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神様からのいらない贈物  作者: ケンケン
実家への帰郷
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第54話

 真と慧の目の前に現れたのは朝とは打って変わって煌びやかな振袖を身に纏った四人の女の子だった。

 蒼空が青、七海が赤、梓が黒、レイヤが白をベースにした振袖である。其々が特徴をしっかり捉えたかのようである。そして其々柄は花柄が特徴的である。


 真と慧は其々の姿を順に見ていくが言葉は出てこないようで無言で見ている。そんな二人の様子を四人の後ろから見ていた真琴が二人に声をかけてきた。


 「あなた達そんなボーっとして見てないで何か言ってあげたら? それとも見とれちゃって何にも言えないとか?」


 からかい混じりに嬉しそうにしている真琴。しかしそれでも二人は何も言葉は発しない。

 流石に何も喋らないままジッと見つめられると恥ずかしくなってきたのであろうレイヤ以外の三人は真達から目を逸らしてしまう。レイヤはというと振袖が物珍しかったのであろうずっと自身が着ている振袖を興味深そうに色々動きながら眺めていた。

 そして慧が喋った何気ない一言で三人は更に恥ずかしくなってしまう。


 「……………………綺麗だ」


 その言葉を聞いた瞬間三人は顔を赤くして完全に真と慧のほうからそっぽを向いてしまう。そんな中レイヤだけは


 「そうでしょう。そうでしょう。もっと見ていいんだよー」


 嬉しそうに動き時折ポーズを取りながら二人に見せ付けている。そんな事をしていると後ろにいる真琴から注意されてしまう。


 「レイヤちゃん、あんまり動き回ったら崩れてきちゃうから少し落ち着いて」


 「はーい」


 真琴の言葉に落ち着きを取り戻し動き回るのをやめるレイヤ。そして真琴は未だに何も喋らない真の傍に近づいてくると頭を軽く叩いてきた。それには流石に真も反応をする。


 「いってーな。いきなり何するんだよ!?」


 真の反応を見た瞬間真琴は嬉しそうに、と言うよりどちらかと言えばからかう感じではあるがそのまま真に耳打ちをしてきた。


 「あんたまさか見とれていたんじゃないでしょうね? 散々詩織たちの振袖見てきたんだからそんな事あるわけないわよねー」

 

 「ち、違うって。そ、そんな事あるわけねーだろ」


 どもりながらも否定の言葉を言う真。そんな真を真琴は楽しそうに且つ嬉しそうな表情で真を見つめている。

 真琴の表情に気がついた真は顔をすぐに逸らしてしまう。

 その二人の様子を傍で見ていた慧は何時もののりでその輪に加わってきた。


 「その様子じゃまんざらでもなさそうだな、おい。どうなんだ真?」


 「うっせえ」


 「そんな態度取らなくてもいいじゃんか。なっ、なっ、どうなのよ?」


 「ホントうるさいな。どうでもいいだろう」


 あまりにもしつこい慧から逃げるように距離を取ろうとしたところインターホンが鳴り玄関から誰かが入ってきた。一人ではなく複数の足音を立てて。

 それにすぐに反応したのは真琴だ。


 「あら、意外と早かったわね」


 真琴の言葉と同時に部屋に入ってきたのは三人の姉達だった。それも三人とも振袖を着て。三人とも同じ色合いの振袖を着てきており三人とも黒であったのだが蒼空たちと違う点がある。それは柄である。三人とも同じ柄でその模様は蝶をあしらったものであった。

 そして、その柄に真はふと思い当たるものを感じ取っていた。真は三人の姉達の着ている振袖をマジマジと見ている。それに三人とも気がついているようで多少恥ずかしそうにしていた。


 そんな状況の中で真琴が全員に声をかけてきた。


 「みんな準備は出来たみたいね。それじゃあそろそろ陽も暗くなってきたんだから行ってきなさい」


 流石に真と慧も女性陣の格好を見てこれからどこにいくのかは理解していた。だがそれにしてはまだ早すぎるのではないかとも思っていた。なんせ歳を越すまで五時間以上あるのだから。

 そんな真と慧の様子を感じ取った真琴が一言追加してきた。


 「あなた達の思っている事はよくわかるけどまだ完成してないでしょ?」


 真琴は二人にそう言うと女性陣のとある場所を指差して言ってきた。二人は真琴の指さした先のほうをみてすぐに納得する。

 真琴が指差した先にあったのは女性陣の髪であった。そう、髪の毛は未だにそのままだったのである。


 「ちゃんと全員分お願いしてあるから連れて行ってあげて。お願いね慧君」


 真琴の言葉で全てを理解した真と慧。特に慧のほうは何か観念しているような様子である。横で見ている真も瞬時に理解をする。

 そして慧はそのまま重い足取りで家を出て行く。それに続いて全員が慧に付いていく。


 家を出て歩く事一分ほど。向かった先は慧の家……ではなく慧の家の隣に隣接している建物。そこにはO-YAMAと書かれた看板のある店があった。もちろん店は閉まっているのだが明かりは付いていた。そのまま慧は店の扉をあけ中に入っていく。

 慧の後について全員がなかに入っていく。真、詩織、咲奈、彩子は勝手知ったるなんとやらで気にもせずそのままずかずかと入っていく。蒼空、梓、レイヤは躊躇しながら入っており、七海はどこか懐かしそうな感じで中に入っていく。

 建物の中には一人の女性がおりみんなを快く出迎えてくれた。


 「みんないらっしゃーい」


 中にいたのは慧の母親でここはその母親が経営している美容室なのである。

 全員挨拶もそこそこに順番に椅子に座らされ髪をセットしていく。その間真と慧は何もする事がないので二人は慧の部屋に待機が決まってしまった。





 待つ事4時間程


 どうやら準備が出来たようで電話で呼び出された真と慧。戻ってみると其々が思い思いの髪型にセットされており先程とは全くの別人になっていた。


 「それじゃあ楽しんできなさい」


 いつの間にか手伝いに来ていた真琴の言葉に全員が店を出て目的の場所に歩みを始める。

 もちろん場所は近所の神社だ。

お読みいただきありがとうございます

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