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神様からのいらない贈物  作者: ケンケン
実家への帰郷
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第60話

 「やっぱりそんな事は出来ないよ」


 真の出した答えはコレであった。そしてその言葉を聞いた蒼空はとても残念そうな顔だ。残念と言うよりは悲しそうな顔に近いかもしれない。


 (なーんだ。つまんないのー)


 (うっせえ)


 「ごめんな、蒼空」


 「いいよ」


 「じゃあそろそろ戻るか」


 元々真が待っていようとしていた神社の入口に戻るため歩み始める真。蒼空も真の後ろについて来る。


 「蒼空は皆のところに戻らないのか?」


 「一緒に待ってる」


 「そっか。わかった」


 後ろにいる蒼空に確認した後、真と蒼空は入口に向かって歩いていく。その道の途中、少し横に逸れた場所に立っているレイヤの姿を捉えた真は


 (みんなの事よろしく頼むぞ、レイヤ)


 (任せといて)


 レイヤの言葉通りすぐさま慧達は意識を取り戻したようだ。取り戻したと言うよりは時間が止まっていたと言ったほうが正確かもしれない。木の後ろから覗き見てる体勢に戻っていた。

 横目でその様子を見ていた真は驚きと安心した表情でそれを見流すのであった。





 二十分程経っただろうか。

 入口に着いた真と蒼空は慧達を待っていた。そしてようやく戻ってきたようだ。

 慧達は二、三分前には入口に着いていたのだが真がいた場所は入口と言うより人目に付きづらい場所だったため探すのに時間が少しかかったのはここだけの話である。


 全員揃ったところで帰りの途につく道すがら先頭を歩いている真の元に慧が近づいてきた。そして小声で聞いてきた。


 「で? あの後何があったんだ?」


 「よく言うよ。全員で木の陰から覗いていたくせによ。ああいうのって趣味が悪いって言うんだぜ、わかっているか慧」


 「何だよ気がついていたのか。まあ気になって仕方なかったんだからそこは大目にみてくれよ。それに何を話していたのか聞こえなかったんだから。なあ少しぐらい教えてくれよ」


 「…………いつかな」


 「それって絶対教えないフラグだろ」


 「気が向いたら話してやるよ。それまでこの話はするな」


 慧を軽くあしらいそれ以降何を聞かれてもだんまりを決め込む真。何度もしつこく聞いていた慧であったがそれ以降何も喋らなくなった真に聞くのを諦め後ろにいる女子達の輪の中に下がっていった。

 それと入れ替わるように誰かが真に近づいてくる足音を真は感じ取る。後ろを振り向くとそこにはレイヤがいた。そしてそのレイヤの後ろ、真の視線の更に先には蒼空がこちらの様子をジッと見ていた。その視線を感じながらも真は近づいてきたレイヤに声を掛ける。


 「何の用だ?」


 「用が無かったらきたら駄目なの?」


 「…………」


 「だんまりってそれはないんじゃないの。せっかく話しかけてあげているのに」


 「お前の顔はそんな顔をしていない」


 慧のときと一緒で無愛想にレイヤに返事をする真。それにはちゃんと訳があった。

 真は近づいてくるレイヤの顔をしっかり覚えていた。今は普通の顔であるが近づくときに見せた顔は完全におちょくる感じの顔であった事を。

 

 「ちぇっーー。やっぱりばれてた?」


 「お前はまず表情を隠す事から学んだほうがいいかもな。慧と顔が一緒なんだよ」


 「そうなの!? それは失敗失敗。今度からはしっかりするね」


 「今度も何もしなくていいからな。わかったな?」


 「はーい」


 (まあ、何を思っていようと考えていようと私には筒抜けだけどね)


 (うっせえ。ほら戻れよ。そろそろ着くぞ)


 真の言葉通りそろそろ真の家に着きそうなところまで歩いてきていた。

 そして、家に着くと真は一人足早に家に入っていく。慧以外の全員も遅れてまるで我が家のように続いていく。

 真の家に全員が入ったのを確認した慧はすぐさま自分の家に向け歩き始める。

 その道の途中慧の携帯の音が鳴る。画面を確認した慧は耳元に携帯を持っていく。どうやら電話が掛かってきたようだ。


 「もしもし――」


 誰もいない暗く静かな道に慧の楽しげでもあり心疚しい声が響くのであった。

お読みいただきありがとうございます

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