第42話 関係者への挨拶巡り
先ほど50話を書き終えました。
今日で一気に流し込みます。
感無量であります。
父になるのはいいとして、最強種族である「龍族」の長になるのはどうしたらいいものか。
俺は悩んだ末、再び黒曜石の像を通じて神に相談した。
『ん? いいんじゃない? 適当で』
それだけだった。
……おい。
お土産(お供え)として渡した「千疋屋レベルの高級メロン詰め合わせ」、返してほしい。
◇
■しゃぶしゃぶ互助会(期間限定)
牧畜が成功しすぎて、いい肉が食いきれないほど余っていた。
そこで「ごはん処・互助会」では、期間限定で高級しゃぶしゃぶ食べ放題を始めていた。
湯気立ち上る個室に、元日本人メンバーと、領主パラレルファミリーを招集した。
俺は、ファミマとクレメンスの妊娠、そして龍王代理(ほぼ確定)になった件を報告した。
「……というわけで、俺はこれから更に忙しくなる」
「そりゃすごいなぁ。ショウ、おめでとう!」
チークワンブーがポン酢の小皿を置き、改まった顔をした。
「実は俺からも、発表することがあるんだ」
「なんだ? 新商品か?」
「いや……シリアルと、入籍することになった」
隣に座っていたシリアルが、無言で頬を染めて頷く。
……マジか!
経済顧問(パン屋)と、敏腕プロデューサー。
この街の裏番長同士の結婚だ。
「えっ!? じゃあ、チークワンブーさんが僕の義理の兄さんになるんですか!?」
パラレルが目を丸くしている。
そうだ。
シリアルはパラレルの実姉だ。
「めでたいねぇ! じゃあ、今日は祝い酒だ。乾杯しようか!」
ジャガが音頭を取り、みんながグラスを持った。
俺も手近な瓶を掴もうとすると――
「ショウはダメ! 絶対ダメ!」
紅はるかが血相を変えて俺の手を押さえた。
「なんでだよ。めでたい席だぞ」
「あんたが飲んだら、この部屋にいる女性陣全員、妊娠しちゃうから」
「……」
紅はるか女史、なかなか言いおる。
俺は大人しくウーロン茶にした。
◇
■チーギュウ城・貴賓室
翌日、俺はクレメンス(ハシガミ)を連れて、実家への報告に向かった。
王一家――オワコン王、レスバ王子、グウカワ王女が揃っている。
妊娠の報告を済ませると、オワコン王が静かに立ち上がった。
「……よし。ワシも引退じゃ」
「はい?」
「なんでですか父上!?」
レスバが叫ぶ。
「頃合いじゃよ。ワシも隠居して、可愛い孫を愛でて暮らしたい。
……というわけでレスバ、あとは頼んだぞ。
明日からお前が王じゃ」
「いやいやいや! 無理ですって! ここは長女の姉上が継ぐべきでしょう!」
レスバがクレメンスにすがる。
「無理よ。私、妊婦だし。龍族に嫁いでるし」
「じゃあ、グウカワ!」
「私やってもいいけどー、仕事は全部レスバに投げるから。
ハンコ押すだけならやるよ?」
「……うぐっ」
レスバが頭を抱える。
実質的な業務をやるのは自分だと悟ったようだ。
「……男女平等社会なんでしょ!? 最高権力者だぞ!? もー!!」
結局、レスバが次期国王に内定した。
俺が龍王となった時の外交相手は彼になるわけだが……
まあ、実質的な決定権は嫁にあるので、家庭内で話せばいいか。
◇
その後、近隣諸国への挨拶回りを行った。
南大陸の国々は、クレメンスが裏で仕切っているので問題ない。
問題は、北の隣国(モレシャン、エリカトラウデ)と、魔族の国だ。
俺は直接面会して、「次期龍王」としての挨拶をしたのだが……。
「おお、ショウ殿! 王就任おめでとうございます!
……ところで、我が国への『インターネット開通』はいつになりますか!?」
「光ケーブル! 光ケーブルを!」
どの国の王も、俺の就任より「ネット回線」の話題で持ちきりだった。
ラジオやテレビで、ショウタウンの情報の速さを知っている彼らは必死だ。
「……予算を持ってくれるなら、いつでも光ケーブル引いてやりますよ」
俺は溜息交じりに答えた。
こっちは、どこまで引いたらいいか分からない
広大な「南大陸」のインフラ整備も背負っているんだぞ。
龍王の仕事とは、つまり「世界中を光ファイバーで繋ぐこと」になりそうだ。
光ファイバーっていうより、送受信機の性能によるよね。




