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星を一緒に見ていたい  作者: 電気の土星
第一章:一番星
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第24話:新習慣

中間テストが無事に(?)終わった。苦手な数学も、結奈ちゃんに教えてもらったおかげでなんとか赤点は回避できた。結奈ちゃんには改めてお礼しなきゃいけない。日本史はもちろん高得点で、思っていたよりも英語の点数も良かった。

「恵那、数学どうだった?」

「大丈夫だったよ。結奈ちゃんのおかげ。ありがとう。」

「いいのいいの。私も恵那が教えてくれた国語ちょっと良かったもん。ありがとね。」

結奈ちゃんの役に立てたならよかった。私は今日、初めて髪を下ろしたまま学校に来ている。自転車に乗るとき少し邪魔だったけれど、なんだか気分も新鮮でよかった。

「恵那、ちょっとヘアアレンジしていい?」

「え?」

結奈ちゃんの手にはいつのまにか櫛とヘアゴムが握られている。

「私って髪短いからさ、アレンジとかしたことないんだよね。だからお願い!」

そう言うと彼女は私に向かって頭を下げて手を合わせてきた。

「わかったから。だから顔上げて?」

「良いの!?ありがとう!」

結奈ちゃんの表情がぱあっと明るくなった。さっそく私の背後に立って髪を触り始める。

「三つ編みとかしたことある?」

「ない。普段はポニテか下ろすかしかやってない。」

「恵那はたぶんなんでも似合うと思うな。お団子ヘアとか、ツインテールとかも。」

私は黒板の方をチラ見した。今日は木曜日。部活があるから先輩にも会える。髪型を変えたらどんな反応してくれるだろうか。

「三つ編み、お願いしていい?」

「かしこまりました〜。じゃあさっそく編んで行きますね〜。」

結奈ちゃんはすごく丁寧に私の髪を編んでいく。そういえば将来は美容師さんになりたいって言っていたような気がする。だから髪をアレンジしたいなんて言うのだろうか。


数分後、結奈ちゃんがタブレットのカメラで仕上がりを見せてくれた。

「じゃじゃ〜ん。やっぱり似合うよ!私の見込みは間違ってなかった!」

「すごい綺麗だね。誰かにやったことあるの?」

「うん。妹にいつもやってるんだ。自分でもできるのに、私がやった方が綺麗だからって。」

妹がいたのか。結奈ちゃんや先輩と話しているとずっと、もっと他人に興味を持った方がいいと思い知らせる。

「結奈ちゃんにやってもらうのが好きなんて可愛いじゃん。」

私がそう言うと結奈ちゃんは少し照れたような表情を浮かべた。

「私も誰かにやってもらえるなら髪型にもこだわるんだけどな〜。」

「じゃあ私がやっていい?」

思ってもみない回答が返ってきた。別に結奈ちゃんに言わせようと思ってあんなことを言ったわけじゃない。ただ単純に、心の声がそのまま溢れてきただけだ。

「恵那は可愛いし髪綺麗だしさ、毎日髪型変えるのも楽しそうじゃない?」

「じゃあ、そうしようかな。」

これから毎日結奈ちゃんに髪を触られることになる。普段から髪のケアには気を遣っているけれど、もう少し頑張ろう。


そんなこんなであっという間に放課後になった。テスト明け直後の火曜日は雨だったから部活はなかった。テスト前以来約3週間ぶりの部活だ。私はウキウキで部室のドアを開ける。

「せ〜んぱい!」

ドアを開けた先にはいつも通り先輩が座っていた。

「恵那ちゃん、今日は三つ編みなんだ。可愛いじゃん。」

髪型だけで先輩に可愛いと言われるなんて。やっぱり髪型は大事なんだ。結奈ちゃんにはほんとうに感謝しかない。私は可愛いと言われニヤケそうになるのを必死に堪える。

「はい。クラスの友達にやってもらったんです。」

「すごい綺麗に編み込まれてるね。美容師さんがやったみたい。」

「将来は美容師さんになりたいらしいですよ。」

私がそう言うと先輩はやっぱり、という顔をした。

「テストどうだった?数学できた?」

「はい、なんとかなりました。」

「なら良かった。テスト期間中一回も連絡なかったからちょっと心配だったんだ。」

「先輩の迷惑になるかなって思ったので…」

先輩は首を横に振った。

「いつでも頼ってよ。」

その目には、なにか他の言葉も含まれているようだった。

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