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星を一緒に見ていたい  作者: 電気の土星
第一章:一番星
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第19話:先輩とお泊まり③

先輩おすすめのチョコアイス。しっとり?していて美味しかった。アイスやチョコの味の違いはよくわからないけれど、先輩がおすすめしてくれたということは多分他と比べて美味しいということだろう。

「私のも一口食べる?」

そう言ってスプーンを差し出してきた。

「ほら、口開けて?」

「ひぇっ?」

変な声が出てしまった。先輩がアイスをあーんしてくれる?そういう認識で合っているのだろうか。

「なに緊張してるの?」

そりゃあ緊張もする。好きな人にお風呂上がりのアイスをあーんしてもらえるのだから。そもそも誰かにあーんされるだけでも緊張するのに、その誰かが先輩だなんて、緊張しないわけがない。

私はドキドキして口を開ける。そこにバニラアイスの乗ったスプーンが入ってくる。

「んっ…。美味しいです……」

先輩の顔が直視できない。口の中でアイスを溶かしながら俯いていた。耳まで熱い。多分顔も耳も真っ赤だと思う。

「恵那ちゃんのも一口ちょうだい?」

そう言って先輩は口を開けた。

「私が食べさせないとだめなやつですかこれ。」

「うん。」

どうやら先輩が引き下がる気はないらしい。震える手でスプーンにアイスを乗せて先輩の口へ運ぶ。

「やっぱこのアイス美味しい。」

それ以降の私にはアイスの味なんて全くしなかった。


先輩の部屋に戻って布団を敷いた。先輩はベットに座って体を伸ばしている。

「明日の明け方より少し前が一番観測しやすいんですよね?早く寝ないんですか?」

「わかってないな〜恵那ちゃん。せっかくのお泊まりで早寝はもったいないよ〜。」

「そうなんですか?」

「そうだよ〜。せっかくなんだからいろんなお話しようよ。」

先輩は今日ずっとテンションがほんのり高い。昨日はあんまり元気じゃなさそうだったから、昨日の放課後から今朝までに何かいいことでもあったのだろうか。

先輩と人生ゲームや、野球ゲームをした。私は野球はルールはなんとなくわかるが、試合を見るわけじゃないから選手はほとんど知らない。お父さんが家で見ているのをたまに見るくらいだし、それも選手に意識はほとんど向いていない。先輩は野球はそこそこ見るし、選手にもそこそこ詳しい。


2試合やったあと、先輩がベットにごろんとして私に話しかけてくる。

「恵那ちゃんってさ、どういう人がタイプ?」

「えっ?」

急に恋バナになった。好きな人じゃなくて好きな人の傾向だからまだ答えやすいと思ったのか、それとも単純にそういうノリが女子高生には備わっているのか。私は前者であることを願った。そうじゃないとなんだか自分が嫌になる気がした。

「私は…優しくて面倒見の良い人がいいです。」

とりあえず先輩のことだとバレないようにありきたりなことを言った。さすがにこれで先輩のことを言っていると一発で断定できる人はいないはず。本人であれば尚更。

「わかる〜。そういう人って憧れるよね。」

「先輩の好きな人のタイプも教えてくださいよ。」

「私はね〜、ありきたりだけど優しくて自分をしっかり持ってる人がいいな。」

自分をしっかり持っている、か。私とは真逆な人だ。そもそも先輩は恋愛についてはあまりわからないと言っていたはず。なのにこういう話題を出してくる。まさか……

「先輩、もしかして好きな人出来ました?」

答えによっては泣いてしまうかもしれない。先輩の教室でご飯を食べたとき、2人くらい背も高くて、顔も整っている人がいた。その人なら好きになってもおかしくない。でも、先輩の好意が私以外に向くということは失恋するということ。その事実を突きつけられるのがたまらなく怖い。


先輩の方を見ると一瞬驚いたような顔をした。まさか本当にそうなのか。早く聞きたい。でも怖いから聞きたくない。相反する二つの気持ちがぶつかり合っていた。

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