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「皆さん、ご飯出来ましたよ!」
午後六時を過ぎた頃。鷲尾がリビングでゲームをしている男子たちに声を掛けた。
「はーい」
「今、行きます!」
小山内と中森が返事をする。すぐに四人はゲームを中断し、ダイニングへ向かった。四人はそれぞれダイニングテーブルの席に着く。
「カレー美味そう!」
大門はテーブルのカレーを見て、嬉しそうに言った。
「どうぞ召し上がれ」
鷲尾がそう言って、四人に食事を勧めた。
「いただきます」と、四人は手を合わせてそのカレーを食べた。
「うん、うまい!」
大門は一口食べて言う。他の三人も美味しいと言ってどんどんと食べ進めた。
「あれ? ビールとか無かったっけ?」と、大門が訊いた。
「あるよ!」と、鷲尾が言う。
「一本ちょうだい!」と、大門が言った。
鷲尾は冷蔵庫から缶ビールを取り出し、それを大門に手渡した。
「サンキュー」と、大門は彼女にお礼を言う。
「他に飲む人は?」
それから、鷲尾が他の人たちに訊く。小山内と中森も手を上げた。鷲尾は冷蔵庫から缶ビールを二本取り出し、二人に渡した。
大門、小山内、中森の三人は缶を開け乾杯する。それから、そのビールを飲んだ。ぷはーっと三人は息を吐く。
「ああ、いい匂いがする……」
少しして、二階にいた伴、嶋、箕輪の三人がそこへやって来た。
「カレーか!」と、伴は嬉しそうに言った。
「そうなの」と、鷲尾は頷く。「伴くんと嶋さんもそこに座って」
鷲尾は二人にダイニングテーブルに座るように勧めた。伴と嶋は空いている席へ座った。それから、加賀谷がカレーを二人分盛り、桜庭がそれをトレーに乗せて二人の前に置いた。
「ありがとう」と、嶋はお礼を言う。
「どうも。わ、おいしそう!」と、伴は嬉しそうに言った。
二人も手を合わせて、早速そのカレーを食べた。
「うん、うまい!」と、伴が笑顔で言う。「おいしい」と、嶋も言った。
「良かった」
鷲尾がホッとしたように言った。加賀谷と桜庭の二人も微笑む。
「ねえ、由姫。ウチも食べたいよ!」
それから、箕輪が鷲尾に言った。
「うん」と、鷲尾は頷く。「私たち女子はそっちのリビングで食べよう!」
「OK!」
箕輪がそう返事して、リビングのソファに座った。それから、鷲尾たち三人も四人分のカレーをよそい、リビングへ行く。
「お腹空いた~」
「ねー」
「それじゃあ、いただきます」
鷲尾たち四人も手を合わせてそのカレーを食べた。
「由姫、このカレー美味しい!」
箕輪が一口食べて、ビックリするように言った。
「本当? 良かった」
そう言って鷲尾は笑う。
「純也、映画の脚本の方はどうだい?」
それから、小山内が伴に訊いた。
「ああ、一段落したよ」と、伴は笑顔で言う。
「すごいね!」
「嶋くんと環奈のおかげだよ」と、伴は言う。
「もう本読みはできるの?」
「できるよ。明日の午前中にやるつもりだよ。で、午後から撮影の予定」
伴は男子全員を見回して言った。
「そっか。分かった」と、小山内は頷く。
「どんなもんになったんだ? まあ楽しみにしてるよ」
大門がそう言って笑う。
「そういや、さっきずいぶん賑やかみたいだったけど、大門たちは何していたんだ?」
その後、伴が訊いた。
「ああ、オレたち、さっきまでリビングでゲームをしていたんだ!」
大門が嬉しそうに答える。
「ゲームか!」
「そう。なんか懐かしいゲームがいっぱいあってね」
大門がそう言うと、「懐かしいゲーム?」と、伴がリビングのテレビの方を見た。
「ほら、アレとかアレとか」と、大門がいくつかのゲーム機を指さす。
「あ、ゲームキューブ? え、プレステもあるんだ!」と、伴は驚く。
「そうそう」
「へー、懐いなあ。やっぱ、『平成壮』っていう名前だけあるなあ……」
そう言って、伴は辺りを見回す。
このペンションは、リビングもダイニングも廊下も二階の寝室に至るまで壁紙や家具など、彼らが子どもの頃の「平成」時代を模した造りになっていた。そのため、この別荘が「平成壮」という名がつけられていた。伴はそれをこの別荘のホームページを見て知った。面白い別荘だなと思い、今回、この別荘で合宿することを思いついたのだった。
「漫画もあるよね」と、鷲尾が言った。
リビングの本棚には、沢山の漫画があった。
「ワンピースに、ドラゴンボール、ナルト、コナン、ハガレン……それに、進撃の巨人まで……」と、小山内が本棚を見て言う。他にも漫画はあった。
「へー、どれも平成の漫画ばかり!」と、伴は感心する。
「ねー、懐かしいよね」と、鷲尾は微笑む。「後で読もうかな」
鷲尾がそう言った後、何人かが頷く。
「そういや、カラオケ室はどこにあるの?」
それから、鷲尾がそう訊いた。
「ここ一階の廊下を挟んだ向かい側にあるよ」と、伴が言った。
「そうなんだ」
「カラオケ室があるのも、平成レトロっぽいよね」
それから、小山内がそう言う。
「うん。あ、ねえ、後で皆でカラオケしない?」
鷲尾が皆に提案して言う。
「いいね!」と、伴は言った。
「ウチもやりたい!」と、箕輪が賛同した。
「あ、もちろん、ミステリー研の皆さんもぜひ!」
それから、鷲尾が嶋たちを見て言った。
「いいんですか?」と、嶋は言う。
「ええ」と、鷲尾が微笑む。
「じゃあ、お言葉に甘えて」と、加賀谷が言った。




