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星を一緒に見ていたい  作者: 電気の土星
第二章:運命の夏
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第43話:無意識に

恵那視点です

今日は終業式。ようやく夏休みが始まる。夏祭りと先輩とお泊まり以外とくに予定はないが、それでも学校よりはまだいいんじゃないか。


放送で終業式を行う。校長先生のテンプレートみたいな話を聞いて担任に夏休み中の諸注意などをされるともう放課後だ。このあとは特に予定もないしまっすぐ家に帰るつもりで教室を出ようとした。後ろから勢いよく結奈ちゃんが飛びついてくる。

「どうしたの結奈ちゃん。」

「このあと暇?遊びに行こうよ。」

私は少し考えてから答えた。

「じゃあ一回着替えに家帰っていい?」

「うん!じゃあ私も着替えていくね!」

自転車で帰るには暑すぎる。それでも自転車で帰る以外方法がない。結奈ちゃんとは結構早い段階で道が分かれる。

「じゃあ、ご飯も食べるだろうから1時間後くらいに恵那の家行くね。」

「わざわざ良いの?行きたい場所集合にした方が…」

「久しぶりに髪触らせてほしいし。」

そういうことなら、と答えて一旦家に帰った。優は一日早く夏休みに入っていて、たしか今日は友達と遊びに行ってるんだっけ。リビングに入るとお母さんが見知らぬ猫を撫でている。

「お母さんその子どうしたの?」

「お母さんの友達の家の猫よ。旅行に行くから3日間預かってほしいって。」

小さな声で鳴きながらすり寄ってきた。可愛いけど早くシャワー浴びて着替えてご飯食べないと。

「ごめんね。私ちょっとシャワー浴びなきゃだから。」

心苦しいけれど猫を置いてお風呂場に入る。シャワーを浴びて私服に着替えてリビングに戻った。

「お母さん、ご飯食べたら友達と遊びに行くから。一回家来るけど。」

「そう。遅くならないようにね。」

机の上に置いてあるそうめんを食べる。暑い日は食欲が出ないからそうめんを作ってくれるのは非常にありがたい。


玄関のチャイムが鳴った。ドアを開けると結奈ちゃんが立っていた。

「結奈ちゃん、いらっしゃい。上がって。」

「お邪魔しま〜す。」

結奈ちゃんと一緒にリビングに戻る。

「こんにちは!山本結奈です!」

「こんにちは。まあ座って。」

結奈ちゃんと私が椅子に並んで座る。

「あ!可愛い〜!恵那、猫ちゃん飼ってたの?」

「お母さんが友達から預かってるんだって。3日間だけうちの子。」

結奈ちゃんが私の髪を触り始めると猫が足元に寄ってきた。人懐っこい子だな。結奈ちゃんは猫を時折撫でながら髪をセットしてくれた。二人で遊ぶときはいつもハーフアップ。いつのまにか二人の間で形成された暗黙の了解だった。髪のセットも終わったしさっそく出かけた。

「どこ行くの?」

「やっぱカラオケでしょ。」


自転車で駅前のカラオケ店に行った。部屋に入るとさっそく結奈ちゃんがマイクを持つ。一曲目はいつも同じ曲。何回聞いても上手だ。私も歌って、また結奈ちゃんが歌う。そしたらまた私が歌う。しばらく歌ったところで私が飲み物を取りに部屋を出た。ドリンクバーを使う見慣れた後ろ姿。

「先輩?」

「恵那ちゃん?奇遇〜。お友達と来てるの?」

「はい。結奈ちゃんと来てます。先輩もお友達と?」

「うん。真夏と二人で。」

一瞬だけ真夏さんに嫉妬する。まあ私はお泊まりしたことあるし夏休みもまたするけど。

「明日一緒に勉強しようよ。数学とかわかんないとこなんでも聞いて。」

「良いんですか?ありがとうございます。」

少し話をしたあと部屋に戻る。

「結奈ちゃん、さっき先輩と会ったよ。」

「紗凪さん?」

「うん。真夏さんと一緒に来てるんだって。髪も褒めてもらったし。結奈ちゃんのおかげだよ。ありがとう。」

言い終わって気がついたが結奈ちゃんの顔が明らかに不機嫌だ。なにかまずいこと言っただろうか。

「今私と遊んでるんだから他の人の話ばっかりしないでよ。」

そう言って私の指をぎゅっと握ってきた。

「ごめんね。」

私は手を握り返して真っ直ぐ目を見て謝った。結奈ちゃんの耳が若干赤くなっている。

「もう気にしてないから…」

結奈ちゃんが手を離した。私は何が起きたかよくわからないまま結奈ちゃんの歌を聞いていた。外の世界はもう夕焼けに染まっている。

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