第44話
真が実家に帰郷して二日目
今日は真の実家に滞在している蒼空とレイヤに地元を案内することになった。
なぜこんなことになったのかは昨日の夜に遡る……。
蒼空が真の部屋から戻りそれぞれが思い思い過ごしていたところ時間もいい感じに更けていた。
その時間まで残っていた慧が真の部屋に呼びに来て明日以降の話し合いを蒼空達がいる部屋でやろうと持ちかけてきたのだ。
真はそれに従い隣の部屋で集まり話し合いをした。
初めのころは他愛のない会話等余計なことを話してばかりだったのだが流石に横道に逸れすぎていたのを真が修正をはかり明日以降の話を真面目にしようとした矢先に部屋に真琴がやってきたのだ。
真琴の用事としては部屋にお菓子などの摘む物と飲み物を持ってきたのだったがなぜかそのまま真琴も話しに加わることになってしまった。
そして気が付けば真琴の案である何も知らない蒼空とレイヤに真達が育った街を案内することになってしまったのだ。
真としてはあんまりそんなことはしたくなかったのだが蒼空とレイヤが興味を多大に持ってしまい押し切られた形になってしまった。
それはそのまま決定になってしまいその場は解散し、其々は眠りについた。
そして次の日
真と蒼空、レイヤは真の家の前で慧が来るのを待っていた。
家の前の道にでるとそこからは慧の家が見えている。約束の時間は十時。
実のところすでに十時から五分程過ぎていた。
「遅いね~慧君」
レイヤが真と蒼空の二人の同意を求めるかのように二人に問いかけてきた。
真と蒼空は頷いて同意するのだが真は内心嫌な予感がしていた。
慧とは長い付き合いがありよく遊んだり出かけてたりもしている。
その時も決まって待ち合わせをして出かけたりもしていたのだが、時間通りに来るときと来ないときがあった。そして時間通り来ないときは決まって碌なことが起こらなかったのをしっかりと真は記憶していた。
真は慧に余計なことをさせない為に先手を打つことにする。
「家も近いんだし迎えに行ってみるかい?」
真は二人に提案をする。
蒼空は特に疑問も無く頷いたのだがレイヤのほうはなぜだか嬉しそうであった。
真がレイヤに対して疑問を持っていると不意に頭の中に頃が響いた。
(別にいいんじゃない。何か起こったほうが面白そうだしさ~。このまま待っていようよ)
レイヤが真の頭に直に話しかけてくる。真はなれたもので驚かず尚且つ冷静?にレイヤに返す。もちろん声には出さず頭の中で。
(いちいち俺の考えを読むな。 それにどうしようと俺の勝手だしお前の意見なんて聞くわけないだろうが!! それに面白がってるのにはいそうですかなんていえるわけないだろ。いいから馬鹿なこと言っていないで行くぞ)
真はレイヤにそれだけ語りかけるとそのまま慧の家のほうに歩いていく。蒼空もそれを見てそのまま真の後に続いていった。
その場に残されてしまったレイヤは一度慧の家の方を見ると悪そうな笑みを湛え、そのまま二人の後に付いて行くのであった。
慧の家の前まで着いた真はすぐさまカメラ付きのインターホンを押した。
するとすぐにインターホンから女性の声が聞こえてきた。
「あら、久しぶりね真ちゃん」
「お久しぶりです。慧いますか?」
インターホン越しに話しているのは慧の母親だ。
「あの子はいるけど……なんかあの子部屋で今のドタバタしてるわよ。なんか時間かかりそうだからあがって待っててもらってもいいわよ」
「いえ、すぐに出かけますんでとりあえずあいつの部屋まで迎えに行きますんであがってもいいですか?」
「あら、そうなの? じゃあ今鍵あけるわ」
そう言うと慧の母親はインターホン越しからいなくなりその後すぐ慧の家の玄関の鍵が開けられた。そしてすぐに扉が開けられ慧の母親が出迎えてくれた。
「いらっしゃい。本当に久しぶりねー。さあ、上がって上がって……あら真ちゃん、なんか可愛い娘連れているけどどうしたの?」
真の後ろに居る蒼空とレイヤを見てものすごく驚いた顔をしている慧の母親。昔から付き合いもあるので真の病気の事も知っているのでそれで驚いているのだ。
しかし、あまり時間もかけてられない真は
「大学の友達ですよ。――ちょっと慧迎えに行ってくるからここで待ってて」
慧の母親に簡単な説明だけした後二人にこれも簡単に言うとそのまま真は二人を置いて勝手知ったる慧の部屋に足早に向かう。
その場に残された三人は簡単な挨拶をした後無言のまま待っていたの言うまでもないだろう。
真は置いてきた三人の事等気にもせず二階にある慧の部屋に向かう。
そして部屋の扉を勢いよく開け放つ。すると部屋の中には電話をしている慧がいた。
慧はいきなりあけられた扉にビックリしていたのだが真の姿を確認するとすぐに電話を切ったのだ。
その行動に不信感を抱いた真はすぐさま慧に問い詰める。
「お前何やってるのよ? とっくに約束の時間過ぎてるんだけど。それに何処に電話してたかも答えてもらおうか……」
「す、すまん。ちょ、ちょっとな……電話してて」
かなり言葉に詰まっている慧を冷たい視線で見つめ続ける真。
慧もその視線には後ずさりをしていたのだが……
「ど、何処に電話したっていいじゃねえか。それよりも早く行こうぜ」
慧はそれだけ言うとそのまま部屋を出て行ってしまった。
残された真は溜息を一つ吐くと慧の後を追いかけるべく部屋を後にした。
どうやら慧はすでに家から出て行ったようで真が二階から降りる寸前ぐらいに玄関の扉が閉じる音が聞こえてきた。
真はそのまま靴を履き玄関を出た。
そしてすぐに目にしたの母親に怒られている慧であった。
真も慧に何かを言いたいのはやまやまであったが母親に怒られている姿を見ていると何も言えなくなり結局その場を離れることが出来たのは更に十分程経ってからであったのだった。
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