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赤翼のワイダー  作者: 忍絵 奉公


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第27話:黄金の雷


 オーガの拳が止まり始めた。

 先ほどまで嵐のように飛んできたパンチが、明らかに減っている。

「グゥ……」

 オーガリーダーはアリュウを睨んでいた。

 しかし、攻めあぐねている。

 理由は一つだった。

 アリュウの刀。

 そこから走る――

 謎の電気。

 拳を振るうたびに、バチッと走る痛み。

 筋肉が一瞬だけ硬直する。

 それが嫌なのだ。

 オーガは腕を引き、様子を見ていた。

「グォ……」

 警戒している。

 その隙を、アリュウは見逃さなかった。

 (今だ……)

 刀を構える。

 そして魔力を集め始めた。

 体の奥から。

 池の底で鍛えた魔力。

 宇宙と繋がるような感覚。

 それを――

 刀へ流す。

 バチッ

 小さな火花。

 さらに。

 バチバチッ

 電気が増えていく。

 刀身が光る。

 白い光。

 やがてそれは――

 黄金色に変わった。

 雷が刀の周りを走る。

 空気が震える。

 オーガが目を見開いた。

 危険を感じたのだ。

「グォォッ!」

 突進しようとする。

 だが――

 遅かった。

 アリュウは踏み込んだ。

 そして刀を突き出す。

「はぁぁぁ!!」

 剣先から――

 雷が放たれた。

 バチィィィィン!!

 黄金の雷。

 太い稲妻のような電撃が一直線に走る。

 オーガの胸へ――

 直撃。

 ドォン!!

 雷が爆ぜた。

 オーガの体が震える。

「グォッ……!!」

 筋肉が硬直する。

 全身が痙攣した。

 目が――

 白くなる。

 そして。

 ドスン。

 巨大な体が地面に倒れた。

 森が静まり返る。

 オーガリーダーは、白目をむいたまま動かなかった。

 決着だった。



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