第67話 墜落の恐怖
「目を逸らせ!!」
シリューの叫びが響く。
だが遅かった。
三人は反射的に目をつぶった。
石化はしない。
問題ない。
だが、異変は別のところで起きていた。
「……?」
ユウが違和感に気づく。
ブモーの動きが――
鈍い。
アリューも感じる。
アルフェリスの羽ばたきが弱い。
シリューが振り返る。
その瞬間、息を呑んだ。
「まずい……!」
三匹のワイバーン。
その体が白く変色している。
石。
皮膚が固まっていく。
翼が。
首が。
徐々に。
確実に。
石化している。
ユウが叫ぶ。
「なんで!?」
シリューが歯を食いしばる。
「見たんだ……!」
あの目を三匹とも。
真正面から。
「やばいぞ!!」
アリューが叫ぶ。
だがもう遅い。
翼の動きが止まる。
風を掴めない。
浮力が消える。
そして落ちる。
「きゃああああああ!!」
ユウの悲鳴。
高度約50メートル。
空中で支えを失う。
三人と三匹は
一体となって
墜落を始めた。
風が唸る。
体が浮く。
内臓が引っ張られる。
落ちる。
一直線に。
森へ。
アリューが叫ぶ。
「離れろ!!」
ユウはブモーから飛び離れる。
シリューもスノウェルから跳ぶ。
その瞬間。
三匹のワイバーンは完全に石化し、
重い塊となって
先に落ちていく。
三人は空中。
何もない。
足場なし。
支えなし。
ただ落ちる。
ユウの頭が真っ白になる。
(死ぬ……!)
その時。
シリューが叫ぶ。
「大丈夫だ!!なんとかする!」
シリューは森に向かって、ありったけの魔力を放った。
緑の大きな光。
そしてそれが地面につくと、ふかふかの植物が大量にわさわさと生えてきた。
上空20ⅿ地点くらいまで謎のふかふか植物が伸びている。
「こんな使い方あるんだな」
シリューがそう言って笑う。
先に落ちたワイバ―ン達。ふかふかの草の上に落下し、破損せずにすんだ。
そして3人もふかふかの上に落下した。
もう動きたくなくなるほどフッカフカである。
しかしそうも言ってられない。
近くにはギガントメガデスがいる。
ギルドで聞いた情報では、ギガントメガデスの血が石化を解除する方法らしい。
絶対にギガントメガデスを倒さなければ、ならない。




