第26話:雷の刃
オーガリーダーが四度目の戦斧を持ち上げた。
巨大な斧が、またゆっくりと空へ上がっていく。
その瞬間――
アリュウは動いた。
(今だ!)
一気に踏み込む。
そして刀が閃いた。
シュッ
シュン
シュパッ
連続の斬撃。
一瞬で距離を詰め、太腿を狙う。
スパッ
スパッ
スパッ
止まらない。
さらに。
シュシュシュシュシュ!!
まるで嵐のような斬撃。
三十連撃。
オーガの太腿はズタズタになった。
だが――
やはり筋肉が異常に硬い。
どの斬撃も深くは入らない。
皮一枚。
しかし。
血だけは違った。
ドバッ
ドバドバッ
太腿から大量の血が噴き出す。
まるで滝のようだった。
さすがのオーガリーダーも気づいた。
「グォォォ!!」
怒りの咆哮。
そして――
戦斧を捨てた。
ドゴォン!!
巨大な斧が地面に落ちる。
次の瞬間。
オーガの拳が飛んできた。
ブォン!!
速い。
今までとは比べものにならない速度。
(速い!?)
アリュウは目を見開いた。
拳が空気を裂く。
もし当たれば――
頭が吹き飛ぶ。
アリュウは慌てて体勢を低くした。
スッ!!
ギリギリで避ける。
だが次の拳が来る。
ブォン!!
さらにもう一撃。
ブォォン!!
巨大な拳が次々に襲ってくる。
岩の塊のようなパンチ。
アリュウは必死で躱す。
(これはまずい……!)
斧より断然速い。
このままではいずれ当たる。
そう思った瞬間――
アリュウは決断した。
(魔力だ)
体の奥に集中する。
ザックルの修行。
池の底で鍛えた魔力。
意識を集める。
練る。
練る。
練る。
すると――
刀が光った。
バチッ
小さな放電。
さらに。
バチバチッ!!
刀から雷のような魔力が走る。
アリュウはそのまま構えた。
次の瞬間。
オーガの拳が飛んできた。
ブォン!!
それを刀で受け流す。
その瞬間――
バチィッ!!
雷が拳に走った。
「グォッ!?」
オーガが顔をしかめる。
しかしパンチは止まらない。
二撃目。
バチッ!!
三撃目。
バチバチッ!!
拳が刀の近くにいくたびに――
雷が流れる。
そのたびにオーガは嫌そうな顔をした。
「グゥ……」
わずかに動きが鈍る。
アリュウは息を整えた。
(効いてる……)
雷の魔力。
それが確実に、オーガの体へ流れ込んでいた。 ⚡




