表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神様からのいらない贈物  作者: ケンケン
実家への帰郷
50/127

第47話

 「はーい。って……きゃー真じゃないの。なんでそこにいるの? あっ!? 私に会いに来てくれたんだよね。そんなとこにいないで早く入って。それともそこまで迎えにいこっか? いや、ちょっと待って。すぐに迎えに行くから待っててー」


 「ちょっ…………」


 呼び出しボタンを押しそれに出てきたのは次女の咲奈だった。咲奈は真の姿をカメラで見るなりまるで暴走機関車の如く話し始めるやいなや、真が何か言おうとしたのにもかかわらず声がすぐに聞こえなくなってしまった。

 一応インターホンカメラが映っている真の後ろには慧の姿も確認できたのだが咲奈の視界には入ってはいなかったようだ。

 後ろでは慧が苦笑いしながらも自動ドワと真の間にさりげなく入ってくる。そして真のほうは咲奈が出てくるであろう自動ドワから数歩後ろに下がるのであった。

 

 それから一分も経たないうちに自動ドワの前に咲奈が現れた。かなり息が上がっているようでエレベーターではなく非常用の階段のほうから下りてきたようだ。

 咲奈の顔は降りてきた当初はとても嬉しそうで満面の笑みであったのだが視界に慧の姿を捉えた瞬間、数秒前の笑みなど無かったかのような顔つきになってしまう。破顔した笑みから柔らかな微笑みに変わったという表現が適切であろう。

 

 「ふぅ……あら? 慧君どうしたの?」


 完全に先程のものを無かったことにしようとしているのはバレバレであるのだがそれでも咲奈は表情を崩さず話しかけてきた。

 話しかけられた慧。後ろに非難していた真。二人は咲奈の変わりように示しあったかのように苦笑いを浮かべていた。


 「ど、どうしたのって聞いてるのよ慧君?」


 二人の表情を見て覚ってたのであろう多少どもりながらも再度聞いてきた。


 「いやー。別に知らない人じゃないんだからそこまで焦らなくてもいいんじゃないですか咲奈さん?」


 慧は咲奈の質問には答えを出さず違うことを逆に咲奈に聞いてきた。


 「別に慧君だけだったら…………」


 そう言いながら咲奈の視線は慧の後ろ、真がいる更に後ろにいる蒼空たちに視線を向けていた。

蒼空たちはいつの間にか見える位置まで来ていたらしい。咲奈の視線一つで覚った真と慧は納得しながらも違うことを思っていた。前情報として色々教えているのでその態度は今更ではないのかと。


 「それでこんなに大勢でどうしたの? それに帰ってきたときにはいなかった女の子までいるわね…………。こんなに女の子ばっかり」


 言葉自体は慧に話してはいるのだろうが睨み付けるような視線は真に向けられている。その視線を向けられている真は姉の初めて見る態度に後ずさりそうになってしまう。

 これは今までの環境が起因するところであろう。今までは真は病気が原因で女の子を連れて歩くこと等は無かった。ないというよりしないと言ったほうがしっくりくるだろう。そんな状況に真の三人の姉達は喜んでいた。理由としては単純で真を独占できると言う簡単なことであった。そんなぬるま湯のような環境に今までずっとつかっていたところに急に知らない女の子が大勢連れ歩いていたらそんな態度を取ってしまうのは必然なのかもしれない。

 まあ真に対して姉弟の枠を超えて邪な感情を抱いてしまうのは間違っていると言うのが一般論な気がするのだが。


 「なんか咲奈さん達に会いたがっている娘がいたんで連れて来たんですけどまずかったですかね?」


 「あいたがっている娘」


 慧は身体も心の少し引き気味な真に変わって咲奈にここに来た事情を話し出す。咲奈もそれを聞いて普段どおりの表情に戻るのだが見るからにハテナマークが浮かんでいる。

 まあ咲奈がそうなるのはそうであろう。急に来て会いたがってるなんて言われてもピンとこないであろう。


 「この娘なんだけどさ……」


 慧は後ろを振り向き手招きをする。真は通路の端により通りやすくする。そして手招きをして後ろからやってきたのは言い出した梓であった。

 梓はにっこにこな笑顔で咲奈の前に来ると確認もとらずに咲奈手を握る。


 「はじめまして。私梓って言います。聞いたときから会いたかったんですよー」


 「あっ……、どうも……」


 勢いよく挨拶をしてくる梓に咲奈はどうしていいかわからず最低限の言葉を返すに留まる。そんな状況を見ていた慧が咲奈に助け舟を出してくる。


 「咲奈さん。詩織さんと彩子さんはいないんですか」


 「あっと……。詩織姉さんと彩子は今日は仕事でいないのよ。もしかして二人にも会いたいとか……?」


 「実はそうなんですよ」


 「そ、そうなんだ」


 自分以外にも会いたいと聞いてこれまたどうしていいかわからなくなってしまう咲奈。

 真も慧も咲奈の様子をみて乾いた笑いしか出てこなかった。


 「梓ちゃん……だっけ。何で私達に会いたいのかなー?」


 恐る恐る梓にどうしてかというのを聞く咲奈。


 「実は…………」


 咲奈に聞かれて梓は何で会いたがっていたのか思いのたけを懸命にかつ必死に話し始めた。

 この内容はあまりにもあきれ返る理由だったので割愛させていただこう。

 結果だけ話しておくと聞いていた全員がドン引きだった。咲奈を除いて。





 「あなた達これからどうするの?」


 一通りの話を聞いた咲奈は今後の事について聞いてきた。代表して慧が今のところこれからの特に決まっていないことを咲奈に伝えると。


 「じゃあ姉さん達が帰ってくるまで部屋にでも来る?」


 その言葉にとびついたのは言うまでも無く梓であった。その後全員で話し合い(真の意見は完全に無視)部屋にお邪魔させてもらうことになったのだった。

お読みいただきありがとうございます

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ