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星を一緒に見ていたい  作者: 電気の土星
第二章:運命の夏
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第49話:明るいお祭り

夏祭りの日の朝。いつもの時間に起きてのんびりしていると結奈ちゃんから電話が来た。

「恵那!おはよ!今日さ、ちょっとだけ早く来てくれない?」

「いいけど、どうしたの?」

「恵那に選んでほしいものがあるから。」

そのあとちょっと話をして電話を終えた。読書をしながらのんびり過ごしていたらいつの間にか昼になっていた。一人だからてきとうにお昼ご飯を食べてまた読書を再会する。読書をしているとあっという間に時間が過ぎる。気がつくともう家を出る時間が迫っていた。急いで着替えて家を出る。


結奈ちゃんの家に着いた。玄関のチャイムを鳴らして結奈ちゃんを待つ。少し待ってと言われたから待っていると、中から私を呼ぶ声が聞こえた。

「恵那〜?入ってきて〜。」

「おじゃまします。」

玄関のドアを開けて中に入ると、少しバタバタした雰囲気が伝わってくる。正面の階段を降りてくる結奈ちゃんは既に浴衣に着替えていた。髪もおそらく自分で整えたのだろう。可愛い髪飾りまで既につけてある。

「あれ?恵那浴衣じゃないの?」

「浴衣だと自転車乗りにくいから。」

結奈ちゃんが自分の部屋に通してくれた。

「ここで着替えなよ。リビングで待ってるから。」

「ありがとう。」

少し汗ばんでいたからTシャツを脱いで汗を拭いて浴衣を着る準備をする。

浴衣を着て帯を締めた。紺色の生地に白の波。私が着ると浴衣に着られているように見えるのは気のせいだろうか。


リビングに行くと結奈ちゃんが椅子の後ろに立って櫛を持ってスタンバイしていた。準備は万端らしい。

「可愛いじゃん。さ、座って。」

「ありがとう。結奈ちゃんも可愛いよ。」

結奈ちゃんはすっと顔を背けた。

「今私のことはいいから…」

椅子に座った。鏡の中の結奈ちゃんと目が合う。目が合った瞬間すぐに逸らされてしまった。

少しずつ丁寧に髪を整えていく。結奈ちゃんの手つきはいつも優しくて安心する。左側でサイドテールっぽいおだんごにしてそこに髪飾りをつけてくれた。

「できた〜。どう?」

「うん。すっごく可愛い。ありがとう。明日もこれでお願いしていい?」

一瞬結奈ちゃんの表情が曇った。でもすぐに明るくなって、

「うん!明日も任せて!」

明日は誰と行くかはまだ伝えていない。でも結奈ちゃんは私が好きな人と行くことはなんとなく察しているのかもしれない。先輩とわかっているかは私にはわからないけど。


二人で並んで玄関に出た。

「恵那下駄持ってたの?」

「これもおばあちゃんが。」

はえ〜っと感心したような表情を浮かべた。結奈ちゃんはほんとにわかりやすい。

「恵那、写真撮らせてよ。」

「いいよ。どこで撮る?」

「お祭り行ってから。」

並んで歩き出す。しばらく歩いて結奈ちゃんが止まった。

「足痛くならないの?」

「そんなに。一応練習もしたし大丈夫だよ。」

そこからまたしばらく歩いてお祭りの会場に着いた。まだ明るい時間だけど人は結構いる。

「すごい人だね。」

「ねえ、その…恵那がいやじゃなければなんだけど…」

「なに?」

「はぐれたらいやだし、手繋ぎたいな…」

学校の教室だとなんのことわりもなく手を繋いでくる結奈ちゃんが珍しく私に一言行ってきた。断るつもりは一切ないけど改めて言葉にされるとちょっと恥ずかしい。

「誰も見てないだろうし気にしなくて大丈夫だよ。」

そう言って結奈ちゃんの手を握る。握った瞬間結奈ちゃんの手がビクッとしたがすぐに握り返してきた。神社の参道沿いに並ぶ屋台を見ながらゆっくり歩く。知り合いっぽい人を見かけるたびに一瞬結奈ちゃんが手を離すけどすぐに繋ぎ直す。そんなに見られるのが気になるのか。ただ友達と手を繋ぐだけなのに。


参道を歩いていると先輩を見つけた。真夏さんと一緒に歩いている。向こうはこっちに気づいていない。先輩の浴衣姿綺麗。明日は私が先輩を独り占めできるんだから、今日は結奈ちゃんとのお祭りに集中することにした。

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