度、冷静にそう言った。
「なるほど……。うん、凶器を外へ捨てたということもあり得る」
嶋は納得して言う。
「ねえ、皆、寒いけど、外を探してみよう」
それから、湯川がそう皆に提案した。
それぞれがダウンジャケットやコートを着て外へ出た。
「うー、寒い……」
外は相変わらず雪が降りしきっていた。極寒である。そのペンションの周りは雪が積もっていた。
嶋たち五人はペンションの周りを歩く。
「どこにマイクがあるっていうんだよ!」
中森が愚痴るように言う。
「このペンションの周りのどこかに落ちていると思うんだけど」と、湯川は言う。「もしかすると、雪で埋もれてるんじゃないかな」
なるほど、と嶋は思った。確かにその可能性が高い。
「埋まっているって、どうやって探すんだ? 手で掘れって?」
中森が文句を言う。
「いちいちうるさいなあ。そうするしかないだろ。もしそれが嫌なら、スコップでも捜してきて掘れよ!」
湯川は反撃するように中森に言い返す。
「ああ、俺はそうするよ!」
そう言って、中森はペンションの裏側へと歩いて行く。ペンションの裏手には物置のようなものがあった。
「おっと!」
それからすぐ中森が足を踏み外したらしく思い切り転倒した。
「痛え!!」と、彼は叫ぶ。
「大丈夫?」と、加賀谷が中森の所へ駆ける。
「アハハハ。ダッセー」
それから、湯川が中森の転んだのが可笑しくて笑う。
「笑うなよ! てか、今何か硬い物を踏んだんだ!」
そう言いながら中森は立ち上がり、ズボンの雪を払った。
「ウソ!? 硬い物?」と、湯川が目を丸くする。
「それってもしかして……」
嶋が呟くように言う。
「中森、そこだ!」
それから、湯川が大声で言った。
「え?」
中森は何を言われたかすぐには分からず、呆然と立ち尽くしている。
「いいからそこを掘れ!」
そう言って、湯川も中森の所へ駆ける。嶋も後を追う。
「え? ああ……」
ようやく事態が呑み込めたらしい。中森はすぐにその場にしゃがみ、その辺りの雪を手で掻いた。湯川と嶋もそこへ着くと、すぐにその場の雪を協力して手で掘った。
しばらくすると、赤黒い雪が見えた。
「あった!」
湯川が大声を出す。――そこから血の付いたのマイクが二本出てきた。
「マジか……」
中森がビックリして、思わず尻餅をつく。
全員がその血まみれのマイクを確認した。




