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神様からのいらない贈物  作者: ケンケン
冬春の闘い
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第71話

 姉達が来てから一週間ほど過ぎたある日


 真はここ最近、同じ毎日を送っている。朝起きるとすぐにロードワークに出かけ、帰ってきたら朝ご飯を食べそのままスポーツジムへ。スポーツジムでは九時から一七時までみっちりとトレーニングで汗を流し、それが終わると帰宅。そして夜ご飯を食べ二十二時には就寝。


 そんな毎日を送り続けていた。

 そして今もスポーツジムで身体を苛め抜いている最中である。


 「……一九九、二〇〇。よし、次は腕立て二〇〇回だ」


 「はぁ、はぁ、はぁ……。はい」


 「ぐずぐずするな。すぐに取り掛かれ真」


 「はい」


 トレーナーである石田から何度も飛んでくる容赦のない檄。それに対して真は文句ひとつ言わず黙々と言われたトレーニングをこなしていく。

 真の体中からは汗が滴り落ち、着ているTシャツは汗だくで身体にぴったりと張り付いている。ここまでして勝ちたい相手、正確には勝ちたい試合なのだ。


 「……二〇〇。よし午前のトレーニングは終了だ。クールダウンしたらご飯食べにいくぞ……ってどうした?」


 腕立てを二〇〇回やり終えた真は終わった瞬間そのまま床に突っ伏してしまう。その様子に疑問を持った石田は真に質問してきたのだが真はそれどころではなかった。

 最後の二〇〇回をやり終え顔を上げた時に目に入った人物がおり、それを見た瞬間真の身体から力が抜けてしまったのであった。

 状況のつかめていない石田は何度も真に声をかけてくるがそれに応える余裕は今の真にはなかった。


 「お疲れ」


 突っ伏している真の上から声がかけられる。その声に石田も反応し顔を真から声のした方に向ける。そして、そこにいたのは一人の若い女性であった。その女性はタオルを真に差し出していた。真にとってはよく知っている、だが石田には初対面である女性に対して石田はすぐに問いたてていた。


 「お嬢さん。どちらさんなのかな? そのタオルは真に差し出しているように見えるが真の知り合いか?」


 「友達」


 その言葉を聞いた瞬間真の身体がビクッとなるがどうやら気が付かれなかったようだ。そしてゆっくりと顔を上げタオルを差し出してきた女性、蒼空の顔をとらえる。


 「お疲れ」


 「いや、それよりも何でここにいるんだ蒼空?」


 「お疲れ」


 真の質問には答えず蒼空は不満そうな顔つきで真を睨みながらタオルを突き出してきた。蒼空のその行動に対し真はたじろぎながらも恐る恐る差し出されるタオルを受け取る。


 「あ、ありがとう」


 タオルを受け取った瞬間蒼空の表情はいつもの顔に戻り真はほっと胸をなでおろす。





 結局蒼空がなぜここにいるのか真は聞けなかった。あの後、石田に話を遮られてしまい蒼空の事を石田に説明するのに終始してしまったのだ。

 そして現在なぜか蒼空と石田の三人で蒼空が作ってきた弁当を食べている。

 聞きたいことがもう一つ増えたのだが真は蒼空の作ってきた弁当を黙々と食べることになっている。どうも石田が蒼空の事を気に入ったようで二人で食べながら話し込んでいるのだ。

 同じテーブルで食べているはずなのだが真は現状ボッチであった。


 そのまま蒼空と話すことなく午後のトレーニングが始まってしまう。

 また今度会った時にでも聞こうと気持ちを切り替えて午後からのトレーニングに励もうと決意をしていたのだがその決意は無駄に終わってしまう。


 なんと午後からのトレーニングをしようと機器の所まで行くとそこにはジャージに着替えた蒼空がおり、こともあろうかそのまま蒼空もトレーニングを始めたのだ。

 何をしに来たのかわからない真は蒼空のその行動にさらに混乱をしてしまう。

 気にしないようにしていたのだがどうも真が使用する機器の視線の先に蒼空がさりげなく来ておりその後集中ができない状態でのトレーニングが続いてしまう。


 流石に集中力の欠けた真に対して石田から叱責が飛んでくるのだが今の真にはどうすることもできなかった。

 結局その後真の集中力は戻ってくることはなく、手の施しようもないと判断した石田はこともあろうか蒼空のトレーニングを指導しだしたのだ。

 それを見て真は更に集中力を乱し、結局今日一日実のなるトレーニングは出来ずじまいであった。


 



 着替えを済ませ落ち込んだ様子でトレーニングジムから外に出るとそこに真を待っていた蒼空がいた。


 「一緒に帰ろう、真」


 蒼空の言葉に真は複雑な表情で頷くしかなかった。

お読みいただきありがとうございます



別途報告がございます。

来週の投稿ですが所用により休ませていただきます。

お読みいただいている方々にはご迷惑をおかけしますがご理解のほどをお願いいたします。

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