18
それから、皆で小山内を探す。二階の全員の部屋を見たが、そこにはいなかった。その後、全員で一階へ降り、リビングやキッチン、ダイニング、トイレ、洗面所、そして、お風呂場と調べたが、どこにもいなかった。
「後は……カラオケ室ですね」
カラオケ室の前で、嶋が恐る恐る言った。
「入ってみよう」と、中森が言った。
嶋は頷き、その扉を開ける。電気のスイッチを付けて、嶋はゆっくりと中へ入る。その後、中森や他の全員が中へ入った。
「い、いた!」
嶋はそこに小山内が倒れているのを発見した。
「キャーーーー!!」
箕輪が悲鳴を上げてすぐに顔を隠す。
「う、ウソ……」
それから、鷲尾が彼のその姿を見て声を漏らした。「充くん……」
鷲尾はその場に崩れ、急に泣き出した。
他のメンバーたちはその場に立ち尽くした。
「小山内まで殺されるなんて……」
しばらくして、伴が小声で言った。
「これじゃあ、今日の撮影は難しそうですね……」
それから、湯川がそう言った。皆が一度、彼の方を見る。そうなってしまうことを思い出して視線を外す。
「続けるんですか?」
ややあって、嶋が伴に訊いた。
伴は嶋を睨んで答える。「できるわけないだろ?」
「それじゃあ撮影は……」
「中止だよ! ちゅ・う・し!!」
伴は大声で言った。
「はあ、一体誰が二人を殺したんだよ!!」
それから、伴は怒るようにそう言う。
「そんなん言ったって、犯人は出てきませんよ!」と、湯川は言った。
「んなの分かってるよ。言っただけだし……」と、伴は呟く。
「逆に今、ここで犯人が自主的に名乗りだしても、それはそれで怖いですけど……」
湯川はそう言って、クスクス笑う。
「笑い事じゃないだろう」と、中森が湯川を指摘する。
中森にそう言われ、「そうだね」と湯川は言って真顔になる。
少しして、伴が咳き込んだ。皆が伴を見る。
「大丈夫ですか?」
嶋が心配して言う。
「ちょっと気分が悪くなってきた。ゴメン、向こうへ行くよ」
そう言って、伴はリビングの方へ歩いて行った。
嶋も臭いが気になった。部屋は少し異臭がする。これ以上この部屋にはいられないなと思い、「僕たちもここを出ましょう」と、皆に呼び掛けた。皆が頷く。
皆がその部屋を出た後、嶋は最後にそこを出て扉を閉めた。それから、嶋たちはリビングやダイニングへ行く。
リビングへ行くと、伴がソファに座っていた。箕輪と鷲尾もそのソファに腰を掛けた。しばらくそこで休むことにした。
嶋たちミステリー研の五人はダイニングのテーブルに腰掛けた。
「コーヒーでも淹れようか」と、加賀谷が言った。彼女はキッチンで桜庭と二人で全員分のコーヒーの用意をした。
コーヒーが出来上がり、桜庭が五人分のコーヒーをテーブルに置いた。加賀谷は三つのコーヒーをトレーに乗せてリビングへ行く。
「コーヒー淹れたんで、よかったらどうぞ」
加賀谷はそう言って、伴たち三人にコーヒーを差し出した。
「ありがとう」と、伴はお礼する。
「志歩ちゃん、ありがとね」と、箕輪は笑顔で言った。
鷲尾はこくりと頷いてお礼した。
加賀谷はダイニングに戻り、空いている席に座った。
「これからどうする?」
ふと、中森がそう言って頭を掻く。
「どうするって、警察が来るまではここにいないとでしょ?」と、加賀谷がコーヒーを啜って言う。
「だけど、警察はいつ来るんだ?」
中森が加賀谷に訊き返す。
「私に訊かれたって、知らないわよ」と、加賀谷は言った。
「来たとしても、明日か明後日くらいじゃないかな?」
それから、嶋がそう言った。
「明日、明後日か……」と、中森は呟く。
「いや、警察が来ないことも考えなければならないよ」
その後、湯川がそう言った。全員が彼を見る。
「どういうこと?」と、加賀谷が湯川を見て訊く。
「思い出してみなよ。ここは辺境の地だ。さらに、今日は正月だ。正月は一般的に休みだろ? だから、どこも休みだ。知ってる? 警察官も年末年始は休暇になることがあるんだよ。つまりね、来ない可能性もあるということさ……」
湯川はゆっくりとそう話した。
さらに彼は話を続ける。「少なくとも三日までは休みだろうから、来たとしても一月四日以降になると思うよ」
湯川がそう言うと、「そんなあ……」と、加賀谷が残念そうに言った。
「でも、四日は船が来る日だよね?」
それから、桜庭がそう訊いた。
「そうだね」と、湯川は頷く。
「それで帰れるんだよね?」
「もちろん。ただ……あと三日もある」
湯川はそう言って黙る。
「三日は長いな……」
中森が呟くように言った。皆が黙って頷く。
「それより、誰があの二人を殺したんだろう……」
ふと、嶋がそう呟いた。




