第22話:風の魔石とオーガの群れ
三匹のワイバーンは森の中の空き地に降り立った。
アルフェリスが翼をたたみ、ブモーが重い足音を立てる。スノウィルは軽く地面に着地した。
三人はすぐに周囲を見回す。
「あった!」
最初に見つけたのはシリュウだった。
草の間に、小さく輝く光。
それは先ほど空から落ちてきた魔石だった。
アリュウが拾い上げる。
「……きれいだな」
魔石は青く輝いていた。
だがよく見ると、ただの青ではない。
水色の光の中に、薄い緑が混ざっている。まるで水と風が混ざり合ったような、不思議な色だった。
「青じゃないのかな?」
ユウが首をかしげる。
「試してみる?」
シリュウが言う。
シリュウは魔石を手に取り、ゆっくり魔力を流した。
次の瞬間。
ゴォォォォォッ!!
凄まじい突風が吹き荒れた。
「うわっ!」
三人は思わずしゃがみ込む。
アルフェリスたちも驚き、翼を広げて体勢を保つ。
木々が大きく揺れる。
葉が舞い上がる。
どんぐりや木の実が飛び散った。
数秒後、風は止んだ。
静かな森が戻る。
三人は顔を見合わせた。
「……風魔法?」
「聞いてないよ、師匠」
ユウが笑う。
どうやらこの魔石は、ただの水の魔石ではないらしい。
三人は気を取り直して森を歩き出す。
目的はもう一つ。
落ちたグリフォンの死体だ。
魔石があるなら、他にも何か素材があるかもしれない。
アルフェリスたちを木陰に待たせ、三人は慎重に森を進む。
やがて――
「……あれ」
ユウが小さく声を上げた。
前方の木の間。
そこにグリフォンの巨大な死体が横たわっていた。
だが――
三人はすぐに身を伏せた。
死体の周りに、何かが集まっていたからだ。
「オーガ……」
五匹ほどの巨大な影。
角の生えた頭。
2メートルから3メートルはある巨体。
筋肉の塊のような腕で、グリフォンの肉を引き裂いている。
血の匂いが森に広がる。
アリュウの脳裏に、本の記述が浮かんだ。
オーガ。
凶暴。
圧倒的な身体能力。
人間を見れば襲う魔物。
三人は草むらに身を隠した。
静かに様子をうかがう。
オーガたちは気づいていない。
だがもし見つかれば――
戦いになる。
しかも相手は五匹。
アリュウは小声で言った。
「どうする?」
森の空気が張り詰める。
三人は息を潜め、オーガたちの動きを見つめた。




