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赤翼のワイダー  作者: 忍絵 奉公


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第40話 防衛戦の激闘


 一方そのころ――

 街の防衛線は、すでに大混戦になっていた。

 森の奥から押し寄せてきた魔物の群れ。

 ゴブリン。

 ウルフ。

 オーク。

 その数は数百。

 街の前の平原は、完全に戦場になっていた。

 剣がぶつかる。

 牙が閃く。

 怒号と悲鳴が混ざる。

 冒険者たちが必死に戦っていた。

 騎士団も盾を並べ、防衛線を作っている。

「押し返せ!!」

「前を崩すな!」

 だが魔物の数は多い。

 一匹倒しても、すぐ次が来る。

 完全な接戦だった。

 その最前線に――

 ブモーがいた。

 巨大な体で地面を踏み鳴らす。

 突進。

 オークが吹き飛ぶ。

 角で弾く。

 ウルフが宙を舞う。

「ブモォォォ!!」

 咆哮。

 地面が震える。

 まるで動く城壁だった。

 冒険者の一人が叫ぶ。

「すげえ……!」

「まるで戦車だ!」

 しかし、それでも敵は減らない。

 魔物は次々と押し寄せてくる。

 騎士団の一人が叫ぶ。

「空だ!!」

 人々が見上げる。

 空。

 そこでも戦いが起きていた。

 ハーピー五十体。

 空を黒く覆う大群。

 その中心で戦っているのは――

 シリュー。

 そして白いワイバーン、スノウェル。

 スノウェルが急旋回する。

 ハーピーの爪をかわす。

 シリューが剣を振る。

 一体を斬り落とす。

 だがすぐに三体が襲いかかる。

 スノウェルが翼で弾く。

 しかし数が多すぎる。

「くっ……!」

 シリューの頬を爪がかすめる。

 血がにじむ。

 ハーピーは空戦に慣れている。

 群れで動く。

 囲む。

 そして同時に襲う。

 完全な数の戦いだった。

 スノウェルが唸る。

 高度を上げる。

 だがすぐに上からも襲われる。

 下からも来る。

 シリューは歯を食いしばる。

「まだ……!」

 剣を振る。

 二体落とす。

 しかしその間にも、また三体が来る。

 どんどん押し込まれていた。

 街の上空。

 防衛線のすぐ近くまで下がっている。

 兵士の一人が叫ぶ。

「まずい!」

「シリューが落ちる!」

 その時だった。

 遠くから声が響いた。

「どけぇぇぇ!!」

 巨大な斧が飛ぶ。

 ハーピー一体を真っ二つにする。

 そして地面から影が跳び上がった。

 一人の大男。

 そしてその後ろに三人。

 ギルド長のパーティだった。

 大男が空中のハーピーに斧を投げつける。

「若造、下がれ!」

 シリューが驚く。

「ギルド長!」

 ギルド長が剣を抜く。

 その動きは速かった。

 空へ跳ぶ。

 ハーピーの足を掴む。

 そのまま地面へ叩きつける。

「ワシらもおるぞ!!」

 彼の仲間たちも戦場へ飛び込む。

 弓使いが連射する。

 魔法使いが炎を放つ。

 槍使いがハーピーを串刺しにする。

 空と地上がつながった。

 完全な乱戦だった。

 魔物。

 騎士。

 冒険者。

 ハーピー。

 ワイバーン。

 叫び声が空に満ちる。

 スノウェルが再び空へ舞い上がる。

 シリューが叫ぶ。

「ありがとう!」

 ギルド長が笑う。

「礼はあとだ!」

 斧がハーピーを叩き落とす。

「まずは生き残れ!!」

 しかし――戦いはまだ終わらない。



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