第57話 洞窟の門番
エルフの女性は、三人の後ろを歩いていた。
まだ少し震えている。
泣きながら言った。
「……私も行く」
ユウが振り向く。
「無理しなくていいよ」
しかし女性は首を振った。
「道、知ってる」
少し間を置いて言う。
「名前は……」
「ラ・セレール」
シリューが固まった。
「……」
セレールを見る。
美しい。
長い銀色の髪。
透き通るような肌。
大きな瞳。
シリューは顔を赤くした。
ユウが小声で言う。
「どうしたの?」
シリューが小声で答える。
「いや別に」
明らかに照れている。
アリューが振り返る。
「お前わかりやすいな」
シリューが怒る。
「うるさい」
セレールが言う。
「この道まっすぐ」
指をさす。
「山のふもと」
三人は歩く。
森を抜ける。
やがて。
岩山が見えてきた。
そして洞窟。
入口は大きい。
その前に。
男が三人。
門番。
アリューが止まる。
セレールが小声で言う。
「中」
「まだいる」
シリューが聞く。
「何人?」
セレールは考える。
「……十人以上」
アリューが頷く。
「なるほど」
そして軽く言った。
「じゃ」
「一人一殺な。」
ユウが苦笑する。
シリューは槍を握る。
セレールは草むらへ隠れた。
「ここで見る」
ユウも少し離れる。
木の陰。
弓を構える。
弦を引く。
ギリ……
狙いをつける。
その間。
アリューは普通に歩いていた。
まるで旅人。
門番が気づく。
「おい、誰だ」
三人の男が立ちふさがる。
一人が言う。
「ここは――」
その瞬間。
アリューが動いた。
ドン。
槍を突き出す。
男の腹に
ズブッ。
串刺し。
男は目を見開いた。
同時に。
ヒュン!
ユウの矢が飛ぶ。
そして――
ドスッ。
男の
眉間。
もう一人の門番。
倒れる。
残った男は驚く。
「なっ――」
その瞬間。
シリューが動いた。
一歩。
二歩。
滑るように近づく。
槍を突く。
シュッ。
槍の先が
男の首元に刺さった。
男は声も出せない。
三人の門番は
一瞬で倒れた。
静寂。
アリューが言う。
「終わり」
ユウが弓を下ろす。
シリューは槍を抜く。
草むらから。
セレールが出てきた。
目を輝かせている。
「すごい……」
三人を見る。
「強い」
アリューが洞窟を見る。
暗い入口。
奥に敵がいる。
アリューが言った。
「さて」
「本番だ」
三人は洞窟へ歩き出す。
セレールは尊敬の目で三人の背中を見ていた。




