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神様からのいらない贈物  作者: ケンケン
冬春の闘い
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第70話

 「大丈夫か、真!?」

  

 かなり急いで来たのであろう、慧が息を切らしながら部屋に飛び込んできた。そして慧の後ろから心配そうな顔をした七海と嬉しそうな顔をした梓が入ってくる。

 だが三人は部屋に入ってすぐ言葉を失うことになる。


 そこには正座をさせられている真の三人の姉達と、その三人の前で立っている蒼空がいたのだ。蒼空の顔は後姿しか見えなかった為慧達には伺い知れないのだが真の姉達の顔は伺い知れた。その顔はどう見ても怒られて反省をしている感じにしか見えない顔であった。


 その光景に一分程慧達は立ち尽くしてしまうことになる。その間も蒼空は慧達が入ってきたことなど気にすることなく真の姉達に言葉を掛け続けている。


 先頭にいた慧が一番最初に我を取り戻し周りに目を向ける。そしてベットの上に座って蒼空達の光景を見ている真の姿を見つける。そして真の傍まで言って声を真に声をかける。


 「これはどういうことなんだ、真?」


 「……実は――」


 そう話を切り出し慧が部屋から出て行ってからの経緯を詳しく説明する。

 説明している間も蒼空の説教は続いていた。


 「なるほどね……」


 真から事態のあらましを聞いた慧はそう呟く。同じく話を聞いていた七海と若干、いやかなり呆れているようだ。梓の方は説教を受けている真の姉達に対して心配そうな表情で真の話など聞かず蒼空達の方を見ていた。


 「わざわざ二人を呼んできてもらったのになんか悪いな」


 「いや、気にするな。とりあえずお前が無事でよかったよ。……それにしても連絡が付かないと思ったらすでに真の家に来ていたとは思わなかったけどな」


 「それは私も思った」


 どうやら慧と七海は蒼空の事を言っているようだ。そして蒼空にも連絡はしていたようなのだが連絡は付かなかった事を聞いたことで真にふとした疑問が生まれる。


 自分はなぜ真っ先に蒼空が思い浮かび躊躇することなく蒼空に連絡をしたのだろうと……

 

 真の中に生まれたこの疑問は今の段階では真には理解できなかった。というより答えを探そうとしても真の中には導き出せる道筋はないのだから無理な話であろう。

 この疑問に真は何時かはわかるだろうと答えを棚上げし思考を振り切り現実に目を向ける。

 

 ちょうどよくどうやら姉達に対する蒼空の説教は終わったようであった。


 梓はそのタイミングで姉達の傍に駆け寄り大いに姉達を慰めるような声をかけている。その様子を見た真、慧、七海の三人は呆れることしかできなかった。

 蒼空は梓のそんな状況にも目もくれず真に近づいてくる。


 「もう大丈夫だから」


 「なんか色々と手間や迷惑かけたみたいですまん。けど本当に助かったよ。ありがとう蒼空」


 「気にしなくていい」


 真と蒼空が話をしていると慧が割り込んでくる。


 「蒼空ちゃんは何時ぐらいから真の家に来ていたの?」


 慧の質問に蒼空は携帯を取り出し慧に見せる。見せてきたのは着信履歴の画面であった。


 「この時間にちょうど近くにいたから」


 「そっか。それにしてもタイミングが良かったんだね。それにしてもこっちの方にはなんかの用事で来ていたの?」


 「…………」


 更に突っ込んだ質問を投げかけた慧に対し蒼空はそれ以上は答えることはなく、嫌な感じの沈黙ができてしまう。それをフォローしてきたのは七海であった。


 「別にそこまで聞かなくてもいいじゃない。真が助かったんだから」


 「それもそうだな……変なこと聞いてごめんね、蒼空ちゃん」


 「別に気にしない」


 その後は色々あったが真の姉達からしっかりと事情を聞く為、そして今後の話をするために全員で食事をする為家から出ることになる。


 食事の席で聞いた話は衝撃的なことや真にとっては残念な事など色々な話を聞くことができた。

 真は終始文句を言ってはいたのだが最終的には蒼空が姉達に条件を出すことで真も渋々納得することになった。


 ある程度話の一段落しその後は終始和やかな感じで食事を楽しむ。

 そして食事が終わり店の外に出て解散することになったところで真は蒼空を呼び止める。


 「本当に今日は助かったよ。家の事といい、ここでのことと言い何度お礼を言っても足りないくらい感謝している。ありがとう蒼空」


 「気にしなくていい。だって…………だから」


 後半の言葉はあまりにも小声で聞き取りずらかったが再度聞くチャンスはなかった。

 蒼空はその言葉の後すぐ振り返り真の傍から離れて行ってしまったから。


 そして本当にそのまま解散することになり真は蒼空がなんて言ったのか気になりその日は眠れない一日を過ごすことになるのであった。

お読みいただきありがとうございます

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