第55話 森の味
蜂の巣は、煙作戦であっさり攻略された。
枯れ葉を集める。
火をつける。
煙が上がる。
モクモクモク。
蜂たちは嫌がって飛び去った。
アリューが言う。
「よし」
木に登る。
ナイフで巣を切る。
ドサッ。
黄金色の蜂蜜が溢れた。
ユウが目を輝かせる。
「すごい…」
シリューが水筒を差し出す。
蜂蜜を流し込む。
トロトロ。
水筒は蜂蜜でいっぱいになった。
その後。
三人は引き続き
ハーブ探し。
森を歩く。
ユウが言う。
「それっぽいのないね」
シリュー。
「匂い草とか」
アリューは突然しゃがんだ。
葉っぱを一枚取る。
そして――
パクッ。
ユウが驚く。
「ちょっと!」
アリューはまた食べる。
「これも」
パク。
「これも」
パク。
シリューが言う。
「やめろ」
しかしアリューは
片っ端から食べていた。
その時。
突然。
アリューの顔色が変わった。
「……?」
フラフラする。
目が回る。
ユウが言う。
「え?」
アリューは口から泡を吹いた。
ブクブク。
そして――
ドサッ。
倒れた。
ユウが叫ぶ。
「アリュー!」
シリューの顔が真剣になる。
「毒草」
ユウが言う。
「どうするの!?」
シリューは迷う。
そして言った。
「仕方ない。・・禁止されてるけど」
手をアリューにかざす。
小さく呟く。
「……回復」
淡い緑光。
アリューの体を包む。
回復魔法。
本来使ってはいけない魔法。
しかし。
しばらくして。
アリューが咳き込んだ。
「ゴホッ!」
ユウが泣きそうな顔になる。
「生きてる!」
アリューは起き上がった。
頭を押さえる。
「いてぇ…」
シリューが怒る。
「食うな」
アリューが頷く。
「反省」
ユウが言う。
「ほんとにね!」
歩き続ける。
その時。
ユウが言った。
「きれい」
岩場があった。
ピンク色の岩。
夕日に光っている。
三人は近づいた。
ユウが言う。
「宝石?」
アリューは岩を見つめる。
そして――
ナイフで削る。
さらに。
パクッ。
ユウが叫ぶ。
「また!?」
シリューも驚く。
「おい!」
アリューの体が揺れる。
「……」
フラフラする。
ユウが焦る。
「また毒!?」
シリューが手を上げる。
「回復――」
その瞬間。
アリューが叫んだ。
「しょっぱ!!」
二人。
「え?」
アリューは大笑いした。
「これ!岩塩だよ!」
ユウの目が輝く。
「塩!?」
シリューも舐める。
「ほんとだ」
アリューは大はしゃぎ。
「やった!」
「塩ゲット!」
三人は岩塩を削ってシリューの水筒に入れた。
夕方。
焚き火。
狼の肉を焼く。
今日は違う。
ユウが言う。
「塩」
パラパラ。
さらに。
蜂蜜をかける。
ジュワッ。
香ばしい匂い。
三人は食べた。
ユウ。
「おいしい!」
シリュー。
「昨日より」
アリュー。
「全然いい」
蜂蜜と塩。
意外と合う。
森の食事はかなり良くなった。
しかし。
アリューが言う。
「……」
ユウ。
「どうした?」
アリューは水を飲む。
「喉」
ゴクゴク。
また飲む。
「渇く」
シリューが言う。
「塩」
ユウが笑う。
「当たり前」
アリューは水筒を抱えた。
「水探すか」
森の夜がまた始まる。




