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星を一緒に見ていたい  作者: 電気の土星
第二章:運命の夏
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第47話:星が結ぶ指

ウキウキで先輩に電話をかける。すぐ電話に出てくれた。もしかしたら先輩もずっと待ってくれていたのかも。

「こんばんは。ずっと待ってました。」

「そんなに?」

「はい。」

縁側に座って空を見る。新月の日だから星が普段より多く見える気がする。そばに麦茶の入ったコップを置いている。たまに氷が溶けてカランと氷のずれる音がする。

「同じ星が見えてるのかな。恵那ちゃんと私で。」

「どうでしょう。でも、空は繋がっているので。」

回答としてあっているかはわからないが、とにかく何か言いたかった。先輩の声も大好きだから。


しばらく雑談しながら流星群の見え始める時間を待つ。

「先輩は夏祭り行くとき浴衣ですか?」

「浴衣着ていくよ。」

「ほんとですか。私もです。」

先輩の浴衣姿を拝みながら一緒に花火を見るなんてことが叶って良いのか。先輩、制服も似合うし、私服も全部似合ってた。浴衣が似合わないわけがない。

「先輩、浴衣の色何色ですか。」

「浴衣?え〜っと…白にお花の模様があるよ。」

「ほぼお揃いじゃないですか。私もそんな感じの浴衣です。」

決めた。先輩と行く日に白いほう着る。

「あ、流れ星。そっちも見えた?」

「見逃しました。」

「流星群かな、それともただの流れ星かな。」

「普通の流れ星じゃないですか?なんか先輩よく流れ星見れるじゃないですか。」

先輩はたぶん流れ星に愛されている。初めて一緒に星を見た日も、先輩の家でお泊まりした日も流れ星が見えた。


「先輩、私は今すっごい楽しいです。こうやって先輩と電話しながら星が見れて。」

自分でもなんで急にこんなこと言い出したのかわからない。電話だと普段言えないことも言えるようになってしまう。でも一度声に出し始めた気持ちは収まらない。

「これからも、先輩と一緒に電話して、一緒に星見たいです。」

言い終わった瞬間、夜空を一筋の光が流れた。どっちだ。普通の流れ星なのか流星群なのか。

「恵那ちゃん、私もだよ。仲良いうちはいろんなことしたい。」

私はスマホを落としそうになった。思っていた反応と違いすぎる。軽くあしらわれるか、そもそもなかったことにされるかくらいだと期待していたのに、その期待を優に超えてきた。

「ずるいですよ…」

小さな声でぼそっと呟いた。電話が拾えるか拾えないかギリギリの大きさで。

「先輩、約束です。」

私はそう言ったあと何も言わずに小指を差し出した。先輩は目の前にいないのに。それでも繋がりを感じたかった。


1時間くらいすると流れ星も落ち着いてきた。

「終わったかな?」

「終わりっぽいですね。」

「寝よっか。」

「はい。おやすみなさい。」

「おやすみ。」

電話を切った。動くことができずその場に倒れ込む。ただただ嬉しい。スマホをずっと胸に抱えている。誰かに見られる前に立ち上がりたいけど、今はなにもしたくない。なにかをすることで今の気持ちを上書きしたくない。


「はぁ〜……大好き…」


思わず声に出した。誰にも聞かれない想い。夜風だけがこの気持ちを包んでくれる。言ってからまた足をバタバタさせる。今の姿を見られるのはさすがにまずい。なんとか立ち上がって部屋に入った。襖を閉めて布団に横になる。

「落ち着け…まだ何も言えてない…」

なんとか自分の気持ちを落ち着かせる。

わけも無く部屋をうろうろしていると優が入ってきた。

「姉ちゃん、お風呂だって。……何してんの。」

「べ、べつになにも?」

優はなにかを察したような顔をした。優よ、その察しはおそらく間違ってる。

「とりあえずお風呂行きなよ。」

「あ、はい。」

そそくさと部屋を出てお風呂場に向かう。無意識に焦っているのかいつもの半分くらいの時間でお風呂を出た。


部屋に戻ると優が私の布団で転がって漫画を読んでいる。

「優、そこ私の布団なんだけど。」

「いいじゃんか。姉弟なんだし。ていうか姉ちゃん、さすがに赤星さんの写真ロック画面にするのはやめな?」

「待ってなんで知って…!」

「姉ちゃんのスマホどかそうと思ったとき指が画面にあたっちゃって見えたんだよね。」

終わった。さすがに先輩の写真だけではまずいからロック画面はランダムで切り替わるようにしていたのに。運悪く優が開いたタイミングで先輩だった。

あれ?一つ不可解な点がある。

「なんで先輩のこと知ってるの…?」

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