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星を一緒に見ていたい  作者: 電気の土星
第一章:一番星
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第37話:白い朝顔

日曜日。今日は7時に先輩に呼び出されているから6時前に起きた。一体なにがあるのか。

洗面台で鏡を見るともうすでに少しにやけている。自分では抑えているつもりだったが自分でもわかってしまうくらい表情に出ている。

「行ってきます。」

6時40分に家を出て先輩の家に向かう。まだ完全に日が昇っているわけではないが気温は高い。自転車を漕ぐたびに夏の風が私の髪を撫でていく。

「先輩、おはようございます。」

「おはよう。朝早くにごめんね?どうしても見せたいものがあって。」

先輩が指差した先には青と白の朝顔が咲いていた。

「朝顔ですか。」

「うん。なんだか育ててみたくなってね。そろそろ花が咲きそうだったから恵那ちゃんに見せたかったんだ。」

私はプランターの前にしゃがみ込んで朝顔を見る。

「白の朝顔なんてあったんですね。」

「うん。私も花が咲いて初めて知ったんだよね。」

私は端の方で中途半端に花が開いている朝顔を見つけた。

「なんだかこの子、前の子に隠れてるみたいですね。」

「恵那ちゃんは表現が可愛いよね。」

可愛い、と言われドキッとしてしまう。私に対してではなく私の言葉に対してなのはわかるけどやっぱり先輩に可愛いと言われるのは嬉しい。

先輩の家の隣の土地には向日葵がたくさん咲いている。向日葵を見ると夏本番という感じがする。


「うち、上がってく?今から行っても開いてないから。」

「はい。おじゃまします。」

先輩の部屋に入る。前来たときとそんなに変わっていないが、ベランダの窓のカーテンレールには風鈴が取り付けられていた。

「風鈴ある…」

「やっぱり恵那ちゃんは気になる?」

やっぱりってどういう意味だろう。

「なんか恵那ちゃんって詩人みたいな感性してるから、風鈴とか好きそうって思って。」

「まあ風鈴とかは好きですけど…」

そよ風に風鈴が揺られて音を奏でている。この音で夏を感じている。アニメとか映画でも風鈴の演出はあるが、生で音を聞くのが1番だ。

風鈴をよくみると花火や金魚が描かれている。

「夜空をこの風鈴越しに見たら綺麗でしょうね。花火が上がってて、その空を金魚が泳いでる。」

先輩は私と風鈴を交互に見ている。

「やっぱり恵那ちゃんはすごいよ。私そんなこと全く思いつかなかったもん。」

ちりん、と風鈴が鳴る。


気がつけばもう9時20分を過ぎている。

「そろそろ行こっか。」

「はい。」

自転車を漕いで駅まで向かう。電車で大体40分くらいで水族館の最寄駅に着いてそこから専用のバスで15分くらい。昨日いろいろ調べてイベント情報はバッチリだ。

少し混んでいる改札を抜けてホームに立つ。3分もしないうちに電車が来た。電車に乗って目的の駅まで向かう。

席に座っていると先輩が私の肩に頭を乗せてきた。寝ている。そういえば先輩は朝が苦手だった。変に動くと先輩を起こしてしまう。電車の中なのに、私は顔がどんどん赤くなっていく。


電車が駅に着いた。

「先輩、着きましたよ。起きてください。」

まだ眠たそうな先輩の手を引いて改札を抜けた。バス乗り場にはタイミングよくバスが待機している。

バスに乗って席に座ったらすぐに先輩がまた寝た。寝顔がほんとに綺麗で可愛い。私はこっそり寝顔の写真を撮った。すぐに非表示のフォルダを新規作成して写真を入れた。

約15分バスに揺られる。水族館ということもあり海沿いを走っている。


水族館に着いて先輩を起こす。

「行きますよ。先輩。」

目を擦る先輩の手を引いてチケット売り場へ向かう。さすがに先輩も目が覚めたようだ。

「チケットどっちが良いですか?」

ペンギンの絵かイルカの絵か。せっかく持って帰れるのだから先輩の好きな方を選んでほしい。

「イルカがいい。」

先輩がそう言ったからイルカのチケットを先輩に渡した。

「まずどこから行きますか?」

「やっぱり大水槽かな。」

私と先輩は大水槽に向かって歩き出した。

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