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星を一緒に見ていたい  作者: 電気の土星
第二章:運命の夏
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第45話:先輩がきっかけで

夏休みはあっという間に過ぎていく。気がつけばもう8月11日の夕方。明日からおばあちゃんの家に行く。夜には先輩と電話しながら星を見る。誘ったのは私からだけど恥ずかしいくらいロマンチック的なことをしている。

「姉ちゃん、早く荷物まとめときなさいって母さんが。」

「わかってる。」

ちょっとくらい先輩のこと考える時間をくれてもいいじゃないか。とりあえず2泊できるだけの着替えとその間にする夏休みの宿題をカバンに詰め込む。本も2冊は読めるだろう。荷物を詰め込んだカバンを部屋の隅に置いてベットに横になった。おばあちゃんが夏祭り用に浴衣をくれると言っていたからワクワクしている。

「姉ちゃん?入るよ。」

私が返事をする前に優が部屋に入ってきた。

「寒っ!エアコンの温度下げすぎでしょ。ていうか姉ちゃん彼氏でもできたの?」

「なに急に。」

「最近夜ずっと誰かと電話してるし、夏休み行くって言ってたじゃん。」

「普通に部活の先輩だけど。女の子の。」

私がそう言うと優がエアコンの温度を上げた。

「寒いでしょ絶対。風邪引くよ?」

「てか私に彼氏できたかどうか聞くためだけにここ来たの?」

「違う違う!前に貸したマンガ返してもらいにきたの。」

マンガなんて借りたっけ?私はそう思いながらベットサイドの本棚と勉強机の上を順に見た。ある。机の上に一冊だけ場違いなマンガ。

「ごめんごめん。返そうと思って忘れてた。おばあちゃん家に持っていくの?」

「今読むからだけど。」

私が優にマンガを渡すとすぐに部屋から出ていった。

「はぁ〜……聞こえてたんだ。」

夏休み、特に8月に入ってからは頻繁に先輩と夜に電話をしている。その日あったことや読んだ本の話、その他にもどうでもいい話をしている。この前はどこかのお祭りの花火を見た。私はあの時間が結構好きだ。先輩がどう思っているかはわからないけど、少なくとも付き合ってくれている間は大丈夫だろう。

「結奈ちゃんともお祭り行くもんね。浴衣ってすぐ乾くのかな。」

気になってスマホで調べた。乾くの自体はそんなに時間はかからなさそう。おばあちゃん家に2着あることに賭けるか。

「優がああいうこと聞いてきたってことはやってることはカップルっぽいのかな。」

先輩はどう思っているんだろう。気になるけど直接聞くならなんて聞けばいいんだ。


部屋を出て廊下に出る。暑い。私の部屋が涼しすぎるのもあるけど暑い。とにかく暑すぎる。

リビングに入るとキッチンの方はすごく暑い。お母さんは大変だな。

「お母さん、おばあちゃんの家ってベランダあるっけ。」

「ベランダはないけど縁側ならあるんじゃない?どうしたのよ。」

「明日の夜先輩と電話しながら星見る。なんとか座流星群が見られるんだって。」

お母さんはへぇ〜っと頷いている。

「恵那が誰かと電話しながら星見るようになるなんてね〜。その先輩に感謝しないと。」

「なんで。」

「だって恵那、天文同好会に入ってなかったらほんとに誰とも話してないでしょ。」

ぎくっ。

「そ、そんなことないもん。結奈ちゃんがいるし、クラスの人だって。」

お母さんの言うことは半分事実だろう。結奈ちゃんと話すきっかけは席替えとはいえ先輩とある程度話をしていて会話という行為に自信がつきはじめたころだったからだ。先輩と出会っていなかったら結奈ちゃんに話しかけられても何も言えなかったと思う。やっぱり先輩には感謝するべきだ。お母さんが言うのはよくわからないけど。

「お泊まりするって言ってなかったっけ。あれどうなったの?」

「わかんない。多分私の家だと思うけど。」

お母さんの表情が明るくなった。

「ほんと?一回会ってみたかったのよ〜!」

「変なこと言わないでよね。私まで変だと思われる。」

お母さんはわかってると言ったが大丈夫だろうか。とりあえず自分の部屋に戻って先輩にお泊まりの件でメッセージを送った。

「この部屋寒っ。」

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