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十二月三十一日。
小山内は目を覚まし、スマホを探す。スマホを見ると、画面の時計は八時五十七分と表示されていた。
「もう九時か……」
そろそろ起きようと思い、小山内は布団から上体を起こした。
ふと、彼は隣の布団を見る。小山内は大門と相部屋である。その時、そこに大門の姿はなかった。
「早いなぁ。あいつ、もう起きてるのか。さ、僕も下へ行こう」
そう独り言ち、小山内は部屋を出て一階へ降りた。
リビングへ行くと、伴と箕輪がいた。
「おはよう」と、小山内が二人に声を掛けると、
「お、起きたか!」
「あ、充くんおはよう!」
と、二人が彼を見て言った。
それから、ダイニングやキッチンの方で声がしたので、小山内はそちらへ行く。
キッチンには鷲尾がいた。彼女は朝ごはんを作っていた。そして、ダイニングにはミステリー研の嶋、中森、湯川の三人がいた。三人ともスマホをいじりながら話していた。
「おはよう」
小山内が声を掛けると、鷲尾が彼に気付いた。
「あ、充くんおはよう。コーヒー飲む?」
それから、鷲尾が小山内にそう訊いた。
「ああ、うん」
小山内が頷くと、「じゃあ、今作るからそこに座ってて」と、鷲尾は言ってコーヒーを淹れてくれる。
「はい、どうぞ」
鷲尾は出来たコーヒーを小山内の前に置いた。
「ありがとう」
小山内は鷲尾にお礼を言って、一口コーヒーを啜る。
「はあ、温まる」
寒いので、温かいコーヒーが体に染みわたるなあと小山内は思った。
「あれ? 大門は?」
それから、小山内が鷲尾に訊いた。
「え? 大門くん? まだ寝てるんじゃないの?」
鷲尾が小山内を見て言った。
「いや、僕が起きた時にはもう部屋にはいなかったよ」と、小山内は言う。
「あ、そう……。あ、三人は大門くん、見てませんか?」
それから、鷲尾が嶋たち三人に訊いた。
「いえ、僕も見てないです」と、嶋は答える。
「俺もです」と、中森が言った。それから、湯川も頷く。
「そう……ですか」
小山内は静かな声で言った。
部屋にもリビングにもいないとなると、どこにいるのだろう。
小山内がそう考えていると、「トイレにいるとか? それか、外でタバコを吸ってるんじゃない?」と、鷲尾が言った。
「あー、外か……」
小山内は納得してそう呟き、コーヒーを啜る。
少しして、リビングから伴がやって来た。
「あ、皆さん、本読みを十時からカラオケ室でやるので、そのつもりでお願いします」
伴が皆にそう言った。皆が一度、壁の時計を見る。壁の時計は九時半を指していた。
「分かったわ」と、鷲尾が頷く。他の四人も「はい」と返事をした。
それから、伴はリビングへと戻る。
「加賀谷さんと桜庭さんがまだ起きてきていないね」
それから、湯川がそう言った。
「あ、そうだね」と、中森が気づく。「まだ寝てるのかな?」
「十時から本読みなら、そろそろ起こしに行かないとね……」
嶋がそう言って席を立ち上がろうとした。すぐに廊下から足音と二人の女子の声が聞こえた。
「「おはようございます」」
加賀谷と桜庭がダイニングへやって来て言った。
「あ、おはよう」と、嶋が二人に挨拶する。「十時から、本読みやるってよ」
嶋がそう言うと、「十時!?」と、加賀谷が驚きながら壁の時計を見た。桜庭も時計を見る。それから、「了解」と、加賀谷は言った。
二人はダイニングの空いている席に着く。
「あ、二人ともコーヒー飲む?」
それから、鷲尾が二人にそう訊いた。
「あ、お願いします」と、加賀谷が言う。「ありがとうございます」と、桜庭も言う。
すぐに鷲尾がコーヒーを作り、二人の前にそれを置いた。
「いただきます」と言って、加賀谷はコーヒーをフーフーしてから一口啜った。「うん、温まる」
桜庭もそれを一口飲む。「ね」
「ごちそうさま。さ、僕たちも着替えや準備をしよう」
それから、嶋が手を合わせて言い、席を立った。それに続くように、中森と湯川も席を立つ。三人は二階へ上がり、自分たちの部屋へ行く。
「ごちそうさま」
小山内もコーヒーを飲み干して言う。
「食器、そのままでいいよ」
キッチンに立つ鷲尾が言った。
「悪いね」
小山内は彼女にそう言い、そのままにして席を立った。彼も着替えをしようと、二階へ上がった。




