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神様からのいらない贈物  作者: ケンケン
実家への帰郷
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第43話

 「どうしたの蒼空?」


 真は扉の向こう側にやってきた蒼空に声をかける。

 しかし真の言葉に対して蒼空は何も言わず沈黙を続けている。

 何の用事があってここにきたのかわからない真は再度声をかけてみることにした。


 「蒼空?」


 しかしすぐには蒼空からは何も応答がない。

 どうしていいかわからない真は再度言葉をかけようとしたところ蒼空から反応があった。


 「ちょっと聞きたいことがあるんだけど……。部屋に入れてもらっていい?」


 少し聞き取りづらい声で蒼空がドワ越しに話しかけてきた。

 真は蒼空の言葉に多少の警戒心を抱いたのだが理由も聞かずに追い返すのも悪いなと思いとりあえず理由を聞いてから決めることにした。


 「入れてもいいけど先に聞きたいことは何か教えてもらっていいかな? それだけでも確認させてもらってから決めるから」


 そう蒼空に言葉をかけ蒼空の話すのを待つ真。

 しかし蒼空はすぐに話してはくれず数十秒の沈黙が流れる。

 真は理由を聞くまでは話さないと決め蒼空が話すのを只管に待つことにした。部屋に入れるだけの納得できる理由が知りたかったからだ。

 

 しかし沈黙を破って話した蒼空の言葉は真の望むような言葉ではなかった。


 「なら、いい。 今度聞く」


 蒼空は真にそう言うとドワの傍から離れていってしまった。

 真はどうしていいかわからず茫然とするしかなかった。真がそうなってしまうのも仕方がないかもしれないが真の方も普通とはかけ離れた問答をしているのもあるのも事実だ。

 実家に招いた? ホストとしてはゲストをもてなすのは普通であるがそこに真の病気が絡んでくるのだから状況は普通とは変わってくる。それでも部屋に招き入れるぐらいならと思ってしまいがちだがそこは真の今までの経験が邪魔をするのだ。

 原因の全ては姉達にあるのだがそうなってしまっている以上は仕方のないことであろう。


 結局、蒼空が何を聞きに真の部屋まで着たのかわからずじまいになってしまい真は考え込んでしまうのであった。



 ◆



 真の部屋のドワから離れ蒼空は真の家にあてがわれている部屋に戻ってきた。

 部屋のドワを開け中に入るとそこには一緒に泊まるレイヤとご飯を食べても家に帰らずに残っている慧が蒼空を出迎えてくれた。


 「どこか行ってたの?」

 

 蒼空にレイヤが笑顔で聞いてきた。


 食事が終わると一度部屋に戻ってきたのだが蒼空はすぐに部屋から居なくなってしまい何処に行ったのかレイヤと慧はわからなかった。

 実際のところは慧はわからないのであるがレイヤは何処に行ったのかはわかっていた。レイヤはそれを口には出さず知らないフリをして聞いていたのだ。

 笑顔になっているところが完全に隠しきれてはいないのだが。


 「ちょっと……」


 蒼空はレイヤの問い掛けにそれだけ答えると与えられたベットに座りそのまま考え込むような姿勢になり何も言葉を発しなくなってしまう。


 声をかけたレイヤも、それを見ていた慧も蒼空の態度にどうしていいかわからず二人で顔を見合わせ苦笑いをするのであった。




 

 ベットに座り何かを考えている蒼空には二人のそんな様子など気にも留めず思考に耽っていく。

 考えることはもちろん先程の真のやり取りの事が主であった。

 

 しかし考えている事は真に対してではなく自分自身の事であった。

 実際のところ蒼空がなぜ真の部屋の前まで行き あんなこと・・・・・を言ったのか自身でわかっていなかった。

 蒼空は自分の行動、言葉に困惑するしかなかった。特に聞きたいことがあるわけじゃなく行ってしまい咄嗟に言ってしまった言葉の後が続かなかった。

 そして何をするでもなく部屋まで帰ってきてしまった。

 

 蒼空は考え込む。

 そして自分の行動を思い出す。

 しかしどんなに考えても蒼空の中には答えが出てくることは無く考えつつけるしか出来なかったのだった。



 ◆



 レイヤは慧と苦笑いを浮かべた後慧と他愛のない会話をしていた。

 しかし会話をしながら思っていることは会話とは全く違うことであった。

 

 もちろん考えていることは先程の蒼空の行動であった。

 壁越しでも蒼空の姿、思考も思いのままに覗くことが出来るレイヤならではあるが、特に蒼空の思考に対して興味を引かれていたのだ。


 レイヤは思う。

 『このようなことは神界にいたのであれば体験することは出来なかった』と。


 そんな事を思っていながらも慧との会話に興じていく。

 そして邪な視線と笑顔を蒼空に向け、次に壁越しに真の姿を確認するのであった。

お読みいただきありがとうございます

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