表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
16/30

15

 それから、全員がリビングに集合し、映画の本読みを始めた。全員、自分のスマホを持ち、その台本を見る。

 このミステリー映画の内容はこうである。

 とある屋敷に四人の家族が住んでいる。そこへ娘の彼氏がやって来て、そこで五人は一夜を過ごす。その翌日、館主が殺害されていた。そこには、館主の妻、娘二人(姉妹)、館の使用人、メイド、姉の彼氏の六人がいた。一体、誰が館主を殺害したのかというものである。

(結末までいうと、犯人は、「娘(姉)」である。彼氏と館主の妻は「不倫」をしていた。館主は妻の不倫を知っており、娘を庇うために「彼氏と別れなさい」と言う。しかし、娘は急に父親から「彼氏と別れなさい」と言われたことでカチンときてしまう。それが殺人の動機である。)

 因みに、配役はこうである。

 館主は伴。館主の妻を鷲尾。娘(姉)役を箕輪。彼氏役は、大門の代わりに小山内が演じる。そして、屋敷の使用人を嶋。メイドを加賀谷。妹役を桜庭が演じる。中森と湯川の二人は警察官(二名)を演じることとなった。

「それじゃあ、行くよ! とりあえず、シーン1ね」

 伴のその一言で、本読みがスタートした。


 リビングの時計は午後一時を過ぎていた。本読みを始めて二時間が経っていた。

「はあ、疲れた」

 本読みが終わると、中森がすぐにそう言った。

「なー。本読みだけでも、こんなに大変なんだな……」

 それから、湯川が欠伸をしながら言った。

「ねー。普段、こんなことしないからね……」と、加賀谷が笑う。

「だよねー」と、桜庭も微笑む。

 その会話を聞いていた演劇サークルの皆が可笑しくて笑う。

「いやー、良かったですよ!」と、伴はミステリー研の皆を褒めた。

「本当ですか?」と、嶋が言う。

「うん。初めてにしては上出来です」

 そう言って、伴は笑う。

「そうですか。良かったです」と、嶋も笑う。

 他の演劇サークルの皆も笑顔で頷く。

「これならすぐ撮影にも移れそうですね」と、伴は言った。

「それにしても、お腹減らない?」

 それから、小山内が皆にそう訊いた。

「そうね」と、鷲尾が頷く。

「ウチも、お腹空いた~」と、箕輪が言う。他の何人かも頷いた。

「それじゃあ、お昼にしようか。私、すぐ作るね!」

 鷲尾がそう言って、キッチンへ向かった。

「あ、私も手伝います」と、加賀谷も後に続く。「あたしも」と、桜庭も二人の後を追う。

「そしたら、お昼食べて少し休憩したら、撮影に入ろう!」

 それから、伴がそう言い、胸ポケットから電子タバコを取り出す。

「了解」と、小山内が言う。

「オーケーです」と嶋が言い、中森と湯川は首を縦に振った。

 十五分ほどして、お昼ご飯が出来上がった。お昼は昨日のカレーの残りであった。皆がリビングとダイニングに分かれてそれを食べた。

 お昼を食べた後、午後二時まで休憩して、それから、撮影に入ることにした。

 その映画のシーンは全部で十シーンあった。撮影には時間が掛かるので、その日は半分のシーン5まで撮影することにして、残りは明日撮ることにした。

 全員が衣装の着替えをしに二階へ上がる。着替えを済ますと、全員が再びリビングに集まった。

 嶋は少し緊張する。映画撮影など初めてのことだからである。他のミステリー研の皆も同じような様子だった。

「それじゃあ、シーン1から行きます。ヨーイ、アクション!」

 伴のその掛け声で撮影が始まった。


「はい! カット!!」

 伴は大声で言う。そこでシーン5までの撮影が終わった。壁の時計は午後六時を過ぎていた。

「はぁ~疲れた……」

「フ~~」

 ミステリー研の五人がそれぞれ息を漏らす。

「いや~、素晴らしい」

 それから、伴がそう言って拍手する。演劇サークルの他のメンバーも笑顔で彼らを見た。

「うん、良かった!」と、箕輪が言う。「ウチ思ったけど、これ、部長のおかげというより嶋さんやミステリー研のみんなのおかげじゃない? こんな面白い作品作れたの!」

 箕輪が伴を横目に言った。

「もちろん、そうだね」と、伴は頷く。

「いやいや」と、嶋は手を振る。「こんなに人数がいると、配役を決めたりセリフを考えたりするのも大変でしたよね」

「そうだね。だけど、人数が多い方がよりいいし、より面白くなるよ。やっぱり人数は大事かな」と、伴は話す。

「ウチ、お腹空いた……」

 それから、箕輪がそう言った。

「撮影すると、腹減るよな。飯にしようか」と、伴が言う。

 何人かが頷いた。

「それじゃあ、私、夜ご飯の支度するね」

 それから、鷲尾が言ってキッチンへ向かう。加賀谷と桜庭が顔を見合わせ、二人もキッチンへ向かった。

 それ以外のメンバーたちは夕飯が出来上がるまでのんびりすることにした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ