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終末に向かう世界に希望なんて見つかるのだろうか?  作者: 早寝早起き
第6章:ウイルスの変異と新たな脅威編
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警察署内での事。

 翌朝、吹雪が止み、予定通りに警察署内へ向かう。

 何かがいる気配は、建物周囲には無い。

 なので全員で一緒に動く。


 俺的には委員長に、スナイパー的な役割をお願いしたかったんだけどな。


「1人で居残りなんて、乙女の危機です!」


 とか言うからさ。

 ジト目で見たけど、本気みたいだし諦めた。

 委員長。今の君は接近戦でも、それなりに戦えますよ?


 一生懸命、金○を練習してた事、俺は知ってるんだから。

 それを教えたのが、何故か姫だったことも。


 ちょっと想像して、寒気が来たから忘れようと思う。



 それはさておき、警察署は下の階が雪で隠れている為、いつもの様に窓から侵入。


 付いていたはずの鉄格子は、グニャグニャに曲げられていたよ。


 これだけでも変異ヒグマが、どれだけ危険かわかる。


「これは酷いな」


 置かれていたデスクとか、原型が分からないほど破壊されている。

 壁や廊下には、(おびただ)しい血痕。

 肉片もあるし、思わず姫の目を塞いだよ。

 本人は気にして無いみたいだけど。


 不思議なのは、ゾンビを見かけない事だ。


 例え喰われたんだとしても、丸呑みされた訳じゃ無いだろうに。


 不安を感じたので、別行動はしない事に決めた。

 このフロアは足元に破片などがあり、探索が難しいから上の階へ上がる。

 階段にも血痕や肉片がこびりついていたが、もう必要以上に意識しない事にする。


 上がった階は、下と違い個室が並ぶフロア。

 ここは各課毎に部屋が割り当ててあるな。

 交通課、警務課、刑事課など、札が付いている。


 書類関係に興味も無いし、時間はかけないつもりだ。

 食糧系があればラッキーだけど。

 武器関係は、こう言う場所には無い。


 日本の警察は、銃の管理は徹底されてるからな。

 あるとすれば保管室。今はたぶん上の階だろう。

 遺体があれば探るんだけどなぁ。


ガタン。


 ⁉︎ 突然の音に驚くが、声を出すメンバーは居ない。

 これだけでも、お前たちは普通じゃないと言いたい。

 窓からの風......では無いな。

 音の響きから、このフロア内の様だ。


 俺は皆にハンドサインで待機を指示。

 静かに廊下へ出て、音の聞こえた方向へ移動する。

 ん? 取り調べ室?


 そんな部屋がある事は知っていたが、実際に見るとなんだか少し感動を覚える。

 たが、今はドラマ的な話は後だ。


 俺は部屋の扉に耳を澄ます。

 たぶん少しドアが分厚いんだろ。

 それでも振動でわかるんだけどな。


 ドアや壁が壊れてないし、生存者が居ても不思議ではない。

 なんだけども! 

 この狙ったようなタイミングで、音を立てるのもおかしい。


 ゆっくりドアノブを回してみる俺。

 ほらほら。

 普通は鍵掛かってるはずじゃね?


 そう考えたが、俺も捕まった事無いし分からん。

 感覚的にヒグマでは無いし、もう一気に確認する事に決めた。


バンッ!


「ひぃいいい」


 ドアを勢い良く開けた瞬間、悲鳴をあげる女性が1人。

 制服着てるし婦人警官だろう。

 コスプレじゃないはず。


「大丈夫っすか? 俺、人間ですけど」

「に、人間⁉ 良かった......はっ⁉ ここで何してるの! 不法侵入!」


 何言ってんだ? この人。

 今更、不法侵入もなにも、あんたらだってやってんだろうが。


「はいはい。落ち着いて貰えませんか。別に貴女に用事も興味もありませんので」

「な、何しに此処へ? うちの署員に捕まるわよ?」

「ふぅ。何時からこの部屋に居たんですか? もうこの署内に誰も居ませんけど?」

「え⁉ じゃ、じゃあ。皆、あの変なクマみたいなのに?」


 本当に警官なんだろうか?

 俺は婦人警官の様子に警戒を解く。

 聞きたい事はあるけど、協力が得られるか分からないなぁ。


 ここは委員長達も呼んだ方が良いかもしれない。


 という事で、動揺する婦人警官さんを仲間の元へ。

 この婦警さん。名前はレイさんと言って、この署の「児童虐待対策班」所属だと聞いた。

 だからなのか? りさちゃんとりょうたには、非常に好意的だ。


 俺が親じゃないと分かると、かなり色々質問されたんだけどな。

 隠す事でも無いから、掻い摘んで今までの話をしたよ。

 その証拠に子供二人が俺に懐いてるし、信用できると判断されたけど。


 正義感が強いのは職業柄、仕方ないんだろうけどさ。

 警官の押しの強さがどうにも苦手だわ。

 

「じゃあ貴方達はここに食料補給に? それとその武器って」


「話した通りです。銃も返しませんよ? 今更不法所持とか言われても、警察や自衛隊が動かない以上、文句言われる筋合いは無い。奪うならこの場で戦いますけど?」


 俺がそう言った際、レイさんが動くより早く、ナイフを抜く委員長とりょうた。

 それを見たレイさんは苦笑いを浮かべ、両手を上げて降参ポ-ズ。


「怖いわね。私も出来ない事はしないわ。それに貴方に言われた事も耳が痛い話だし」


「変な事をしない限り、俺達は貴女を襲いません。敵対するなら容赦もしませんけど」


「わかったわよ。じゃあ提案なんだけど、この署内を一緒に調べるって言うのはどうかしら? 私なら案内役が出来るし。これでも少しは戦えるから、足手纏いにはならないわ」


 提案自体は願っても無い話だ。

 これが罠じゃ無かったら、と言う前提だけどな。

 勘の良い天使が拒否しないから、ここはその提案を飲んだ。


 直ぐ上の階が留置場と聞き、俺は興味ないからスル-しようと提案した。

 でもレイさんの話を聞いて、その考えを改める。


 何とそのフロアが、武器と食料の保管場所になっていると言うのだ。


「意外でしょ? 今は地下が使えないから、鍵の掛かる場所ってここしかないのよね」


 そう言われて納得だ。

 地下は酸欠の危険があるし、上階で管理するなら鍵がかかる場所になるもんな。

 因みに拘留中だった人間は、既に違う場所へ移動されたらしいよ。

 何処かは聞かないけどな。


カチャ。



「ここよ。ほら中にどうぞ」

「あはは。レイさん。そんな罠にかかるほど、警戒は解いてませんよ」


 俺はレイさんに向けて拳銃を構える。

 りょうたと委員長も既に散開して距離を取っている。


「ちょ、ちょっと! 私も迂闊だったけど、そんな気は無いわ! ほら拳銃も所持して無いから!」


 言葉通り受け取れる程、俺達には人間関係も出来ていない。

 俺も含めてさ。全員が他人を信用するには時間が掛かる。

 表面上は気を許していても、悪意が見えれば直ぐに身体が動くんだよ。


 レイさんも俺達を信用はしてない。それは警官だから仕方ないのかも知れない。

 だから今の様に俺達を試す。

 でもその行為は俺達を敵に回すよ?


 今なら平気で、委員長もりょうたも撃つから。

 俺の影響なのか、二人とも仲間以外には容赦ないんだよ。

 

「悪いんですが、レイさんは、入り口付近から動かないで下さい。動いたら撃たれますよ?」


 そう言って俺と姫だけ中に入り、部屋の中を物色。

 残っていた保存食は、あの監視に使った建物にあった物と一致。

 結構な数量があるので、皆のリュックに詰めれるだけ頂いた。


 俺は銃弾を中心に必要な物を集めて行く。

 これ以上ライフルも拳銃も持てないから、勿体ないけど放置するしかない。

 

「あ、貴方たちはこれからどうするつもり?」


 レイさんのその問いかけに、誰も答える事は無い。

 俺達の此処での用事は終わったんだ。

 もう直ぐにでもこの場を離れたい。


 でもそれは無理だから、この留置場を利用させてもらう。

 先にレイさんを空いている部屋へ入ってもらい、外から鍵を掛け隔離する。

 抵抗されるかもと思ったが、素直に入ってくれたよ。


 それから俺達も留置所内の別の部屋に入ったんだけどさぁ。


「何か想像以上に何も無い。トイレあっても今は使えないし。この背中の痛いベットもなぁ」


 俺はベットに寝転がって、そう呟いたんだ。


 他のメンツ?


 委員長と一緒に、看守さんごっこしてますけど? 


 目的を達成できた事で、気持ちの余裕はある。

 これならあそこに向っても問題無いだろう。

 俺は仲良く遊ぶ仲間を見ながら、少し仮眠を取る事にしたよ―――


 

 


 

 


 

 


 

 




 


 


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