第2章:旅立ち 第21話:天空の襲撃 ― グリフォン空戦
三人と三匹のワイバーンは、山脈の上空を飛んでいた。
下には果てしない森。
遠くには白い雲の海。
アルフェリスが先頭を飛び、ブモーとスノウィルが左右に広がる。
三人はまだ旅の始まりの高揚感の中にいた。
そのとき――
アルフェリスが鋭く鳴いた。
「キィィィィッ!」
警戒の声だった。
次の瞬間、雲の中から影が飛び出す。
巨大な翼。
獅子の身体。
鷲の頭。
グリフォン。
しかも二匹。
「来るぞ!」
アリュウが叫ぶ。
グリフォンは急降下してきた。
その瞬間、突風が吹く。
ビュォォォォッ!!
風の刃のような突風が、ワイバーンたちの飛行を乱した。
「風魔法だ!」
シリューが叫ぶ。
グリフォンは風を操り、空中戦で優位に立つ魔獣だった。
一匹がアルフェリスへ突進する。
しかし――
アルフェリスの目が光った。
ドンッ!
一気に加速する。
「速い!」
風を突き破り、アルフェリスは一瞬で上空へ抜けた。
もう一匹はスノウィルを狙う。
鋭い爪が襲いかかる。
だがスノウィルは軽やかだった。
ヒュッ
ヒュッ
左右に滑るように回避する。
「スノウィル、すごい!」
シリューが叫ぶ。
一方、ブモーは――
ほとんど動じていなかった。
大型の体で風を押しのけるように進む。
突風を受けても、まるで岩のように安定している。
「今だ!」
アリュウが剣を構える。
黄色の魔石が光る。
魔力を流す。
剣が帯電する。
バチバチバチッ!!
「雷撃!」
剣を振る。
雷が空中を走った。
ガドドォォン!!
一匹のグリフォンに直撃。
グリフォンは全身を痙攣させる。
「ギャアアアッ!」
翼が止まり、真っ逆さまに落ちていく。
残る一匹が怒り狂う。
突風を巻き起こし、ユウへ襲いかかる。
ユウは弓を構えた。
オレンジの魔石が輝く。
魔力を集中。
矢の前に、光の玉が生まれる。
「いけ!」
ユウが放つ。
オレンジの玉の矢が一直線に飛ぶ。
グリフォンに命中。
次の瞬間――
ドォォォォン!!
爆発。
空中でグリフォンの身体が吹き飛ぶ。
羽、骨、破片が空に散る。
粉々になった残骸が地上へ落ちていく。
そのときだった。
シリューが叫ぶ。
「あれ!」
落ちていく破片の中に――
青い光。
きらめく石。
直径六センチほどの美しい魔石だった。
青く輝いている。
「水の魔石だ!」
ザックルの言葉を思い出す。
青は、水。
しかも6センチ級。
王都でも滅多に見ない宝だ。
「追うぞ!」
アリュウが叫ぶ。
三匹のワイバーンが急降下する。
森の奥へ。
落ちたグリフォンの死体と――
青い魔石を探すために。
三人の冒険は、さらに大きな運命へと近づいていくのだった。




